Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

挿絵の力

2005-05-09 | Weblog
何気なく谷崎の「人魚の嘆き、魔術師」(中公文庫)を購入して読んだが、谷崎お得意の美文調には圧倒されるものの(人魚の描写など)若い頃の作品であることもあり、ストーリーの展開としてはそれほど印象に残るものはない。ただ、表紙(写真)も飾っているが、単行本の発刊時に掲載されたという挿絵装画が素晴らしい。描いたのは水島爾保布(におう)という人ということ。大正時代の日本画家、挿絵画家、小説家、漫画家であったらしい。あまりもの美しさにテキストよりも絵のほうにばかりに神経がいってしまった。画集でもあればいつか手にとってじっくりと見てみたい。私はこういった頽廃美というか、世紀末的を感じさせる芸術は結構(かなり)好きである。

2 コメント

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頽廃美といえば (hiro)
2005-05-12 02:13:42
ドイツ、オーストリアあたりの19世紀末も面白いですね。分離派会館(セセッシオン)のベートーヴェンフリースを実際に見たときは感慨深かったものです。このクリムトの絵の展覧会の開幕のときに、展示場でマーラーが自分で管楽合奏用に編曲したベートーベンの「第九」を指揮したんですよね。
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私も行きました (wilhelm)
2005-05-13 00:30:48
クリムトは好きです。カレンダーとかで昔よく飾ってました。過去に生まれ変われるのなら、私は1900年代前後とかがいいです。しかしマーラーが第9を編曲したのは知りませんでした。マーラーって色々な曲を編曲したり改訂してるのですよね。シューマンの交響曲とかも改訂しているのですが、演奏した感じは改悪って感じでした。
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