さて、いろいろと国内・国外のサイトを見て回ったが、月曜日からの予測は正直むずかしい。だが、考える材料はあるので、それをここで提示すれば、皆様のご参考にはなると思うので、ちょっと書いてみたい。
まず、過去の日本国債の格下げ時にはその後、株が上昇したから、今回もたいしたことはない、という論調がいくつかあるが、これはナンセンスだと思う。日本国債の時は、もともと黒字大国の日本の格下げ自体があり得ない話で、それこそ格付け会社の勝手な論理によるものだった。市場もまったく反応しなかったのも当然で、その後何事も起こらなかったわけだ。しかし、今回の米国格付け問題は、デフォルト寸前まで行ったものが、なんとか収まったという話であり、現実に問題が山積していることは誰の目からも明らかだ。財政赤字・貿易赤字の額も大きく、今後の米政府の打つことのできる手段も限られている。FRBがQE3をできるかどうかもかなり怪しく、これから、米国株価が大きく下落することはほぼ間違いないだろう。月曜日がブラックマンデーの再来になることはおそらくないと思うが、これから秋・冬に向かって、ダウの大底が見られることと思う。
次に、米長期国債の売れ行きだが、これは当面は維持されると考える。むしろ、よく売れて、利回りがさらに下がる方にかけたい。米株その他から逃げ出したお金の行き先としては、米国債しかないのが現状であり、その他、ドイツ国債やイギリス国債といっても、わざわざ買う量は限られている。もし米国債が大きく売られるとしたら、その大きな下げ=利回り上昇は、若林氏が、著書で書いていたように最後の最後の数週間のパニックとして出現するのではないかと思う。それまでは米国債は安泰だ。
来週からの主要な問題は、やはり政府系金融機関(フレディーマックやファニーメイ等不動産、その他農業・軍関係金融)、そして保険会社など、米国格付けに連動して、格付けが下がるところの債券ではないかと思う。米国債については、米政府がそのクレジット上の扱いは従来通りという通達を出しているので、ただちに売る必要はないが、これらの関係する債券については、話は別だ。これらを持っているところは何らかの対応に迫られるはずで、この影響がないはずはない。米系銀行や、各国のソブリン保有資産にこれらは多く含まれており、問題は大きいだろう。全世界的な信用収縮につながる動きとならざるを得ない。
ということで、月曜日からは、さらに米長期国債の利回りが下がり、株が下がるという、通常のリスクオフ相場の規模が大きくなったものが徐々に進行すると考えている。よって、為替関係のトレードも従来の方針どおり、円買い、スイス買い、金買いという今までの路線でOKだと思う。ダウもここしばらく連日の下落であり、テクニカル的にはそろそろ反発する可能性もあるが、そうすればさらにショートで対応していくことになる。為替、金、株いずれも、チャートポイントでの戻り売り、押し目買いの定石通りのトレードで問題ないだろう。ただボラティリティは高くなるので、逆張りは避けておきたい。ギャン理論でいうところのトレンドフォローに徹するということである。ちなみに、ユーロドルと豪ドルドルは下げと見ている。通常の円高・ドル高の論理である。
為替では、日本政府の円売り介入はもうできないと考えるが、あっても、今度は躊躇無くドル円売りで行く。あの榊原氏も、この流れに抗する介入は効かない、年内に60円台もありと発言したそうだが、この件に関しては同感である。今回のドル円相場は60円台半ばが大底になるような気がしている。その時期を慎重に探って、次の長期円安時代に備えていくことが今年から来年のトレードの重要な課題だと思う。「米ドル基軸通貨時代の終わり」はまだあと60年は来ないというのが私の基本的スタンスである。
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