Wilhelm-Wilhelm Mk2

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フルヴェンの手紙

2015-01-25 | Weblog
備忘録

・クラク・デ・シュヴァリエ:十字軍の古城、シリアの世界遺産。ロレンス曰く「世界で最も美しい城」
・ウェールズ:イングランドへの併合は1500年代。現代でもウェールズ語を話すウェールズ人は2割ほどいる。
・ドレ画集:ギュスターブ・ドレの挿絵集(中世騎士道)を買う。絶妙な構成と躍動感ある人体の動き。さらに多作。天才である。そしてドーヴァー社は庶民の味方。
・フルヴェンの手紙:久々に本題。「フルトヴェングラー書簡集」を古本で手に入れた。箱入りで300円。アルマ・マーラーとも文通していたりと興味深い内容。時代のせいもあろうが、文面が丁寧かつ知的である。インターネットで駄文を垂れ流すだけの我々にはもはや書けない文章だ。フルヴェンは写真から想像されるような気難しい偏屈オヤジというわけではなく、他人に対して細やかに気を回す常識人であったことが伺える。まあ、だからこそ、女性にあれだけもてたのだろう。
・人魚の博物誌:人魚伝説を集めた本かと思いきや、まじめな「海牛目」の専門書だった。現在生存するカイギュウ目はジュゴンとマナティだけだが、過去にはベーリング海にステラ―カイギュウという大型種がいた。ジュゴンもマナティーも温暖な海に生息しているが、ステラーカイギュウは寒冷な海に適応し、コンブなどの大型海藻を主食としていた。ステラーカイギュウはベーリング探査に来た(そして難破した)ドイツ人学者のステラ―によって発見されたのだが、同時に発見されたラッコを本土に伝えた結果、ラッコは毛皮の対象として乱獲され、同時にステラーカイギュウは猟の間の食糧として狩られてしまった。ラッコは激減したが幸運にも保護され現在も生存しているが、ステラ―カイギュウは発見から20年ほどで絶滅してしまった。ヒトを知らない上に好奇心が強く、さらには群れ意識が強いため、銛が刺さった仲間を助けようと集まってきては捕獲されてしまったようだ。少年のころ、ネッシーの正体は生き残りのステラーカイギュウかもという説を読んで以来、この絶滅した海洋ほ乳類のことが頭から離れなかったのだが、思わぬところで専門書に出会えて大喜び。ステラ―自身は、この探検の後に早世するが、その直前に「解体新書」の原書を記したドイツの師匠にステラーカイギュウの標本を送ったらしい。古代には日本沿岸にも多くのカイギュウが生存していたようで、化石も出土しているそうだ。
・古本カフェ:上記のフルヴェン本とカイギュウ本は職場近くの古本屋で仕入れた。露地に並べた100円の文庫本にセンスあったので、中を覗いたところ、自分の趣味に合致したラインナップが書架を埋めていた。上階は本を読めるカフェになっていたが、食器の下げ口などを見るところ、もともとはドトールか何かだったようた。コーヒーだけでなくアルコールもサービスしており、椅子も洒落ていて長居できる環境になっている。大変居心地よかったので、今後の避難場所になるかもしれない。

BOOWY「16」歌詞も曲も素晴らしい名曲だと思う。