為替は、いろいろな材料が出ても複数に解釈される相場が続いている。米国債の利回り、日本のGDP、欧州経済の再悪化懸念、などについて、ドル高が出たり、ドル安がでたり、円高が出たり、円安が出たりで方向性がない相場だ。
テクニカル的には、ひじょうに明確で、ドル安(欧州・オセアニア高)がほぼ限界に達したところで、膠着している状態と定義できる。ちょっとした材料でドル高に振れるが、もともとドル安への大きな方向性があるためにすぐにドル安へ復帰する。しかし、限界まで達しているので、また下げるという形だ。しかし大きくセルオフしないところにドル安の根深さを感じる。これは金が950ドルで保たれていることと比例する動きである。
これに対し、円は、円安基調である。クロス円での上昇が円安を明確に示している。ただ、ドル安があるのでドル円が停止状態である。しかし、円安もテクニカル的にはかなり限界的にさがっており、安すぎるということになるのではないか。ちょっとしたことで円高傾向にぶれるのはそのせいだ。
したがって今後の予測としては、より不安定な円が主導権をとって相場を動かすと見たい。一時的な円高によるドル円の下降が中心となって相場が動き、その後、本来のドル安・円安が再加速するというのが自然な動きだ。このときに、さらに、株の上昇と商品の上昇が続くと思われる。その時には、ドル安は現在の膠着地点からブレークして、ユーロドル1.5に向けて進むと思われる。目標となるのは8月から9月あたりだろう。
以上、来週からはしばらくの円高相場と再度予測しておく。ドル円の底は予測しがたいので、相場としてはついてゆくのが安心と見る。
| Trackback ( )
|
その筋の方とのこと興味深い内容かもしれません。
ありがとうございました。
すみません、またもや記事と関係ないのですが、
お教えください。
もしよろしければ…。
ふたつ前の記事に掲載されていた、GSR(金銀比)のような比較チャート、これは、右側の目盛の数字はどのように読めばよいのでしょうか。
乖離率とは違うものですか?
もう少し前の、商品とポンドの記事で、CRBのチャートが使われていました。
私はナントカの一つ覚えで、CCIを見ていたのですが、CCIとCRBはどう違うのでしょうか?
すみません、西も東もわからない初心者で…。
このような質問をしてもよろしいでしょうか…。
こちらのブログを発見して以来、日々関心を持って読ませていただいてます。
去年の夏から試行錯誤で為替の勉強をしていますが、もっと早く出会っていれば、と思うこのごろ。
楽しみが増えました。
CCIは乖離率ですよね。
株価でも、日経平均(やダウやSP500)と、乖離率と両方ありますが、CRBは、世界商品の日経平均に該当するものです。価格の上下そのものです。
次に金銀比の数値は、本当に、同量の金の価格を銀の価格で割った比率です。
Wikipediaで「金銀比価」の項目にある数値そのものです。
補足です。金銀比以外のインデクスなどの比はたんなる目安でその数値自体には意味はあまりないです。割った数そのものです。
もちろんドルインデクス÷円インデクスの価は、だいたいドル円と比例して上下します。
鷹鳩さんのところは時々読んでいますが、今回は見逃していました。イールドカーブの見方が丁寧でわかりやすいですね。
ただ、今回は全体として、利回り上昇が、悪いのか、いいのか、専門家の評価も分かれているところが問題です。私は、たとえば、10年債が、ここまで上がってきても金がそれほど上がらず、逆に、ドル円は素直に上昇傾向(円安)にあることから、「良い上昇」であるという立場を保持していますが、いろいろ意見はあるところだと思います。
株も調整するかと思ったらマネーが注ぎ込まれて上がってしまいました。
SPXやINDUのMACDなど見てもダイバージェンスしてるみたいだし、高値持ち合いと見てますが、離れれば大きい動きを予感させます。
一足先に商品が崩れましたが、円高と株安は来週持ち越しですかね。
別エントリーにも書きましたが、崩れの予感を感じさせる終わり方でしたね。このまま上がったのでは相場としてつまらないので、一度大きく崩してから、夏までに上げるという形がきれいだと思います。ここで大崩壊となるという理由はなさそうです。大調整はあってもいいかもしれません。中か、小かもしれません。