FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



米国債格下げによって発生した相場のモーメントで、逃避した資金が向かった先であるスイスフランと金とが異常に高騰した。今日は、その偏りが訂正されているところと見ている。

先日から書いているように、スイスフラン、金、円と、逃避先があるところ、円だけはドル円で介入圧力が強く円買いが阻止されている状態だった。そこで、フランと金への偏りが出たというふうに見ていた。先日のエントリーで「相場のひずみ」と書いたものだ。

ただ、先日は、そのひずみの訂正は、円買いが強くなってドル円が下がることで訂正されるのではないかと考えたが、スイス中銀の口先介入と、COMEXの金取引の証拠金引き上げによって、まずは先に、フランとゴールドの方がおとなしくなったということだろう。
 
金のP&Fを見ても1800ドルは一応の目標達成であり、ダウゴールドレシオもかなり下がった状態だ。しばらくは、株が上げ気味、金があまり上がらずという状況が来てもおかしくない。テクニカル的価格訂正局面と言えよう。ポジションは朝から小さくしているが、何かのトリガーで次の大きな動きが出るのを待ってみたい。




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さて、画像は話題の中心の米国10年債の利回りの月足チャートである。ご覧のように、利回りは2.2まで落ちてきており、リーマンショック時の2.0にほぼ迫ってきた。この月足チャートがどう解釈されるかだが、まあ、ふつうに見て、ここですぐに大反発というチャートではないだろう。むしろ2009年から今にかけて変形のヘッドアンドショールダーズ(三尊)を形成していて、そこからの下放れが起きそうに見える。

ちなみに歴史上では、10年債利回りは、1941年に1.95という最低値を記録している(最高は1981年の15.32)。今回も、2.0を下回ってなにやら最低値を更新しかねない勢いではないだろうか。ダウゴールドレシオがリーマン時を下回ってきた点など、いろいろな面から、今回の経済不調は、前回の規模を上回るのではないかという気配がしてきている。

経済のファンダメンタルズから見ても、米国ではFRBの緩和姿勢に3名の理事が反対票を入れ、欧州でもECBの国債買い入れ追加に4名の理事が反対するなど、世界の中央銀行が無力化しつつある。リーマンショック時に大規模な金融緩和を行って底打ちをさせた往時の力はまったくなくなっている。

大規模な株価の崩落、国債等の安全資産への逃避、流動性の危機といった一連のパニックがさほど遠くないところで発生する可能性はきわめて高くなってきたと思えるのである。





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FOMCは「2013年まで現在の低金利政策継続」というやや中途半端なものに終わった。かなり長い年限を明記したことで、ある程度の意味はあるが、QE3を期待したむきには期待外れということになる。株・為替への反応もやや明確ではなく、株は今日は上下しつつも横ばいだが、おそらくまもなく薬が切れて、近日中に再下降に転ずると思われる。

為替は、2013年までの低金利のお墨付きが出たところで、ドル安に転じた。特にスイスフランの買われようはすごく、ドルスイスはなんと0.70台まで下落、ユーロスイスも1.0068と一瞬パリティ寸前まで行った。ドル円も77円を割れて動いているがまだ下げは足りない。昨日書いたような仕組みでスイスフラン円は、一日で101円台から109円近くまで暴騰した。まさか夏のうちにスイス円が110円近くまで来ようとはさすがに予測できなかった。

ということで当局の処方が中途半端なため、相場も中途半端に動きそうだ。株は上下しつつ再下降、為替はドル安から、株の下落が激しくなればドル高へと大きく動きそうだ。ただ、リーマンショック時のような劇的ドル高は来ないかもしれない。金は上昇方向で1800から2000ドルの達成までは行けそうな気がしてきた。またQE3が当面ないことがわかったので、銀はこの先も上昇することは難しいだろう。トレードの方向性は予定通りで行きたい。


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ドルスイスフランが0.73台に入りつつある。一瞬の下ヒゲではあるが相当深くまで入り込んできた。それに伴ってスイス円が104円半ばまでをつけており、サブプライム前の105円が見えてきた。ここでのスイス円の104円は明らかに異常な上昇である。

こうなるのには理由があって、ドルスイスでスイスが買われているのに、ドル円では77円あたりの(介入の恐れの)壁でドル円の下降が阻まれており、そのため、ドルスイとドル円のレートから決まるスイス円ばかりが円安でやたらと上昇するわけだ。もし、ドル円が75円だと、ドルスイが0.74で、スイス円は101円となりこのあたりが現状妥当なところではないか。早晩、介入がなければ、まずはドル円75円が実現される方向に進むと思われる。FOMCで緩和的姿勢が示されて、ドル安、ドル円下降というあたりかと想像している。ちなみに、QE3(あるいはそれに類似の政策)が示唆されれば、金がおそらく超上昇するだろう。

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昨晩のNYは予想以上に暴落してしまった。ここまでNYの反応が早いとはやや意外でありもう少しスローペースの下げを予測していたのだが、全体の流れとしては、「月曜日からの予想」のエントリーで書いたことでほぼ当たっていたと思う。昨晩はもう少しNYの様子を見てから利食えばよかったかと反省だ。
 
さて、ついにゴールドとプラチナがパリティ(GPRが1.0)に達し、ダウゴールドレシオも6.0を割りそうなところまで来た。GSRも上昇開始して44となり、200日線を久しぶりに越えてきた。危機が一段と進んだことを感じさせる動きである。GPRとダウゴールドレシオの動きのスピードは、昨晩この辺りで止まるか?と見誤ったように、その勢いがリーマンショック時を超えていることは明らかであり、今回の危機がただならぬものであり、もしかするとリーマンショックの相場を超える危機である可能性を予想させる。
  
通常ならば、ダウもそろそろ自然反発があっていいと思うが、そういうことで予断を許さないようだ。昨晩は途中からダウは、少しだけ短期のお試しショートポジションを置いてみたが、もう少し継続してみたい。
 
ところで、現在の相場で一番おかしいのはなんといってもドル円だろう。ドルスイがさらに最低値を更新、GPRがパリティ、ダウゴールドレシオが最低、米国10年債利回りもどんどん低下、豪ドルが対ドルで低下、とすべて揃っている中で、ドル円だけが77円半ばより下げられないのは、ファンダメンタル・テクニカルの両観点から、異常である。もちろん、介入懸念のために積極的にドル円が売れないのであるが、ちょうど、大地震の前の地殻にひずみが蓄積するように、ドル円に相場のひずみが徐々に蓄えられているのは間違いない。どこかの時点で、そのひずみがずれて、相場の大地震を起こすことが予測される。ということで、現在、77円50銭だが、介入があって80円あたりまで戻しても気にならないポジション量の範囲で、ドル円のショートは適宜加えていくのがいいと思う。あるいは、戻りの浅いストップロスをつけておくのもいいだろう。とにかく、流れに逆行しないトレードを心がけていきたいと思う。

ドル円といえば、またAIAの堀内氏が面白いことを書いていたので引用しておきたい。「週末の報道を見ていた限り、株よりドル円の印象だった。G7での財務省の反応もそんなものだった。日本の脳みそ99%がドル円、G6の脳みそ、その他が99%って印象。ドル円にあそこまでこだわるのは異常に見えたね。」
まさにその通りで、ドル円にこだわって介入を繰り返す日本政府はおかしいとしか言いようがない。その不自然さはいつか相場自身によって正されるだろう。





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金があっという間に1700ドルを超えて、ダウゴールドレシオはリーマンショック時を完全に下回った。またゴールドプラチナレシオもそろそろ1.0(金と白金のパリティ)が近づいている。金の勢いはものすごい。
 
ただ、ダウゴールドレシオもこのあたりがサポート、ゴールドプラチナレシオもこのあたりがレジスタンスであり、いったん止まる可能性が高いところまで来ている。金のロング短期ポジション、株のショート短期ポジションは利食って、次の機会を待つのもいいと思う(自分はそうした。)今日のNYを見てからでも遅くはないが、米国投資家はえてして楽観的なので、株を買ってくる可能性もある。金の短期ポジションは十分に益が出ていると思うので、そこそこで満足するのもトレードのひとつのコツではある。ダウは完全に下向きのチャートに成っているので、このあたりでしばらくは滞留しそうである。戻りでまた売ってみたい。



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さて、いろいろと国内・国外のサイトを見て回ったが、月曜日からの予測は正直むずかしい。だが、考える材料はあるので、それをここで提示すれば、皆様のご参考にはなると思うので、ちょっと書いてみたい。

まず、過去の日本国債の格下げ時にはその後、株が上昇したから、今回もたいしたことはない、という論調がいくつかあるが、これはナンセンスだと思う。日本国債の時は、もともと黒字大国の日本の格下げ自体があり得ない話で、それこそ格付け会社の勝手な論理によるものだった。市場もまったく反応しなかったのも当然で、その後何事も起こらなかったわけだ。しかし、今回の米国格付け問題は、デフォルト寸前まで行ったものが、なんとか収まったという話であり、現実に問題が山積していることは誰の目からも明らかだ。財政赤字・貿易赤字の額も大きく、今後の米政府の打つことのできる手段も限られている。FRBがQE3をできるかどうかもかなり怪しく、これから、米国株価が大きく下落することはほぼ間違いないだろう。月曜日がブラックマンデーの再来になることはおそらくないと思うが、これから秋・冬に向かって、ダウの大底が見られることと思う。
 
次に、米長期国債の売れ行きだが、これは当面は維持されると考える。むしろ、よく売れて、利回りがさらに下がる方にかけたい。米株その他から逃げ出したお金の行き先としては、米国債しかないのが現状であり、その他、ドイツ国債やイギリス国債といっても、わざわざ買う量は限られている。もし米国債が大きく売られるとしたら、その大きな下げ=利回り上昇は、若林氏が、著書で書いていたように最後の最後の数週間のパニックとして出現するのではないかと思う。それまでは米国債は安泰だ。
 
来週からの主要な問題は、やはり政府系金融機関(フレディーマックやファニーメイ等不動産、その他農業・軍関係金融)、そして保険会社など、米国格付けに連動して、格付けが下がるところの債券ではないかと思う。米国債については、米政府がそのクレジット上の扱いは従来通りという通達を出しているので、ただちに売る必要はないが、これらの関係する債券については、話は別だ。これらを持っているところは何らかの対応に迫られるはずで、この影響がないはずはない。米系銀行や、各国のソブリン保有資産にこれらは多く含まれており、問題は大きいだろう。全世界的な信用収縮につながる動きとならざるを得ない。
 
ということで、月曜日からは、さらに米長期国債の利回りが下がり、株が下がるという、通常のリスクオフ相場の規模が大きくなったものが徐々に進行すると考えている。よって、為替関係のトレードも従来の方針どおり、円買い、スイス買い、金買いという今までの路線でOKだと思う。ダウもここしばらく連日の下落であり、テクニカル的にはそろそろ反発する可能性もあるが、そうすればさらにショートで対応していくことになる。為替、金、株いずれも、チャートポイントでの戻り売り、押し目買いの定石通りのトレードで問題ないだろう。ただボラティリティは高くなるので、逆張りは避けておきたい。ギャン理論でいうところのトレンドフォローに徹するということである。ちなみに、ユーロドルと豪ドルドルは下げと見ている。通常の円高・ドル高の論理である。
 
為替では、日本政府の円売り介入はもうできないと考えるが、あっても、今度は躊躇無くドル円売りで行く。あの榊原氏も、この流れに抗する介入は効かない、年内に60円台もありと発言したそうだが、この件に関しては同感である。今回のドル円相場は60円台半ばが大底になるような気がしている。その時期を慎重に探って、次の長期円安時代に備えていくことが今年から来年のトレードの重要な課題だと思う。「米ドル基軸通貨時代の終わり」はまだあと60年は来ないというのが私の基本的スタンスである。



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S&Pが、ついに、米長期国債の格付けを最上位のAAAから1段階引き下げてAA+に格下げした。まさに前代未聞の出来事になってきた。世界で最高の流動性と信頼性を誇る米国長期国債が格下げされるということは、メートル原器が壊れた世界で、物の長さを計測するに等しいことであり、来週からどのようなことが起きるかはおそらく経済関係者の誰にも予測がつかないはずだ。米国企業の社債などの格付けにも影響がある可能性が高い。
 
まずは、最大限に売れていた(利回り低下していた)米長期国債それ自体の売れ行きがどうなるかである。米株の暴落は間違いないが、そこから「逃げ出した」マネーが、従来通りに米国債とドルキャッシュに行くかどうか、それが最大の問題だろう。当面、他にそれだけの流動性を持つものがない以上、従来とあまり変わらないのではないかという意見もあるようだが、まったく同じというわけにも行くまい。やはり、それ以外の安全資産であるところの、金(ゴールド)、スイスフラン、円といったところに行く部分も多いはずであり、市場の大きさからは、やはり円が一番であり、まずは大きな円高が第一に予測されるところだ。
 
次は、ドル自身についても同じ問題がある。リスクオフ相場では、ユーロや豪ドルから逃げ出したマネーがドルに向かうのであるが、これがもしそうならないと、とんでもないドル安となってしまう。ユーロドルや豪ドルドルの動き、そのあたりも要注意である。
 
以上のように、来週の相場のだいたいの予測としては、円買い、フラン買い、金買いを中心にしておけば間違いないところだが、月曜日の出だしがまずは相当なことになりそうだ。とにかく前代未聞のことであり、週末にもう少し情報収集してから、再度論じてみたいが、まずは第一報を聞いての感想を書いてみた。


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雇用統計を待って動こうと考えていたが、思ったよりも早く結論が出てきたようだ。微妙なバランスを保っていた世界の相場が、日本の為替介入のドル買いによってバランスが崩れてしまったような感もある。実際、株価下落で現金化(ドル志向)が出てきているが、このドル志向は、コメント欄でご指摘があったように日本のドル買い、円売りが誘い水になったという可能性は否定できない。今日の雇用統計によって上下どちらに動くにせよ、すでに下方への大きなステップが進んでしまったように見える。QEによる水増しがなくなったことは大きかったようだ。
 
株金レシオは、大幅に下落し、昨晩のNYで、ダウゴールドレシオが終値で6.89となった。画像の週足のチャートでわかるように2009年3月のリーマンショック時には日足下ひげで6.86はつけているが、ローソクの実体では7.0を下回ってはいない。今回はまだこの後余裕で下向きとなるチャートになっており、さらに下げることは間違いないだろう。つまり、ゴールド建て価格のダウは、すでにリーマンショック時を下回っているわけで、今後ますます下がっていく。それが米国経済の本当の実態の反映であることはここまで力説してきた通りである。 数週前のエントリーで、ダウゴールドレシオは3.0を目指して下降すると予測したが、着々とそれが実現しているということになる。株金レシオの長期サイクルは本ブログのひとつの中心テーマであるが、このように確実に進行していくのを見ると、予想が当たってうれしい反面、恐ろしくもなる。

この後、当然、上げ下げはあるだろうが、秋から年末に向けて相場はますますひどい状況になってくると思われる。以前からの予測が当たるとすると、だいたい次のような現象が見られるはずだ。

1 通貨は、フラン>円>ドル>ポンド>ユーロ・オセアニア の順序が固定し、ドルインデクスも上昇する。欧州通貨やオセアニア通貨は、対円で大きく下落し、クロス円における円高となる。ドル円も下落する。クロス円の中で、スイス円だけは上昇あるいは横ばいとなる。

2 金(ゴールド)は、株価の下落に合わせて一時下落するが、すぐに上昇を開始するという、ギザギザ模様のチャートとなる。金の下落幅は、ダウゴールドレシオと、ダウの予想価格から算出できるので、絶えず、ダウゴールドレシオのチャートを参照しながらトレードすれば大きく間違えることはない。プラチナは大きく値下がりし、GPRは1.0より大きく上昇する。GSRも上昇するが、GPRほどではない。

3 株価もダウゴールドレシオから、金価格を使って逆算しておおよその見通しを立てることができる。前に書いたように、レシオ3.0とすると、金2500ドルで、ダウ7500ドルとなるが、このあたりがまずは年内の目標値となるだろう。

4 (おそらく、来年前半)最後に米国債の価格低下(利回り上昇)の局面を迎え、スイス・円・金が暴騰して、アメリカも終わりと新聞に見出しが出たところが、真の大底で、そこからドル円の大反転が起き、長期の円安時代に入っていく。

当面のトレードは、株ショート、金ロング、ドル円ショートを再度設定し直した。別に超長期のスイス円ロングは保有中である(89円から95円まで)。
為替の方はその他、適宜クロス円のショートなどを織り交ぜつつ機敏に対応していきたいと思う。なお、ドル円への為替介入は今後もあるだろうが、この情勢ではすでにその影響力は限定的と考えられる。むやみにポジションを増やすことなく、適宜対応していきたい。

今後も、為替介入、また、各国の金融緩和(QE3もあるか?)などによって流れが逆転する局面もあると思われる。そのあたりに注意しつつ、下げの流れに乗っていきたいと考えている。


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さて予想通りの日本単独の介入、日銀の金融緩和追加処置もセットという念の入ったことで、そこそこの効果をあげているようだ。すぐに大量のドル円売りをしようかとも思っていたが、ここまでのかなりの期間、金もスイスフランもよく上がっていることもあり、市場のリズムとしては一段落というサイクルが感じられなくもない。そこまで読んでの介入かどうかはわからないが、あまりムリをすることはないと思うので、とりあえず週末の雇用統計までは、金ロング、株ショートいずれも一部利食いをしてポジションを小さくして様子見をしようと思う。ドル円ショートもちょっと小さくして介入待ちとしていたが、ごく一部を残してロスはカットしておきたい。

この間の震災の時の介入でもそうだが、介入というのは最終的には市場の力には勝てないことが多い。しかし、一時期はドル円を反対の方向に持って行くことはできる。そのあたりの見極めが重要だろう。

今回も一応雇用統計を見て動きを見定めてから当面の流れに乗ろうと思う。



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