Wilhelm-Wilhelm Mk2

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楽器

2008-08-08 | Weblog
熱っいぜ、熱くて死ぬぜ。(わかってくれた人、ありがとう)
書きたいことは沢山思いつくのだが、ひとつだけ短く。

 池松氏新譜発売:「ラフマニノフ・チェロソナタ」。突然の情報に驚喜。この演奏は今年の始めに生で聴きましたが、とにかく昂奮しました。チェロでもなかなかあのようには弾けないと思うほどの完成度と、あふれでる熱量に圧倒されました。公演の際に結構しっかりしたマイクがたっていたので、もしや?とは思っていたのだけど、あの演奏を再度味わえるのは嬉しい限りです。ただ、カップリングに同日に演奏したアルペジョーネをつけて欲しかったな。古典曲と浪漫曲の対比が見事だったのです。
 これだけの名手なのだから、さぞや凄いオールド楽器を使っているのではなかろうか?と思ってしまうが、池松さんがソロで愛用しているのは日本人の新作楽器(日本で唯一のマイスターと言われる人のもの、もう引退されましたが。)。池松さんのこういう感覚が非常に粋で、格好よく、そして惚れさせます。(もちろん楽器の性能がよいから使っているのだろうけど)どんなオールド名器にも、新作・出来たての時代があったわけで、新作=ゴミ、オールド=神という短絡的な思考はいただけない。オールドな楽器や弓を集めるコレクターというものが世にいるけど、名器はこの世に数少ないのだから、できるだけ演奏家、それも名手の手元に名器はあってほしいものだと思う。科学の話だけど、「卒業論文の分厚さと、その内容は反比例する」という法則を思い出した。私の先生の格言「下手ほど道具にうるさい」。

 話はアマチュアのレベルにおちるけど、私の楽器はもともと参加していた団の所有楽器で、10年くらい腐れ縁で使っていたのだが、かなりなじんでいたので、休団の際に買い取って自分のものにしました。(まるで、お女郎屋の身請け話みたいだね。)楽器そのものは、どこでも手にはいるドイツの量産楽器なのだけど、周りの人もよく聞こえると褒めてくれるし、自分で弾いていても気持ちいいので、心から愛して気に入っている。そりゃお金を積めばもっと性能のよい楽器は山ほどあるのだけど、資金もないし、そもそも買い換える気がさらさらない。このままきちんと使い続ければ、木も乾いてもっともっと鳴って、性能もあがっていくだろうし、「使い込む」感覚というのを大事にしたい。人生をひとつの楽器とともに歩んでいくのもいいのではないだろうか。

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