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第71回 正倉院展 (御即位記念)

2019-11-06 | 街角の話し
「追記」
昭和21年(1946年)に初めて開催された正倉院展は昭和時代に40回、平成時代に30回を数え
今年令和の時代に第71回を迎えた。今回は「御即位記念」と併記されている。
私は第57回が初、第60回からは9回往訪。昨年は残念ながら断念したが、今年2年振りに
往訪した。
かなりの混雑が予想されたが、平日の12時狙いで約10分の待ち時間という幸運だった。

本年の正倉院展は、北倉14件、中倉8件、南倉17件、聖語蔵2件の41件の宝物が出陳されます。
そのうちの4件は初出陳です。正倉院宝物の全体像がうかがわれる構成となっておりますが、天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物の成り立ちと伝来に関わる宝物や、宝庫を代表する宝物が顔を揃えることが特筆されます。 
 聖武天皇・光明皇后ゆかりの品を伝える北倉からは、『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』の筆頭に掲げられた「御袈裟合玖領」のうち七條刺納樹皮色袈裟(しちじょうしのうじゅひしょくのけさ)が出陳されます。聖武天皇の仏教への帰依(きえ)を象徴するような品で、東大寺大仏への宝物献納(けんのう)に込められた光明皇后の強い思いがうかがわれます。





七條刺納樹皮色袈裟
[しちじょうしのうじゅひしょくのけさ]
(刺縫(さしぬ)いの袈裟) 1領
縦145 幅262
前回出陳年=1987年

『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』の筆頭に掲げられた9領の袈裟(けさ)のうちの1領。
赤・青・黄・緑・茶などの平絹(へいけん)を不規則な形に裁ち、これらを刺縫(さしぬ)いの技法で継ぎ合わせて作られている。これは糞掃衣(ふんぞうえ)とも称される、端裂(はぎれ)を集めて縫い合わせ仕立てた袈裟に擬(なぞら)えたものと考えられ、袈裟の本義を踏まえたものと理解される。ただし、本品の場合は上質の裂(きれ)が用いられており、美しい樹皮風の配色も天皇の所用に相応(ふさわ)しい。



衲御礼履 [のうのごらいり]
(儀式用のくつ) 1両
長31.5 爪先幅14.5 高12.5
前回出陳年=2014年

 爪先の反り上がった浅い靴。左右は同形。白い厚革を芯材とし、表面には赤く染めた牛革を用い、内面には鹿革の白革を使用している。爪先の扇形部分や側面と底と継ぎ目など革の断面が見える部分には白色を塗り、縫い目部分は金線をあしらって化粧を施している。表面には真珠やガラス、水晶を嵌(は)めた銀製鍍金(ときん)の花形の飾りを各13箇取り付けて、豪華に装飾を加えている。
 天平勝宝4年(752)4月9日に行われた大仏開眼会(だいぶつかいげんえ)にて、聖武天皇(当時は太上(だじょう)天皇)が履いたものと推測され、同じ時に使用された冠の部材を含むと考えられる礼服御冠残欠(らいふくおんかんむりざんけつ)(出陳番号11)とともに、当時の天皇の礼装を伝える品として貴重である




礼服御冠残欠 [らいふくおんかんむりざんけつ]
(冠の残片) 一括
葛形裁文 横13.5 鳳凰形裁文 縦9.7
前回出陳年=2002年

 正倉院宝庫に納められていた聖武天皇、光明皇后、孝謙天皇の御冠(おんかんむり)や、諸臣の礼冠(らいかん)が残欠(ざんけつ)となって伝来したもの。天皇の即位に際して、礼冠の手本とするため度々用いられたが、鎌倉時代の出蔵時に事故に遭い、損傷したと伝わる。附属の木牌(もくはい)の記載を参照すると、聖武天皇、光明皇后の御冠は天平勝宝4年(752)の大仏開眼会(かいげんえ)で着用された可能性が高い。国内外の様々な素材を用いた装飾を含んでおり、当時の国際色豊かな素材の使用が注目される。

NHK の 日曜美術館  「天平の風 令和に吹きぬ ~第71回 正倉院展~」で゛
冠の再現コーナーがあった 成る程と納得出来た



鳥毛立女屏風 [とりげりつじょのびょうぶ]
(鳥毛貼りの屏風) 6扇
[第1扇]縦135.9 横56.2 [第2扇]縦136.2 横56.2
[第3扇]縦135.8 横56.0 [第4扇]縦136.2 横56.2
[第5扇]縦136.2 横56.5 [第6扇]縦136.1 横56.4
前回出陳年 
第1・3扇=1999年(東京・2014年)  第2・4・5・6扇=2014年
写真は 第3扇(部分)
『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』記載の屏風(びょうぶ)で、各扇とも樹下に豊かに髪を結い上げたふくよかな女性を一人配する。第1扇から第3扇は立ち姿、第4扇から第6扇は岩に腰掛ける姿で表される。楮紙(ちょし)を貼り継いだ画面に白下地を施して描かれており、顔や手、着衣の袖口などに彩色(さいしき)が残り、着衣や樹木などには日本産のヤマドリの羽毛が貼り付けられていたことが微細な残片からわかる。
 盛唐の風俗を反映した豊満な「天平美人」として名高い本屏風が6扇揃って出陳されるのは、平成11年(1999)以来20年ぶりである。



螺鈿箱
[らでんのはこ]
(紺玉帯(こんぎょくのおび)の箱) 1合
径25.8 高8.4
前回出陳年=1999年(東京・2009年)

 紺玉帯残欠(こんぎょくのおびざんけつ)を納めた木製、印籠蓋造(いんろうぶたづくり)の円形の箱。ヒノキ材を轆轤(ろくろ)で挽(ひ)いて成形しており、表面には黒漆(くろうるし)を塗布し、螺鈿(らでん)や、小四弁花文などの伏彩色(ふせざいしき)を施した水晶を用いて、唐花文様(からはなもんよう)や雲、鳥を表している。蓋表(ふたおもて)の中央の花弁には、文様の形に切り抜いた金板を漆で塗り込めた後に、文様部分の漆塗膜を剝(は)ぎ取って文様を表す平脱(へいだつ)の技法が用いられている。内側には、表に暈繝(うんげん)地に小花葉文(かようもん)を表した経錦(たてにしき)を、裏には浅緑地目交纐纈文(もっこうこうけちもん)の絁(あしぎぬ)をあしらった嚫(うちばり)を入れており、内外ともに大変煌(きら)びやかである。



粉地彩絵八角几
[ふんじさいえのはっかくき]
(献物用の台) 1基
径41.0 高9.3
前回出陳年=1995年(東京・2009年)

 仏前への供物(くもつ)をのせる献物(けんもつき)。宝庫には東大寺の法要(ほうよう)や天皇・廷臣(ていしん)からの献物に用いたとみられる献物几が多数伝わるが、本品はその中でももっとも華麗な遺例として知られる。八稜形(はちりょうがた)(八方の先端が花弁(かべん)状に尖(とが)った形)の天板に、花先形(はなさきがた)の格狭間(こうざま)をもった床脚(しょうきゃく)と畳摺(たたみずり)がつく。表面全体に彩色(さいしき)が施され、特に側面に描かれた赤・青・緑・紫系の暈繝(うんげん)彩色(同系統の色を濃色から淡色に段階的に配列する彩色法)による花文は鮮やかである。




紫檀金鈿柄香炉 [したんきんでんのえごうろ]
(柄付きの香炉) 1柄
長39.5 高7.6 炉径11.0
前回出陳年=2007年

 持ち手の柄(え)がついた香炉を柄香炉と呼ぶ。香炉は金属製が多いが、本品は火種を入れる内炉などを除く主要部をシタン製とする珍しい作例。柄の末端に獅子形(ししがた)のおもしをつける「獅子鎮柄香炉(ししちんえごうろ)」と呼ばれる形式である。炉やそれを支える台座、柄の表面には金象嵌(きんぞうがん)で花卉(かき)、蝶、飛鳥などを表し、伏彩色(ふせざいしき)を施した水晶を嵌(は)めるなど華麗な装飾が見られる。その美しさは柄香炉の遺例の中でも随一である。天応元年(781)の光仁天皇(こうにんてんのう)崩御(ほうぎょ)に際して東大寺に施入(せにゅう)された可能性が指摘されている。




金銀花盤 [きんぎんのかばん]
(花形の脚付き皿) 1基
径61.5 高13.2 重4496.2
前回出陳年=2009年

 六花形の銀製の皿で、宝庫伝来の盤の中ではもっとも大きく華麗な遺例。中央に大きく表された鹿は花状の角をもつ特徴的な姿で、正倉院宝物では紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)(出陳番号2)にも用いられているが、中国・唐(とう)代の工芸品にしばしば登場するモチーフである。裏面の銘文に中国固有の重量の単位が記されるなど、中国製である可能性がきわめて高い。その大きさと豪華な装飾から、遣唐使が唐から公式に賜(たまわ)った品との見方もある。


茶室 八窓庵(はっそうあん)

ここへ来ると必ずここで写真を撮ります
もとは興福寺の大乗院庭内にあった茶室で、含翠亭(がんすいてい)ともいい、江戸時代中期に建てられまし た。江戸時代の名茶人、古田織部(ふるたおりべ・1544-1615)好みと伝えられる多窓式茶室として有名です。


帰る時に撮った写真ですが、まだまだ混みそうです

天皇陛下御即位記念 切手


会場で販売してました
天皇陛下の御即位を記念して、特殊切手「天皇陛下御即位記念」を発行します。

Point
・日本文化の粋を結集して明治21(1888)年に竣工した明治宮殿(昭和20(1945)年5月焼失)の中でも、最も格式の高い「正殿」の内部装飾に使用された文様を基にしたデザインです。


デザインは「金銀平文琴 [きんぎんひょうもんきん] の表裏」

過去の往訪した正倉院展

正倉院展 第57回 2005.11 (奈良市写真美術館も行きました
正倉院展 第60回 2008.10 (奈良県庁の屋上公園で見学しました
正倉院展 第62回 2010.10 (正倉院展記念薬膳弁当 食べました
正倉院展 第63回 2011.11 (大仏プリンを本店まで買いに行き食べました
正倉院展 第64回 2012.10 (東大寺ミュージアム へ行きました ここ
正倉院展 第65回 2013.10 (正倉院展記念薬膳弁当食べました
正倉院展 第66回 2014.10 (正倉院「正倉」外構を見学しました
正倉院展 第67回 2015.10 (散歩しました 猿沢の池 中谷堂 等 ここ
正倉院展 第68回 2016.10 (散歩しました 春日大社 ここ ここも

正倉院展 第69回 2017.10 (奈良駅の 百楽、大仏プリンも食べました

追記
「第71回正倉院展」(主催・奈良国立博物館、特別協力・読売新聞社)が14日、閉幕した。20日間で27万7133人が入場し、15年連続で20万人を超えた。
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