Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

ショルティ=ウィーンフィルの「仮面舞踏会」

2005-08-07 | Weblog
探し物をしていたら昔録画したザルツブルグでの公演を発見。私は歌手には詳しくないので、専らオーケストラのほうに集中してしまうのですが、あーやっぱりウィーンフィルは巧いなあ。特にザルツ音楽祭の時は、どのパートも最強メンツで望んでくるから気合いもばっちり。それにしても何と言う流麗さ!。この気品と優雅さだけは、ベルリンフィルとかがやっても出来ないんだよなあ。(例えもっと上手く演奏できたとしても)
さて指揮のショルティ。大好きです。音楽のテンポ感もいいですしね。実はショルティ=シカゴ響という組み合わせはそれほど好きではないのですが、何故かと言うと金管が吠えまくるアメオケは刺激が強過ぎてちょっとげんなりしてしまうからです。しかし、ウィーンフィルが相手ならそういうこともなく、ショルティの豪腕から生まれる力強いタクト捌きが、ウィーンフィルをバシッと揃えてしまうところは聴くだけでなく観ていても壮観です。(それにショルティはもともとハンガリー出身なので欧州人としての雰囲気があるので、これがまたウィーンフィルにはまるんですよね。)私もアマオケでちょっと弾くからいつも感じているのですが、オケが「バン!」って出る際に絶対に揃うタクト捌きというものがあって、それが上手い指揮だと音楽にメリハリが効いて構築感が生まれてくるわけで、ショルティはこれが実に絶妙だと思うのです。これの悪い?例がアバドの指揮。アバドの演奏は録音を聴いていても、オケの出がいつも「もやもや」って感じで、映像を観ていても「うーん、よくこれで入れるな」と不思議に思います。勿論演奏する楽団は世界一級のプロ達ですから、どんなタクトが来ても正確に対応できるのでしょうが、やはり微妙な呼吸のズレとか動揺は演奏にすぐ響いてしまい、聴いている側にすぐ伝わってしまう訳です。
それにしても、ショルティが去り、ジュリーニが去り、真の意味での巨匠が本当にいなくなってしまいました。

コメントを投稿