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Apple Radio1の方はとにかくゼインの話してることが聴き取れないので難航中。仕方がないので(?)、今回は『Liner Voice +』英語版のPart 6、『気分じゃないの(Not In The Mood)』のセルフライナーノーツの前半部分を文字起こしして翻訳したのを載せておく。前回同様雑なので間違いも既に含まれているし(直す前にタイムアッブ)、あれやこれやと粗挽きモードなのだが、何もないよりはマシだろうということで。
とはいっても、この前半部分てほぼ日本語版で話してた内容なのよね。ここから後半部分が聴き所になるのだけど、まぁその為の前フリだと思っといてくれれば。
で、ほぼ日本語版と同じなので自分が翻訳しようもしてもただひたすらに日本語版に近づいていくだけになってしまうので今回は試しに書き起こし英語部分をまるごとGoogle翻訳にかけてみた。You knowやwhat I meanといった合いの手系の文を中心に2割ほどは手直ししたが大筋Google先生のものである。それで大体意味の通る文章に仕上がっているので、つまりヒカルの話す英語は口語の割に結構しっかりとした英文になってるってことだろう。以下である。
『From the album BAD MODE, the 6th song is KIBUN JA NAI NO (Not In The Mood). Amm, this is the one of my favorite songs on the album. It was the last one which I had a really hard time with. I knew that I really really wanted to include this song in the album. I mean that, you know, the music was done, I mean, you know, the chords on things had done. And I had a melody. And its just, its only problem was lyrics. And leading up to it I wanted to, leading up this final day that I needed it to finish for the song, recording vocals but I had been feeling quite down. I mean, you know, a lot of people around me said this too. For me a couple of weeks leading up Christmas is really difficult time every year, and then I got very sad and I also it's, you know, it's a time of quite pressure, socially anything isn't it? I had physically ill and different things happened. And then I had a sad feeling when I do feel them, I'm really hard to reach out to my friends or anyone. That was the feeling I wanted to capture I knew that , but all I had were this English a bit that I happend beginning of the song when I wrote the song
Rain, rain go away
Fall on me another day
I'm not in the mood today
but I didn't know what to do with. It seemed to represent some kind of sadness I knew that but I didn't know what else to write. And the final day I thought "Oh My God!", I almost gave up. I didn't think I could write the lyrics. Do you have anything else? And I did what I usually do what I need to the lyrics, amm, I mean, trying to exploration, I walked around a lot, ocassionally stopped by in cafes and I was sitting at this cafe, outside the seat. And I just notice these crazy colours of the furniture they had. And I just begun I thought You know, I'm gonna try, things for anything like this. just gonna try writing I just start writing the song, writing about the things I noticed things that stand out to me, just things I see, things around me. I did that and it was... It worked !
What was nice about it was that I think I was trying too hard to express something or tap into something I'm feeling. And instead of discribing myself or trying to figure what I was feeling, myself as the first person singing the song, being in the song. Not really as a character but more just as a gaze, my gaze is only thing really throughout for the most of song. And that actually really captured how I was feeling like being an outsider almost not. This was observing things around me and feeling like I don't really exist or that I don't really belong to that, just looking at things observing.
So that was going well and I've got very excited and I kept on into the evening I walked and walked and ended up in Camden...』
「アルバムBADMODEから6曲目は『気分じゃないの(Not In TheMood)』。うん、これはアルバムで私のお気に入りの一曲です。それは私が(アルバム制作の)最後に本当に苦労したものでした。この曲をアルバムに入れたいと強く願っていました。音楽やコード進行はできていたし、メロディもありました。しかし唯一の問題は歌詞でした。この最終日を締めくくる為にボーカルを録音する必要があったのですが、その時私はかなり落ち込んでいました。私の周りの多くの人も言うのですが、私にとって、クリスマスまでの数週間は毎年本当に大変な時期なのです。その時期私はとても悲しくなります。かなりのプレッシャーがかかる時期です。私は体調が悪く、さまざまなことが起こりました。そして、それを感じたとき、私は悲しい気持ちになりました。友達や誰かに連絡するのも難しかったし。それが私が捉えたかった気持ちでしたが、私が持っていたのは、曲を書き始めた時に出来ていたこの英語の部分だけでした。
Rain rain go away
Fall on me another day
I'm not in the mood today
でもその後どうしたらいいのかわからなかった。それは私が知っていたある種の悲しみを表しているように見えましたが、私は他に何を書くべきかわかりませんでした。そして、「オーマイゴッド!」と思った最終日にはもうあきらめかけていました。歌詞が書けるとは思えませんでした。何かないかと歌詞に必要になりそうなことをしました。つまり、辺りを散策し、たくさん歩き回り、時々カフェに立ち寄ったりして、そのカフェの外の席に座ったりしていました。そして、私はそのカフェの家具がクレイジーな色をしていると気づきました。そして、私はそういったことについてただ書いてみようと思いました。書き始めて、気づいたこと、目に止まったこと、見ていること、周りのことについて書き始めました。私がそうしているうちに...それはうまくいきました!
良かったのは、何かを表現したり、感じていることを利用したりするのに一生懸命努力していたことです。そして、自分自身を説明したり、自分が感じていることを理解しようとしたりする代わりに、自分自身がただ歌を歌い、歌の中に自分を置きました。登場人物としてというよりは、ただ視線を持つ存在として。曲のほとんどの部分は私の視線を通したものです。それは実際に私が部外者であるように感じていたことを捉えました。これは私が周りのことを観察していて、私が実際には存在しない、或いは私が実際にはそこに属していないように感じられ、観察しているものを見ているだけでした。
それでそれはうまくいきました、そして私は非常に興奮していました。夜には歩いてカムデンまで辿り着きました…。」
こんな感じ。
でGoogle先生の何に驚いたって、『(Not In The Mood)』の邦訳が早くも「気分じゃない」になっていたところ。これ、最初に(多分1月19日に?)Google先生に訊いた時にはこうじゃなかった気がするのよな。1ヶ月足らずでビッグデータを収集してこの訳に落ち着いたのだとすればヒカルさんの影響力も大したものだ。それを捉えた先生も凄いけど。いやま、たまたまかもしれんがね。
こほん。この前半部分についての論評は次回以降に譲ります。というかこれはあクマで私が音楽家宇多田ヒカルの創作活動に関して論評を施すための発言関連資料の《引用》なのであって、そこのところはくれぐれもお間違えの無きよう。ここでは、私の論評が主役なのです。(これは言っておかないといけないことなんすよ、えぇ)
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Apple Music Radio1、全部訳し終わるまで待ってたら年が明けてしまいそうなので(汗)、一部分だけでもアップしてみるか。番組後半、『Find Love』の後に語った、ヒカルが人間活動に入った頃(2011~2016年)についての話。
『During the break which ended up being about, I'm not sure about exact number of years・...something like five or four I guess? ( five or six, yes. ) I really didn't make any music. I practiced singing and playing a guitar, singing along to a couple of songs that I like. That was it. And then my mother passed away, and I thought, and It was a huge, like a public death in Japan. And I thought "Oh well, ah, this is, it's gonna be, and that was my first time in a few years to even be in the public eye at all. And it was suddenly me like being a funeral home, surrounded by paparazzi in a car, and I thought, after that I thought, I really thought, that I would't be able to go back into the public eye, because that was really difficult. And then, even things like practical things like I got, I received so many flashes when I was in this car. Since then I still can't do any flash photo shoot 'cause it's a bit trigger on for me, " Oh, I can't be a pomp star not be able to take a lick of flashes. But then also because my mother represent symbolized music, it was such a closely, she was a muscian and an artist, a singer, and it was so closely related to my music making processes. And I thought "I will never be able to write anything again !" I think. and then I became pregnant ! And something else kicked in like , "Wow I'm gonna be a parent ! I need to work!" ( laughing out loud )』
「活動休止期間の間…結局何年続いたんだっけ、4~5年かな?(5~6年だね、うん) その間は全然音楽を作ってなくて。歌やギター演奏の練習をしてたんだ。好きな曲に合わせて歌ったりとか、そんな程度。そうこうしてるうちに母が亡くなってしまって。日本では凄く大きな訃報だったのね。誰もが知るような。「これは私、2~3年振りに衆目に晒されることになるな」って思って。で、葬儀場に向かう車の中でパパラッチたちに囲まれちゃって。その後本気で考えましたよ、「あぁもうこれはみんなの前には戻れなくなるかもしれない」って。余りにフラッシュを浴びすぎたので、それ以降仕事でもフラッシュを使った撮影が出来なくなってしまったの。フラッシュを浴びると(トラウマを)引き起こされてしまうから。「もうフラッシュを浴びるような華やかなスターには戻れないな」って思った。私にとって母の存在は─彼女はミュージシャンで歌手だったんだけど─、音楽的な象徴で、私が音楽を作るプロセスに彼女の存在は密接に関連していたのね。だから「あぁ、もう前みたいに音楽を書く事なんて出来ない!」って思ってた。…んだけど、そのあと妊娠しちゃってさ! (自分の人生に)他のことが入り込んできた。で「あれ?私、人の親になるんじゃん!? じゃあ働かなきゃ!」って思って音楽活動に戻ってきたの!(爆笑)」
ちょいと訳し方が雑になっちゃったのでそのうちまた改めて訳し直すけれども、取り敢えず、ここのくだりは貴重というか。ひとつひとつの話は今までにヒカルが其処彼処で触れてきているものだが、こうやって概観して全体の流れをまとめて話したのは初めてじゃないかな? 『マスコミ恐怖症になってしまった』とは呟いていたけれど、しかし、フラッシュを使った撮影が出来なくなっていただなんて知らなかったよ。胸が痛い。もうほんと、マスコミの皆さんお願いしますと言うしかありませんわ。そして、改めて、ダヌくんぐっちょぶ!(TOT)
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なんというか、『BADモード』病みたいなもんに罹ってる気しかしない。このアルバムにはウィルスでも仕込んであるのだろうか? これに感染するとこのアルバムを聴いて居ずにはいられなくなる、というような。他にチェックしたい音源が3週間分程溜まってるからとそちらを鳴らしてみるのだけれど気がついたら『BADモード』をかけている。これを聴いてる時の安心感ったら、ない。もう最近はこのアルバムにホーム感、「家」を感じているくらいでな。
と、それで気がついてみると、ジャケット写真の舞台が「家」だった。アルバムのジャケ写撮影地がが家なのは初めてだ。具体的には神奈川県某所の小川さん家…昔からお馴染みのスタイリスト小川恭平氏の持ち家、私宅であってヒカルん家ではないのだが、コンセプトとして「家」感を出したかったというのはあるだろう。
Apple Radioではそのジャケ写の話に至る過程が面白かった。19分半過ぎくらいか、それまで『First Love』アルバムの話をしていたのにヒカルが唐突に「うわセーターがケバい(I've got a bit of... my sweater fluffs)」と言いだしたのだ。映像がないのでよくわからないが多分喋ってる途中に口にモヘアが絡んだとかかな? その途端インタビューアのゼイン・ロウ(ニュージーランド出身なのかー)が食いついてきて「俺も3日前にそうなった!」とかなんとか異様に興奮するのだが、そこから「そういえばジャケ写も上下合わせのスウェットだったね」と話が変わっていったのだった。…っていうくだりを書き下ろすだけで数十分とかかかるのよ!(まだ公開してませんが) これどうすんだ…まぁ気長に地道に出来るとこまでやりますわ。
という聴き取り書き取りの愚痴でした(笑)。
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日曜日の「J-Wave Tokyo Hot 100」で『BADモード』が1位を獲得したそうな。めでたい。
これで通算14曲目だそうで、珍しくもないと言ってしまえばそれまでなんだが、今回いつもと違うのはアルバム・プロモーションのピークが2回あることだ。配信開始日の1月19日とCD発売日の2月23日と。その中でこうやって2月の第二週という端境期的なタイミングでタイトルトラックへの注目度が最高潮になるというのは、いやまやっぱ凄いことだなと。
1月19日の配信日以降アルバム『BADモード』へのウェブ上のリアクションが、いつものアルバムより長引いている気がする。週末には漫才コンビのダイノジが前後編40分に渡ってアルバムを絶賛し続ける動画をアップしてリスナーからの賞賛と笑いを得ていたが、発売週から暫く経っていても何となくまだまだ語っていていい雰囲気が漂っているように思われる。人間活動中も6年間無意識日記を平常運転し続けてきた自分にとっては「語っていていい雰囲気」とかいうのは多分一生無縁で世の中でいちばん遠い話のような気がしなくもないが(そんなの無くてもずっと語ってますからという意味です)、なんというかアルバムの凄味がマーケティングの思惑を超えて浸透していっている感じは強い。
そしてCD発売は来週なのだ。今度は店頭レベルでプロモーションのピークを迎える。蔓延防止措置等々が大変痛いが、ここで更にもう一山話題性を出していけるかどうかが別れ目になる。
アルバム本編は配信で聴けるのだから多くの人達にとってはスタジオライブとそのメイキング、そして久々のMV集が購入の動機となる。スタジオライブの有料配信チケットは、リアルタイムで接続した人数は5万程度だったらしいが、4日間の延べ人数は如何程であったのだろうか。
「4日間しか観れないのに2800円は勿体ない」「そもそも観る時間がとれない」「初体験は自分ちのでっかいテレビで」とか様々な理由で円盤を待望している人達がどれくらい居るのだろうか。それが判明するのが来週~再来週となる訳だ。
先週のプロモーションについて言えば、『Face My Fears (A.G.Cook Remix)』のMVはどちらかといえばゲームファンの皆さんからより好評を得ていた感じだし、Apple Radio 1に関してはサブスク民でなければ夜中3時の生放送でないと聴けなかった上に全編英語インタビューだったということで、こちらへのアクセスも限定的だろう。なんというか先週は、CD発売に向けてはまだ助走、ホップステップジャンプのホップの部分だったかなと思う。これから1週間のうちにステップを踏んで2月23日には大きくジャンプを跳びたいところ。出来ればクアドラプル・アクセルくらいは飛んで欲しいところだが(何言うてんねん)、まぁそこは梶さんの手腕を待とうかなと。
23日の夜には勿論インスタライブがあるので、ファンの方としてはそこが最大のピークになるだろう。L Liner Voice+やApple Radio1で英語の露出が続いたので日本語でもたっぷり語っても欲しいところ。でもまぁ、最早いろんな国にファンが居るので、日本語圏のファンの皆さんは寂しさと誇らしさをどちらも味わいながら楽しむのが粋ってもんじゃないですかね。淡くほろ苦いくらいがちょうど美味しいんですよ。
…とはいうものの、やっぱり言葉の壁は如何ともし難いものですな。なので少しずつですが翻訳作業も進めていきますね。まぁあたし自身がよく聴き取れないところや読み取れないところが多いから自分がやってみたいだけなんだけども。ひとまず一応乞うご期待。
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ヒカルさん、幾ら何でもアウトプットが多いよ…ついてけてないよ…。
という訳でこの週末は唐突にApple Radio 1への1時間の出演告知があって即放送、という流れがあった。11日の21時過ぎに初告知があってそのまま27時からの放送ってヒカルの出演ネタでは最遅告知じゃない? 6時間前とかそんなんあった? 『One Night Magic in Zepp Osaka』とかは告知から開催まで短かったけどあれはそういうスペシャルライブだしなぁ。半分シークレットのような。今回は誰でも聴けたやつなのだから事情が違った。生放送聴取ならApple Musicへのサブスク登録も不要で…ってそんな深い時間夜中の3時AM枕元のPHSで目覚ましかけても起きれんよ!? あたしはサブスク登録者なので起きてからゆっくりアーカイブを聴きましたとさ。
で、聴いたんだけど、聴き取れん! インタビューアーの兄ちゃんの発音が独特で(イギリス訛り?何?)何言ってるかさっぱりわからん。日本語で聴いてもよくわからん事言ってる感じもする。ヒカルの言うことはテンプレも多いので聴き取れるけど話の流れがわからないからこちらも結構戸惑いながら…でもいいから訳して欲しい?いやだからそもそも聴き取れてないんだってば!
そんな中電波届かない午前4時まで聴いていた皆さん、ひたすらお疲れ様でした。(引用歌詞が悉くむびのんだな)
いやこれほんとどうしよ。ライナーボイスは日英2バージョンあるし、ビルボードのインタビューは長尺だったし、そいでもう1週間あまりでインスタライブですと?? あれ1時間か、もしくは場合によってはそれ以上あるのよ? うーむ、完全にキャパオーバー。まぁいいか、嵐が過ぎ去ってからのんびり振り返るくらいで。このあとヒカルがどういう活動を始めるかも全くわかっていないしね。結局、のんびりいきましょマイペースで、ですわ。にしても、Apple Radioのアーカイブなんて気にも留めたことなかったけど、これいつまで残ってるんかなぁ?
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そう、話の順番は前後するが、2月23日にCDアルバムが発売するとなると、この前後に新たなタイアップの発表か、もしくはシングルカットの告知があって然るべきなのだ。この大評判のアルバムをもうひとプッシュする為に。
で今夜まず『Face My Fears (A.G.Cook Remix)』のミュージック・ビデオが公開される、と。ではこの曲を宇多田ヒカル公式がこの後どんどん押していくかというと、ヒカルのアピアランスのないビデオだとなかなかにそれは難しい訳で、こちらはキングダムハーツ20周年企画の一環であって、宇多田ヒカル公式主導ではないと思われる。タイミングとしては、Nintendo Switchでキングダムハーツシリーズの配信が始まるのに合わせて今日、ということのようだし。
となると公式がフィジカル発売前後に推してくるとなると、それ以外の曲になるのではないか。
まず、タイトル・トラック『BADモード』をもう一押ししてくる事が考えられる。『COLORS』みたいな大型タイアップがついて曲やアルバム自体のCM以外で流れてくれるのがベターなのだが、こればっかりは御縁と運だろうな。
そこで、前回最後に触れた『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』が浮上してくる。アップテンポでキャッチーでFloating Points参加で話題性も高い。
ただ、12分というランニングタイムがラジオのオンエアや各種プレイリスト入りに問題があるので、シングル・エディット/ラジオ・エディットをリリースしてくるかもしれない。いやいやあの長さだからいいんだというのも勿論あるのだけど、使い勝手のよさもまたPop Musicには必要なのだ。
となると配信ミニアルバムみたいな体裁になる、かな。既にオリジナルがダンス・リミックスみたいなもんだが、更に長いバージョンや、他の著名なリミキサーを連れて来たりしても面白い。
そうなってくるとアナログ盤EPのリリースが欲しくなるが、3月4月と宇多田ヒカル過去の名作たちが続々とアナログでリリースされる事が決まっているので、実現するとすればそれより更に先に…まぁ5月に発売して「アナログ3ヶ月連続リリース!」って謳うのもアリなのかな…流石にお財布事情が厳しいぞとファンから不平の声が上がるかもしれないので、そこは焦らなくてもいいか。差し当たって、配信でエディット・バージョンを単曲リリースするあたりが現実的か。
本来、フィジカルが配信の1ヶ月後ということで「CDのみ収録のボーナス・トラック」が欲しかったところだったのだが、12月28日の時点でまだ完成してなかった制作スケジュールじゃあプラスアルファは無理だったんだろうな。CD Only Bonus Trackって15年前に『Flavor Of Life』のCDシングル盤でやってるから(Antidote Mixね)、今回も何かあるかなと思ってたんだけど、まぁそこはちょっと残念といえば残念。
そんなこんなな崖っぷちの制作だったので、もし次のヒカルのアクションが全国ツアーだったりしたら(来年になる?)、その時に『BADモード・コンプリート・エディション』とかっていう“来日記念盤”を作っていろいろゴテゴテした豪華なヤツを作ってくれたりしたらいいんじゃなかろうか。なんか色々と夢が拡がるね。いいアルバムを作ったもんだよ全く!
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…間違えて歌ってしまう件については今回触れていなくて(笑)。
前にも触れたとおり、ヒカルのアルバム発売後のシングルカット曲はなかなかに名曲揃い(まぁどこを切ってもそう言うしかないんだけど)。
1999年『First Love』からは『First Love』(8cm&12cmシングル)
2001年『Distance』からは『FINAL DISTANCE』(ミニアルバム)
2002年『DEEP RIVER』からは『Deep River』(プロモーション・ビデオ)
2004年『EXODUS』からは『Exodus '04』(リミックス盤)と『You Make Me Want To Be A Man』(CDシングル)
2008年『HEART STATION』からは『Prisoner Of Love』(CDシングル)
2009年『This Is The One』からは『Dirty Desire』(リミックス配信)
2016年『Fantôme』からは『忘却』(プロモーション・ビデオ)
2018年『初恋』からは『Too Proud』(配信リミックス)と『嫉妬されるべき人生』(映画主題歌)
という感じ。シングルカットを広義に捉えるならば斯様に、CDシングル、リミックス(アナログ)盤、リミックス配信、ミニアルバム、プロモーション・ビデオ、タイアップと様々な方法論で展開されてきている。
今年2022年の『BADモード』はあらゆる方面から絶賛されている訳で、これはもうタイアップを狙う企業が幾つも現れているのではないか。ほぼ総てのオファーは水面下で消滅していくだろう中、どのような展開が期待できるか。
『BADモード』で(広義の)シングルカットが期待されるのは次の5曲。
『BADモード』
『気分じゃないの(Not In The Mood)』
『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』
『キレイな人』
『Face My Fears (A.G.Cook Remix)』
他の曲もダブルタイアップの芽がないこともないのだろうが、何れもイメージが強過ぎてね。例えば『君に夢中』と『最愛』を切り離すのは世間的には難しいだろう。エヴァとラスキスなんかもう不可分。なので今は考慮に入れない。
その5曲のうち、まず『BADモード』はMVが制作され目下アルバム自体のプロモーションの原動力となっている。『Face My Fears(A.G.Cook Remix)』については今宵MVが公開される予定で、流れとしてはキングダムハーツシリーズとのタイアップもあるかもしれない。
となると、あと3曲がどうなるかだが、一番人気はやはり『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』だろうか。兎に角使い勝手がよさそうだし企画の拡張性も高い。
本来なら『ぼくはロンドン、君はパリ』に総ての旅行代理店がすぐさま飛びついてくると思うのだが感染症禍下の御時世ではなかなかに難しい。いや、禍があったから出来た曲なので話の順序が逆なんだけども。
それならどういう…という話からまた次回、かな?(単なる時間切れ(笑))
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うぉぉ、急なニュースだなっ!
「『Face My Fears (A. G. Cook Remix)』Music Video
2/10(木)21:00プレミア公開決定」
─なんだそうな。おいこれ書いてる24時間後にはもう公開なのかよ。急だなっ(再)。
前に書いたとおり、私の中で『Face My Fears (A.G.Cook Remix)』の評価は非常に高い。宇多田ヒカル23年の歴史上屈指のRemixであると思っている。
それのミュージック・ビデオが制作されていたとは幸甚の至りここに極まれり、だ(それは大袈裟ですが)。いやね、前にTwitterのスペースでこの曲の扱いについてちょっと喋ったのよね。このバージョンもきっと今後発売されるキングダムハーツのどれかのゲームに採用されるに違いない、なのでこれを中心としたアナログEPなんかがリリースされて云々、みたいな。(あれ?それは話さなかったかな?まぁここにこうやって書いたからいいか)
一応本家であるSkrillex & Pooh Bearによる『Face My Fears』のミュージック・ビデオも公式に存在してはいるのだが、YouTubeで置いてあるの、Skrillexのページなんだよね。今回のA.G.Cook Remixのプレミア公開のページのURLはしっかり宇多田ヒカルオフィシャルです。やっと『Face My Fears』がヒカルの手許にやってくる。
ってそういやLSAS2022から公開されたのも『Face My Fears』だったね。もしかしたらこのA.G.Cook Remixのミュージック・ビデオ・リリースを見越しての選曲だったのかもしれない。
キングダムハーツシリーズも今年の3月28日で20周年を迎えるそうな。それは我々にとっては名曲『光』の20周年である訳で、いや本当に感慨深い。
思えば、様々な楽曲のCDシングルのカップリングとして盛んだった公式リミックス・ヴァージョンのリリースも、CDシングルが下火になるにつれどんどん減っていき、なかなか我々としてはヒカルの公式リミックスを楽しむ機会が少なかったところを救ってくれたのが、このキングダムハーツシリーズと新世紀エヴァンゲリオン新劇場版だったな。
『Fly Me To The Moon (2007 Remix)』
『Beautiful World - PLANiTb Acoustica Mix -』
『Beautiful World (Da Capo Version)』
『光(PLANiTb REMIX)』
『Passion - opening version -』
『Passion - after the battle -』
『光 (Ray Of Hope Mix)』
… … …
いやまだまだあるんだけど、兎に角こうやってリミックスの歴史を作ってきてくれたタイアップ相手が20周年の記念の年にどう動いてくれるか、それに伴って宇多田ヒカルオフィシャルがどういう動きをしてくれるか非常に気になっていたところにこの新しいミュージック・ビデオの到着の報。残念ながら(そこは正直に言う)ヒカルの生身の出演はなくキンハのキャラ達が躍動する内容になりそうだが、宇多田ヒカルオフィシャルに『Face My Fears』のビデオが置かれることにまず意義がある。もし好評なら、上記の通り『Face My Fears』の新たなリミックス盤がアナログで出されるかもしれない。『Face My Fears』は既に1回アナログ盤EPが出ているので、難しいといえば難しいんだけどね。でも何か他のと合わせ技なら或いは…
…となるとやっぱり各方面で非常に高い評価を得ている『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』のシングルカットはいつになるの?というのが気になってくるのよね。まぁそこらへんの予想話はまたいずれ。
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たまには余計なこと書くか。
昨日取り上げた『PINK BLOOD』と『キレイな人』の歌詞は、特に頑張る女性たちによく響く気がする。フェミニズムと親和性が高い。
ヒカルの初期のメッセはウーマンリブ(ウィメンズ・リベレーション)を感じさせる文章が結構あった。最たるものがキリスト教創世記への嫌悪感についてで、最終的には『You Make Me Want To Be A Man』のプロモーション・ビデオを制作するまでに至るのだが、そう考えると昨年のノンバイナリ発言は思えば遠くへ来たもんだ感が半端ではない。
ヒカルのインスタグラムの『she/they』表記にみられるように、ノンバイナリとしてのアイデンティティと共に、一方で女性的な面もそれはそのままあるのだという意識が垣間見られる。『Find Love』が資生堂にて「女であること」を押し出すイメージ戦略の中で鳴り響いているのだから、『キレイな人』が女性たちを応援する歌になっていくのも自然な流れだろう。
ただ、日本語圏ではフェミニズムという語句が難しいことになっていてね。特にフェミという略語は蔑視表現になるらしい。ジャパニーズをジャップと言うようなものなのかもしれないが、昔私が「ホモ」という言葉を使ってそれは差別用語だと注意された事を思い出す。私はもうただ単純にホモセクシャルの略語としてヘテロ(・セクシャル)と併用していた語だったのだが、確かに現実としてホモという言葉は差別表現として使われていた。場の文脈について浅慮だったのは反省するしかなかったが、フェミという言葉にも同じ状況が訪れている気がする。フェミニズムという語にはなんら差別的含意がない(どころかそもそも差別を解消しようという思想だ)のに、略語のフェミは差別用語として機能しつつあるという。
いや実際、現実も難しい。海外からLGBTQ+の概念が入ってきてジェンダーが相対化されていく中殊更女性性を強調するのはどうなんだろう?となるターンも見えつつある。ただ、ここは幾ら強調してもし切れないのだけど、それはあクマで国際的な視点の話で、日本語圏における女性差別は依然桁外れに甚だしい。各種国際調査でもそれは示唆されているし、第一、令和の今になっても入学試験で男女不平等を推進していたとか、それ戦前の女性に選挙権なかった頃の話?と思わせる信じられないようなエピソードが全国ネットで報道される、そんな惨憺たる事態なのだ。LGBTQ+の多様性なんて夢のまた夢という残念な状況。
その状況の反映としてフェミニズムへの蔑視と圧力がある訳で、ヒカルが、『キレイな人』に於いて日本語の歌でシンデレラ・モチーフを23年越しに使ってきたのも、同時代性として全然まだまだ意義があることなのだった。うんざりする話だが、23年経ってもやっぱり日本語圏での女性差別解消度は極めて不十分で。おぃそこの男子、アファーマティブ・アクションにプー垂れてんじゃないよ?
ノンバイナリ発言という国際的なLGBTQ+意識の高まりを睨んだ言動をする一方で、日本語で女性たちを応援する宇多田ヒカルを私は全面的に賛同し応援したく存じます。
もちろん、『PINK BLOOD』も『キレイな人』も、いつものとおり性別年齢関係なく響くように作詞されているので、女性云々にこだわらる必要もまたなくて。なのでどんな皆さんもじゃんじゃん励まされちゃってくださいね☆
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で、先週に引き続き、『キレイな人』の歌詞と『Movin' on without you』の歌詞を比較していこうかと思ってたんだけど、聴けば聴くほど『キレイな人』って、寧ろ『PINK BLOOD』の続編なんじゃね?という風に感じられてきて。
だって、そもそも
『キレイな人でありたい』
というキーセンテンスに於ける『キレイ』って『PINK BLOOD』の
『誰にも見せなくても
誰にも聞かなくても
キレイなものはキレイ』
で言うところの『キレイ』だもんね。その前に『ブスな私だから』と言い添えてるのも、そのキレイさは他人に分かることじゃない、自分だけがわかっていればいい
という気持ちがこもっているからだろう。
『教室の誰も気づかなかったこと
大事にされなくても、大事なもの』
というのも、
『私の価値がわからないような
人に大事にされても無駄』
と同じような意味合いだろうし、
『心の穴を埋める何か
失うことを恐れないわ』
から
『失くしたものはもう心の一部でしょ』
に繋がると思うと凄くしっくりくる。
更に
『後悔なんて着こなすだけ』
っていうキラーセンテンスも
『諦めても残るものは消えない未練』
っていう一文が受け継いでいるようにも思える。勿論、
『自分のことを癒やせるのは
自分だけだと気づいたから』
と
『最高のパートナーなら一人
いるじゃない、ここに』
は力強く繋がっているし、
『周りは気にしないでOK』
っていう結論は
『自分の幸せ 自分以外の誰にも委ねない』
っていう宣言を誘発しているだろう。この2曲は、歌詞を仕上げた時期が前後してるのかもしれないね。こういう歌詞を仕上げながらノンバイナリ発言に至ったのだと思うとちょいと泣けてくるわいな。
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あれま、@hikki_staffがTikTokのアカウントを作ったとな。昨年bilibiliと微博にもアカウントを作っていたけど、いよいよ中国進出が明確になってきたのかなー。
とは言うものの、日本でも若い人たちは随分とお親しみのようで。TikTokでブレイクしたからとアクセスのあがる曲もサブスクではよくあるような。なんだか「ほーん」という気分だったんだけど、もしヒカル自身が始めるとすればこれはチェックしないといけないわね。
と思ってTikTok登録しようとしたんだけど、生年月日入れようとした時点で弾かれる!なんで?昭和生まれのおっさんはそもそもお呼びでないとかそんな理由?えーじゃあもういいよー。
でもログイン出来なくても@hikki_staffの動画は観れるみたいなので一安心。時々アクセスする程度で大丈夫かな。昨夜アップされていたのはBADモードとライナーボイスの切れ端で、いやまぁ全編堪能してる身としては新規音源でも何でもなく。「なるほど、TikTokではこんな感じでプロモーションするのか」と納得できて、終わり。
このインスタントな感じは如何にも毎日が忙しい若い子達向けな感じがする。こういう場所を開拓するというのは、スタッフ側にも新しい世代のファンが増えてる実感があるんだろうかな。「いける」と踏んでいるというか。
そこらへんは頑張って欲しいとこだけど、これ、TikTokって中国日本以外での普及度ってどれくらいなんだろね? イギリスは多分大丈夫よなぁ…いやね、もし息子くんがアクセスしたりしてたらと思うとねぇ。それどころか彼もアカウントを持ってたりしないよね? 成長ぶりを考えるともうインターネットに親しんでても全然不思議じゃないしな…いいかい、もしアカウントを持っていても、お母さんの隠し撮りをしてアップするとかしちゃいけないんだぞダヌパくん…あんたはその昔お母さんのスカートを捲り上げて「みてー」と宣った前科があるんだからね…悪戯好きなのはわかっているんだ…もしSNSにアカウントを持ったとしてもくれぐれもそういうネタを軽率に投稿したりしないでくれよ…「お母さんの寝顔~」とか言ってヒカルさんの横顔を撮影したりするんじゃないぞ…わかったね……
……って、あんたも「それは見たいかも」って素直に言いなさいよね(笑)。
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『Liner Voice+』英語版の『Find Love』のパートでは(“Part8”にあたるんですかね)曲のことのみならず昨年6月末のノンバイナリ発言についても語ってくれている。「暫くSNSをみるのも怖かった」と言うのを聞いて、幾つかの異なる感情が湧き上がった。
少し前にヒカルがジャケ写ネタの引用リツイートをした時、『一時間くらいエゴサした』と呟いたのが話題になった。
https://twitter.com/utadahikaru/status/1485587435765612544
つまり、エゴサなんてことが出来る今だからそういう風にノンバイナリ発言を振り返れるのだろうなと。もしノンバイナリ発言に対するリアクションが総体的に手厳しいものだったとしたら、未だに怖くてエゴサなんか出来ないかもしれなかったのだ。
このツイートも、思い出す。
『先日、週刊誌の記者に突撃されて「一週間家に張り着いて尾行してた」と言われ色々変な質問されたけど、なんかもう怖くて気持ち悪かったので一言も答えなかった。今までは何されても「彼らも仕事だし」と流してたけど、今回の一連のことで完全にマスコミ恐怖症になってしまった。』
posted at 2013/9/18/07:11:19
マスコミ、と言うとついつい他人事のように思ってしまうが、我々が彼らの作る記事や映像にアクセスするから彼らはそういう仕事をするのだ。マスコミというのは、大雑把に言えば我々の目線の延長線上にしかない。ヒカルは大衆からの目線が怖いと言っていたも同義だった。
SNSも、また同様で、人の目や声に触れるのが怖くなる時がまだまだあるのだろう。特に昨年のノンバイナリ発言は『勇気を出して』『くまちゃんと一緒に映って』送り出した言葉だったので、それがどういう風に晒されるかは気が気でなかったのではないか。新曲の評判をきくのよりもずっと怖かったかもしれない。
そんな中でも暖かい言葉をかけてくれた人たちに感謝を、とライナーの最後を締め括っていたので、ヒカルがノンバイナリ発言を自ら肯定的に捉えていてその点については安堵した。自分に似合う言葉が見つかった事を報告してなにゆえその是非が問われねばならぬのかと憤りたいところだったが、そういや日本語圏は「この服私に似合ってるでしょ?」って呟いたら叩かれる空間だったわね。そりゃ不安にもなるわ。
ともあれ、そういった恐怖を乗り越えただけあって、『BADモード』の出来栄えもそれにまつわる発言も非常にポジティブな方向性に纏まっている。雨降って地固まるじゃないけれど、『雨雨どっか行け』って呪文の効き目はかなりのものだったみたいだね。
で、全くの余談になるが、ヒカルのツイログで『恐怖』という単語で検索したら、ヒカルが恐怖を感じるのは以下の3つであった。
・乗り物酔い
・締め切り
・マスコミ
https://twilog.org/utadahikaru/search?word=%E6%81%90%E6%80%96&ao=a
うむ、生き方が反映されてる感じがして真に象徴的ですね。このツイートを引用して今夜は締め括っときましょっか。
『私のイメージだと、愛の対局にあるものは恐怖かな』
https://twitter.com/utadahikaru/status/264210705224445954
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「ずっとここで宇多田ヒカルのこと書いてると外から宇多田ヒカルがどう見られてるのかよくわからない」とは度々書いてきたが、わからないなりに、今の注目度は尋常じゃないんだろうなというのは何となくわかる。あんまり参考にならないかもしれないが、この日記のアクセス数はこの3週間ずっと普段の倍の数値のようだ。(もうちょいこまめに見ようね私さん)
今ヒカルがテレビに出てないというのがどれくらいの影響の差を生んでるのかはよくわからない。サブスクが主体になってよりテレビ視聴の同時体験が影響力を発揮してるとかあるかもしれないなとか、色々考える。
一方で、例えば先週。テレビドラマ「最愛」がTver史上歴代1位の視聴数を獲得したというニュースがあった。喜ばしい限りだが、「民放見逃し配信サイトで人気」というのは、テレビで人気があったのかネットで人気があったのかよくわからない。テレビは観るけどネットはよくわからん、という人からテレビ受像機をそもそも持ってない人まで多様なんだろうかな。
こういう時に宇多田ヒカルという人のイメージはどこに置かれているのか。そうそうテレビには出ないが、昨年夏は資生堂のCMである程度顔を見せてた…のかな? あれテレビで流れても外タレの1人みたいに思われなかっただろうか。
だったらもう昔みたいにテレビでの露出を考えなくてもいいのかな。情報番組でとり上げてもらう必要はあるんだろうが。
寧ろツイッターとインスタグラムで同業者に絶賛してもらう方がいいのかもしれない。それこそ昔は、同業者間で評判の高い音楽家はミュージシャン'ズ・ミュージシャンという呼ばれ方をして大衆支持との乖離を強調していたものだが、今はそのリスペクト相手の音源がたちどころに聴ける。ひとつひとつの効果は小さいかもしれないが、積み重なっていくと侮れないだろう。
『BADモード』は同業者の評価が恐ろしく高いだろう。最早彼らも単なるリスナーの1人になってしまってライバルやってくれそうな人が見当たらない状況だ。格好だけでも真似てくれた最初期の倉木麻衣や、ベストアルバムの発売日をずらしてくれた浜崎あゆみが懐かしい。もう今はそういうことをする気にもならないだろう。YOASOBIやOfficial髭男dismの再生回数はヒカルの十倍二十倍だが、あそこから成長して音楽的にライバルになってくれるかというとなかなかに難しい。
まぁそもそも、音楽をやっているのにライバルって何?というのが若い人の感覚だったりするんかもな。直接試合をするわけでもないのにね。YouTubeやサブスクでどれも手っ取り早く音が聴ける今、何かと競うプロモーション自体が効果を減じていくのかもしれない。それでも再生回数や視聴数などが宣伝材料になるのは間違いない訳で、そうなってくると、ヒカルの叩き出してる数字はまだまだ物足りないのかもしれないな。ここから3週間のプロモーションがどうなるか、じっくり見させてもらうとするわん。
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ここ数年のヒカルは『初恋』で『First Love』を、『誰にも言わない』で『Can You Keep A Secret?』を、それぞれタイトルでトリビュートしてきたが、今回の『BADモード』アルバムでは『キレイな人(Find Love)』に於いて、タイトルではなく歌詞のモチーフでトリビュートをしてきた。ターゲットは宇多田ヒカルのセカンド・シングル、1999年2月17日発売の『Movin' on without you』である。
この件に関してヒカルは『Liner Voice+』の日本語版でこんな風に言及している。
『(この曲『キレイな人(Find Love)』では)“シンデレラ・モチーフ”を使っていて。ファースト・アルバムに入ってる『Movin' on without you』っていう歌で昔その“シンデレラ・モチーフ”、“12時の鐘”のことを出してたので。“ガラスのハイヒール”とか。だから、それはちょっと意識してやりました。そん時15歳だったから大人になったわたしの、また、なんて言うんだ? その、同じモチーフの使い方として─っていうのを意識して聴くのもアリだったり必要じゃなかったり?(笑) 一応言っておきました。』
なんとなく触れただけ、という感じですかね。なお英語版ではこの件に関する言及はなかった。日本語歌詞の話は日本語が聞き取れる人に向けての話になる訳だからまぁそれも妥当か。
とはいえ、『意識してやりました』の言質さえとれてしまえばもうそれで十分。意識的にか無意識的にかというのはこの無意識日記の通奏テーマなのでそこは拘る。意図してこの歌詞を書いたのだヒカルは。それが知れてよかった。
で。シンデレラ・モチーフというのは、『Movin' on without you』に於いてはこの箇所のことだ。
『時計の鐘が鳴る
おとぎ話みたいに
ガラスのハイヒール
見つけてもダメ』
童話では12時に効果が切れる魔法で着飾ったシンデレラが王子から逃亡する際にガラスの靴を落としていくというエピソード。なんで12時過ぎてもガラスの靴そのまんまやねん、と幼稚園児だった私はツッコんだものだがその話はいいとして。『キレイな人(Find Love)』ではこの場面。
『王子様に見つけられたって
私は変わらない
12時の鐘に怯えなくてもいい
汚れたドレスに裸足の私も
いい感じ』
『12時の鐘に怯えなくてもいい
汚れたドレスにいつもの私で
何が悪ぃ』
なんというか、そうね、ヒカルはこれをシンデレラ・モチーフとは言っている訳だが、「シンデレラ全否定な歌詞」をそう呼んじゃっていいものですかね?
つまり、着飾った私を選ぶようなボンクラに用は無い、ってことなんだろうかね。それは言い過ぎにしても、『王子様に見つけられたって私は変わらない』は強烈だ。彼に価値を認められるのを期待している、待っているという価値観は…まぁそうね、もう“時代遅れ”というヤツになるのだろうか。そのシンデレラを全世界に知らしめたディズニー映画自体が時代に合わせてメッセージを変えてきている訳だが、はてさてヒカルは23年前と較べて…あら、これ少し尺が要るわね? 来週に持ち越すことにしときますかな。先に書いとくと、「思想としてはそんなに変わらない」が「宇多田ヒカルは成長した」というのが結論になりますかね。自明か。あははは。
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『ヒカルパイセンに聞け2022』に沢山質問が集まっていて、いやまぁみんなよくそんなの考えつくなぁという質問が次々と出てきて感心しきりなのだけど、この数、ヒカルさんどう対処すんのかな。枠としては1時間だろうし、もしゲストを招いたり1曲歌ったりしたらますます答えられる質問は減ってくるだろうし。
そこらへん、お互いがどう捉えるか、ですわね。ひとりひとり違うのが前提でいえば、数は少なくてもいいからじっくりひとつひとつ答えて欲しい、つまり自分の質問が読まれることよりパイセンの感性と知見が知りたい、と思うのか、或いは、兎に角何でもいいから自分の名前を読んで/呼んで欲しい、と願うのか。
今までのインスタライブは前者寄りで、たとえ質問者本人でなくてもひとりひとりが考えさせられるようなパイセン回答が聞けるところがよかった。後者のパターンを追究すると、例えばタイムアタック的に(なんか昭和な響きな言葉だな…)短い一問一答を矢継ぎ早に繰り返せば、1時間枠なら100や200答えられるかもしれない。名前を呼ばれた方はその部分を切り取って一生保存しますわよね。毎朝のアラームに使いたくなるなぁそれ…。
なので、訊く方もそこらへんを区別して質問するといい。自分が読まれるかどうかが二の次な人は、じっくりと構えた質問をすればいいし、名前を呼ばれたい人は、瞬時に返答できそうな、例えば「今朝は何を食べましたか?」くらいの、読むのも答えるのも短くてシンプルで済む質問をすればいい。あとはパイセンがよしなに対応してくれると思うので、自分がパイセンに対してどうして欲しいか、今一度内省して検討してみるといいだろう。
だけどいちばん大事にしたくなるのは、なんだかんだで人生相談タイプの質問だ。進路を悩んでるとか、介護の末期でさてどうしたものかとか、真剣な悩みとなるとパイセンとしてもなかなか見過ごせない。前の問答でも、私が「あ、これ読まれるかも」と思った質問が2つほど読まれた。何か「これは放っておけない」と思わせる、パイセンのアンテナに引っ掛かるものがあると、これは読まれる。読まれたい呼ばれたいより、もっと切実な何かがあるともうそれは別枠だ。
そもそも、「ヒカルパイセン」という呼称自体が「人生の先輩としてのアドバイスを宇多田ヒカルが伝える」事を主眼のしたものだ(…よね?)。だったら真剣な人生相談が選ばれるのは妥当な話であって。それに、そういう真剣な悩みはなんだかんだで多くの人に当て嵌まる事が多いので、ひとりに答えることで多くの人々に参考になる結果を齎すだろう。
…なんだか当たり前な事を書いてる気がするが、基本を踏まえるというのは常時何にも増して大切なことだと思うので、春の立つ今朝に書いておくことにしておきましたよっと。今月も変わらず寒いけどなっ!
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