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ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展

2021-03-17 | ア-トな話し
2021年1月30日(土)~ 3月28日(日)
ハルカス美術館
オーストリアとスイスに挟まれた独立国家の君主であるリヒテンシュタイン侯爵家は12世紀以来の長い歴史を持ち、歴代にわたる美術作品の収集によって高い名声を得ています。
クラーナハ(父)ら侯爵家秘蔵の油彩画63点をはじめ、華麗な宮廷の空間を彩った陶磁器など全126点のコレクションにより、優美なヨーロッパの貴族文化の香りを楽しめます。


リヒテンシュタイン侯国とは

現在世界で唯一、家名が国名になっているリヒテンシュタイン侯国は、今年建国300年を迎え、かつて神聖ローマ皇帝に仕えたリヒテンシュタイン侯爵家が統治しています。アルプスに抱かれた小さな国土にはライン川が流れ、大都市の喧騒とは無縁な穏やかな時間が流れています。この国は現在金融業などが盛んで、小さいながら世界屈指の豊かさを誇りますが、昔から侯爵家は代々領地経営に成功して富をたくわえ、皇帝にも貸し付けを行うほどでした。その富を背景として積極的に収集した美術作品により、現在のコレクションが形成されていったのです

スイスとオーストリアの間に位置し世界で6番目に面積が小さい国「リヒテンシュタイン公国」。 その面積は、日本の小豆島(153km²)とほぼ同じで周囲を山々に囲まれた自然が豊かな国です。




宮殿内部



ヨーゼフ・ノイゲバウアー
《リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像》

フランツ1世(1853-1938)が8歳の時の肖像。ブロンドの長髪が美しい美少年として円形のキャンヴァスに描きこまれていて、その満ち足りた表情からは激動の晩年を想像することはできない。

1861年、油彩・キャンヴァス

宗教画

ルーカス・クラーナハ(父)《聖バルバラ》

北方ルネサンスの巨匠、クラーナハ(父)による聖女バルバラ。彼女はおそらく聖書を開き、そちらに目を落としている。均整のとれたプロポーションで過度な装飾を抑制する傾向があるイタリア・ルネサンス芸術と異なり、本作でクラーナハは豊かな装飾が施された衣服を優美な立ち姿の聖女に与えている。

1520年以降、油彩・板

神話画・歴史画


ペーテル・パウル・ルーベンスと工房《ペルセウスとアンドロメダ》

ルーベンスとその工房が描いたのは、海の怪物を退治したペルセウスが拘束されていたアンドロメダを開放する場面。完全武装したペルセウスと、裸体のアンドロメダとの肉体の対比により、アンドロメダの美しい裸身が一層際立たせられている。

1622年以降、油彩・キャンヴァス

磁器―西洋と東洋の出会い

景徳鎮窯《染付花鳥文金具付壺》
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト

中国景徳鎮で康熙年間(1662-1723)に作られた壺に鍍金したブロンズの装飾金具をつけたもの。 桑の葉をモチーフにし、蓋の天辺には桑の実が付けられている。

磁器:青の下絵付、順治〜康熙年間(1644- 1723)、金具:鍍金されたブロンズ 1775/1785年


有田窯《青磁色絵鳳凰文金具付蓋物》
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト

古伊万里の蓋物にウィーンで豪華な金属装飾が付けられた作品。蓋の上には森の精シラノスと思しき人物像が付けられている。

磁器:上絵付 1690-1710年、金属装飾:鍍金されたブロンズ 1775/1785年、人物像:後補

展示室には撮影可能な部屋があります


ウィーン窯・帝国磁器製作所
アントン・デーリンク
イグナーツ・ヴィルトマン《金地花文ティーセット》

この豪華なティーセットは、侯爵家のティータイムのために使われた。蓋付きの大きなポットは熱湯あるいはコーヒー、小さい方は温めたミルクが入れられた。砂糖入れは3頭のスフィンクスが脚になっている。鉢は菓子用だろうか。金地には花が描かれており、ポット類や砂糖入れはもとより、12客のティーカップと受け皿もすべて異なった絵柄で、白、青、紫などの雪割草が描かれている。

1815年、硬質磁器、金地、線刻、一部研磨、エナメルの上絵付


この部屋に展示されている作品は額縁も撮影できるのがうれしい

フランツ・クサーヴァー・ペター ≪ヨウムのいる花と果物の静物≫ 1830年

フェルディナント・キュス《バラとアンズのある静物》
展示されている作品のベスト1



フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》
図録の表紙にも使われています


図録

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