翌日は、夕方に偶然にも学会でロスにくる友人と会う約束をしていたので、それまでダウンタウンから北東にあるPasadenaという町を散策してみた。昨年にダウンタウンの中心部から直通の地下鉄がつながった事から、私のように車をもたない人間には格段にアクセスしやすくなった。Pasadenaは閑静な高級住宅街であり、世界的に有名な理系名門大学のカルテックもこの町にある。当日は雨が弱まったこともあったので、そのカルテックの近くにあるThe Huntington Libraryを訪れてみる事にした。鉄道王だったハンティントンが、その多趣味さから様々な芸術品を収集し、現在はそれらを午後だけ一般に公開しており、広大な敷地に図書館と幾つかのギャラリーと様々な庭園を配置している。金持ちの道楽の庭といってもいいが、収集物は歴史的価値が高いものが豊富であり、その中でも私が一番興味を持ったのは、膨大な古い聖書群の展示だ。私はクリスチャンではないので、聖書そのものには興味はないのだが、古い時代の見事な装幀技術には心を奪われた。1000年も前の本が、本の形態できちんと残っているという事実だけでも感動的だ。またさらに感動的だったのは庭園内の南に配置されたJapanese gardenだ。西洋人が作る日本庭園というものは、得てして「的外れ」なことが多いのだが、Huntington Libraryの和式庭園は、ホームシックというものに無縁な私にさえ、日本への郷愁を感じさせるほど見事なものだった。太鼓橋やわび茶室、そして枯山水の禅ガーデン(写真)。当日の霧雨模様の天気もその風情に花をそえていた。またこの日本庭園に入ると、他の西洋建築は全く視界に入らず、和の情緒に浸る事が出来る。この庭園がどういう経緯で作られたのかは知らないが、設計した人の趣味の高さに驚かされた。結局、2時間程度の散策では全ての庭を見る事はできなかったが、ここには近いうちにまた来るに違いない(来月)。その後、大学時代の友人と会うために彼のホテルを訪れ、夕食をともにした後、再び3時間の電車とバスを乗り継いで帰宅。
私はピーターも好きですよ。ルドルフといえばやはり、ワルトシュタインですよね。レポを拝読して、バックハウスのモーツァルトのCDをもってきて聴きました。ベーム&ウィーンフィルの27番、ピアノソナタK331/300i、同K457、ロンドK511です。バックハウスの腕ももちろん、ベーゼンならではの高音部の輝き、低音部の深い陰影は素晴らしいですよね。対位法を教えていただいている先生のご自宅にあるのがベーゼンなのですが、スタインウェイに慣れていると、馴染むのに少し時間を要します。個人的にはやはり、スタインウェイ派なのです。ニューヨークにスタインウェイ博物館があるので、ニューヨークに行かれた際は、是非。私はホロヴィッツ大嫌いなのですが、ホロヴィッツ関連のものが興味深いです。また、モーツァルトは、ぺライアも素晴らしいですよ。モーツァルトに関しては、個人的にはぺライアが最高に好きですね。