FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



ドル円も、ドルストレートも予想が難しいところだが、ドル円についてはまだ下があるという気持が強い。円安に動いていくには今ひとつアク抜けが足りない気配がある。両建てにしつつ、適宜戻り売りで対処したい。ドルストレートは上げ(ドル売り)を予想しているので、軽くユーロドルで押し目買いというところ。いずれにせよまだ大きなトレンドにはなりにくいようなので、とれるところでとっておきたい。


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昨今、ギリシャ危機、ポンド下落、その他その他といろいろな材料で為替は上下してはいるが、基本的には金融市場も「表面上の」平穏な安定を見せている時期とみなされる。その理由を次に説明しよう。

示したチャートはゴールドCRB(商品)指数レシオ(ドル建てゴールド価格をCRB指数で割り算した)であるが、ゴールドシルバーレシオと似て、値が上がれば、商品の中での金の割高性を示す、つまり金融市場に緊張があって金への選好が発生していることを意味するはずだ。
 
で、ご覧のように、ずっと以前からゴールドCRB(商品)指数レシオは1.5前後でほとんど同じ平坦な動きをしていた。つまり、金本位制が廃止された後の金はたんなる商品の一つとなってしまっていたことを意味する。ところがその平坦なチャートに異変が生じたのが2006年からだ。このころから実は深層にサブプライム危機が潜行してきたものと思う。密かに金が買われてきている。そこらへんから徐々に上昇を始めたゴールドCRB指数レシオは、2008年から2009年にかけてのリーマンブラザースの破綻を中心としたサブプライム危機の頂点に5.0まで暴騰したのであった。ご覧のように2009年3月(株価の底)のあたりを天井にそれまでにない異常なMACDの値を示していることがわかる。この時点で、金は、昔持っていた、究極の安全通貨としての本質に、いわば「覚醒」したかのようだ。

その後レシオの値は落ち着いてMA50のラインに戻ってはいるものの、MA200には戻っておらず、絶対値そのものも4.10となっており、昔の値ではない。移動平均のMA50に戻って、MACDも平時に戻っていることで、「表面上は」落ち着いているとわかるが、絶対値の高さにより、問題が「根本的に」解決していないことを意味している。やはり、金は覚醒したままなのだ。
 
おそらくまた次の危機の段階ではこのレシオはさらに上昇し、金の安全通貨としての性格がさらに明確になっていくと思われる。それは、恐らくダウゴールドレシオの下落やGSRの上昇と並んで進行するだろう。また、各通貨建てでの金価格が一斉に上昇する(通貨の減価)はずだ。
 
ここに示したのは長期の週足であるが、今後MA50からの乖離の具合を見ていくことで、このレシオは、GSRやVIXと並ぶ、恐怖指数としてのよい尺度となるだろうと思う。

今回のサブプライムに発する危機が本質的に解決したことがわかるのは、このレシオがまた過日の1.5レベルに戻る時(おそらく2020年以降と推測する)だと思う。その時にはまた金は1オンス400ドル以下のただの商品に戻って、次の数十年後の覚醒まで眠りにつくのだと思っている。



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