無意識日記
宇多田光 word:i_
 



…いやねぇ、実は『SCIENCE FICTION』の映像商品発売日カウントダウン、もうちょい後から始めようと思ってたのよ。まだ3ヶ月以上先だし。でも昨日何故か「あ、これ月曜日に何か新情報出るな…その前に始めないとあかんかこれは」と急に思い立って慌てて投稿したんですよ。あぁいや、宇多田共和国アカウント@hikkicomの話なんですけどね。

一応その予感は当たったんだけど、だからって、流石に映像商品一挙8作品追加なんてとんでもない企画だとは思ってなかったよ!!!

・1999『LUV LIVE』
・2000『Bohemian Summer 2000』
・2001『MTV UNPLUGGED』
・2004『ヒカルの5』
・2006『UTADA UNITED 2006』

以上5タイトルが初Blu-ray化で!!

・2010『WILD LIFE 』
・2018『Laughter In The Dark Tour 2018』
・2022『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』

以上3タイトルが(Blu-rayは既発なので)、新装版で!

それぞれリリースとな!? 凄い!!!!!


いやまぁ、うん、「もう持ってるから…」という人が多いのはわかるよ。うん。でも、これから少し脅すぜ。…覚悟はいいか?


既に何度が書いてる通り、ソニーグループはBlu-rayの生産から少しずつ手を引いている。今年の3月にはソニー・ピクチャーズが映像円盤の生産から手を引い(て事業を権利関係に絞ってき)たし、6月には録画用Blu-rayディスクの生産終了が発表された。音楽関連のセルBlu-rayの話はまだ出ていないので今すぐ心配する必要はないのだが、やがてこの波が押し寄せてくるのではないかという懸念は拭えない。

なんかね、『SCIENCE FICTION』の映像商品のリリースがやたら早いなと思ってたんだよ。9月に終わって12月リリースって凄いスピード感! 今までの宇多田ヒカルの映像商品リリースは大体半年後だったもんね。なんでだろう?ってなってたんだけど、もしかしたら、来年になったらもうブルーレイがソニーという会社的にはリリースしづらくなってるのかもしれなくてな。

勿論今は単なる妄想に過ぎないけれど、もし今後、手元にフィジカルとしてヒカルのコンサート映像を確保しておきたいというのなら、今回のリリースでしっかり購入しておいた方がいい、ということになるかもしれないのだ。来年になったら廃盤扱いになって、もう現品のみしか手に入らなくなる、なんてことも有り得るんだもの。「欲しかったのにもう売ってなかった」なんてことになったら、うん、もう遅い。

既に円盤を持ってる人はまぁいいかもだけど…。でもね、私の場合を記しておくと。『UTADA UNITED 2006』のDVDがね、いつからか再生出来なくなってしまって。その時はまだ売っていたのでiTunes Storeで配信版を購入して観てたんだよ。つまり、円盤も安全ではないかもしれないのだわ、使い過ぎたりすると。なので、皆さん、フィジカルで一枚持ってるはいるけれど、何度も聴いて盤があやふやになってる、だなんて方は今回念の為、まさに「永久保存版」として、購入しておくのもアリかもしれない。

「いや、フィジカルの円盤が生産されなくなったら流石に配信されるでしょ。」というご指摘、まさにごもっとも。私もそう思うよ。なので、フィジカルに拘らない人は別に今回慌てて購入しなくても、今後配信でヒカルのコンサートが観られる事に期待していい…とは思うんだけどねぇ。これまた私の体験談なのだが、いつからか、正確な時期は不明だが、くだんの『UTADA UNITED 2006』配信版、iTunes Storeから消えちゃったんだよね。私は購入してたから、ストアから消えた後でも観れてたんだけど、うん、配信って、購入であれサブスクであれ、いつ消えるかわかったもんじゃない。永続的でなくても、一定期間観れない不便はまたあるかもしれない。次のレコード業界再編期にヒカルがまた移籍したら権利関係が整理されるまで配信停止になるとかね、そういうのは結構リアルな可能性だぜ。なので、普段からコンサート映像をよく観る慎重派はフィジカル確保に走るのは悪くないと思うよ。


…という風に、えぇ、脅してみました。当然、買うかどうかは皆さんの自由。今回の私の記述は妄想の類だしな。


でも、そうね…初Blu-ray化の5枚は、DVDで持ってても買う価値があるかも。『WILD LIFE』と『Laughter In The Dark Tour 2018』に関しては、現時点でもDVDとBlu-rayを聴き比べられるけど、画質以上にその音質の差にいつも驚かされる。Blu-ray、ほんとに音が良いのよ。なので、昔のライブが現代の良好なサウンドで甦るとなれば心浮き立ってしまうのだわ私は。

なかでも、『MTV UNPLUGGED』は要注目なのよ。何故かって、このライブは「DSD」っていう方式で録音されてるからね。
https://mora.jp/topics/column-report/utada-anata-talksession/
詳しくは私もわかってないのだけど、「とにかくその当時に録れる最高音質のひとつで録った」っぽいから、それを基にしてBlu-ray化された音源の音の良さは是非味わってみたいのでした。Blu-ray化というと、ついつい画質にばかり気を取られてしまって「もしかしたら若い頃のHikkiの産毛までくっきり!?」だなんてテンションの上がり方をしてる人も在るかもしれないけれど(私です(挙手))、「音質の向上」にも目を向けて、いやさ耳を傾けて欲しいなと、私はそう思うのでありましたとさ。

以上、買うかどうか悩んでる人の参考になれば幸いでっす! でも脅した分は、割り引いて考えてね…(弱気)。

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こちらから見て楽しそうなだけでなく、本人も心からライブをやるのを楽しんでる状況…にまで持っていくのには、大変入念で濃厚な準備が必要だったかと思われる。

宇多田ヒカルはその歌唱力の高さで知られ、ライブを観に来る人はその歌唱を是非生で体験したいと足を運ぶ人も少なくないだろう。要は「聴かせてくれ」という要望を携えて着席する聴衆が一定数居るということだ。

ところがヒカルさん本人は、昔から、自分が観る方の立場で居る時から「ライブは盛り上がってはしゃぐもの」という価値観で来ている。(ここにずっとズレが生じていた。)

「歌を聴きに来ている」お客さんに対して「しっかり聴かせる」為には相当な集中力が要る。つまり、耳を澄まして自分の喉のコントロールに注力する必要がある。一方で、「ライブで観客を盛り上げる」為には、歌にばかり気を取られていてはままならない。聴衆の方をみて、必要とあらばみぶりてぶりで観客を煽っていかなくては、ライブは盛り上がらない。この二つの相反する行動、つまり、シンガーとして歌を丁寧に歌わなくてはならないタスクと、バンドのフロント(普通はフロントマンと呼ぶわね)として、観客の振る舞いをリードするタスク、この両方を担っていかなくては、欲張りな目標:「歌を聴き来た人を満足させ、その上でライブ全体を盛り上げる」を達成する事は出来ない。

このダブル・タスクを成し遂げる為に、今回のヒカルさんはかなりの荒業に出てきた、というのが私の推測である。恐らく、ほぼ自動運転で全23〜24曲を歌えるように、身体に叩き込んでツアーに臨んできたのではなかろうか。

ミュージシャンというのは凄いもので、「楽器を弾きながら歌う」というのは珍しくもなんともない。ついこのあいだ楽器に初めて触った人でもそんなことをこともなげにする。昔「ギターと歌、全然違うラインを奏でてるのに頭は混乱しないの?」と当事者に訊いた事があるが、「指が勝手に動くまで練習してる。だからあとは歌ってるだけ。」と言われた。ほへーそんなものなのかと楽器が一つも演奏できない自分は感心したものだが、今回のヒカルさんは、何も考えずとも身体が勝手に歌ってくれるところまでブラッシュアップしてきたように思えてならない。

そこまでできれば、歌いながらステージを闊歩し、必要ならば歌ってる途中に挨拶の言葉を観客席に投げかけることもするし、何より、歌いながら実に楽しそうな表情を浮かべられるのは、自動運転してくれてる自分の喉から聞こえてくる歌をただ聞いてそれに自分でノッてるだけで済む領域まで来ていたからだと思われる。

だが、宇多田ヒカルの歌というのは、他の歌手に比べてと格段に「歌のチェックポイント」が多い。声のトーンの調節や、四分の一音の上げ下げなど、正確な歌唱を披露する為の情報量がズバ抜けて多い楽曲を歌う歌手なのだ。それを自動歌唱できるまでに叩き込んでくるってのは、これは相当な量のトレーニングと下準備を重ねてきたに相違なく。ライブ当日に晴れやかな笑顔を見せて心から楽しそうに歌う為にどれだけの研鑽を積んできたのやら。ありがちな表現に落ち着いてしまうが、湖面を優雅に滑っていく水鳥も、水面下では必死に足をバタつかせていたのかもしれない。そんなことをおくびにも出さない所が、今回のツアーの宇多田ヒカルのプロフェッショナルなところだったといえる。ま、それは他のライブ・パフォーマーも大体おんなじなんだけど、歌が上手い分その苦労も桁違いだったろうなとは、やっぱり思うよ?

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