私がいつも見ているAIAの堀内氏の一昨日の言葉(左のリンク集にリンクあり)。
「呆れるほどこの10年で相場の構造が変遷した。もう各通貨が勝手に動いていて、きわめて複雑怪奇になってきている。ドル円とドルスイスを売って、ドル円が儲かって、ドルスイスが損するなんてことは昔はありえなかったのだが、それも慣れてきた。
ところが、最近は、オージー円とニュージー円を買って、一つが儲かって一つが損する、ユーロ円とポンド円を買って、一つが損して、一つが儲かる。これはもういかに米ドルが基軸通貨キングから外れているかの証拠だ。昔は米ドルが隊長で、他の子分の通貨たちは隊長の号令通りに一緒に動いていたものである。
昔と今の為替相場。もしかしたら、今の為替相場のほうが難儀かもよ。(4月6日。夜中)」
ちょっと長いがそのまま引用させていただいた。現役最古参の為替ディーラーの言だけに重みがある。たしかに、ここ数年でも見ても、対ドルに対しての動きがドル主体というより、各通貨が独自の動きを見せることが増えてきた。円とスイスフラン、ユーロとオージーとポンド。今回の危機に対しての各国の対応や影響度が異なるからなのだが、今後もこの傾向は強まるだろう。ドル以後の世界をかいま見せてくれるものだという堀内氏の感想は当たっているものと思う。
相場はアノマリー通りの軟調相場だ。しばらくはこんな感じだろう。こういう時に金があがってくるのがおもしろい。景気が良くなると見ても、不安が増しても、金があまりさがらない。これは、すなわち、各国の通貨膨張政策の明白な反映である。
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