無意識日記
宇多田光 word:i_
 



そうか、もう「今年を振り返る」時季なんだわね。今週で今年も終わりなんだもんな。

「宇多田ヒカルの2021年を振り返る」となると、まぁ大充実していたとしか言いようがない。出す曲どれもウルトラハイクォリティでデビュー23年目にして既に上がり切っていた評価を更に上げるという超人的な1年だった。唯一、『Find Love』が未だにUnfoundなままなのが気懸かりだが、フルコーラス聴かなくてもこれが「間違いなくライブで盛り上がれる曲」だというのは見えているので不安というより「なんでこの曲をとっとと発表しないの?」という純粋な疑問が残った、といったところか。

スタッフツイートの方は淡々とこの資生堂とのタイアップについて触れてきているが、ヒカルの方は顔出しインタビューまで応じてCMにも出演しているのに資生堂の資の字もツイートしていない。迅速な告知をモットーとしていないにしても、ちょいと異常事態ではある。

という蟠りはありつつも、極めて順調に来年早々のニューアルバムに突入出来そうで、非常に順調な1年だったといえる。

ただ、本人の身柄がね。相次ぐ変異株の襲来で今イギリスは日々の新感染者数が更新を続け…現在1日あたり12万人!?と大変なことになっているらしい。10人に1人は感染者という計算になるの? そんなに??

ということらしいので、引き続き年明け以降もヒカルはそう簡単には日本にやってこれないだろう。今年のヒカルは様々な間隙を縫って日本に来たりニューヨークに飛んだりとかしてどうにかこうにか仕事をこなしてきたようだ。が、やはりプロモーションとなるとずっと何らかの寂しさみたいなものがつきまとっていた。テレビやラジオや雑誌にそうそう出られなかったもんね。それでもなんとかやってこれたのは、やっぱり5月6月のインスタライブが大きかったんじゃないかなと。あそこで元気に動いて喋る姿をみせてくれたお陰である程度の安心感と安堵感を得ることが出来た。ヒカルはヒカルだよね、ってね。来年も、このままロンドンがロックダウンされたりしていくなら積極的にインスタライブをして欲しいものですわ。

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週末はヒカルからInstagramの更新がありしっかり『Merry Christmas』の挨拶も。なんだかんだでクリスマスは毎年ほどアウトプットがあってありがたい。

そして名前の横に「she/they」
の文字がうっすらと。みんなよく見てるねぇ。


昨今のLGBT意識の高まりと共に英語圏では性別の代名詞「he/she」の使用に違和感を持つようになり性別のない「they」を代替として使うようになっている。代名詞の代替だな。

それを受けてのこの表記なのだろう。「she/they」という併記の表記を選んだのはヒカルの今の意識や立場を反映していそうである。

『ヒカル』という日本語圏では中性的な名前に対し、今まで女性として活動してきた経緯を反映しての『she』と、ノンバイナリ発言を反映しての『they』と、どちらも否定せずに宇多田ヒカルとしてやってくってとこでしょうか。

この宣言(大袈裟かな)に即した活動が今後展開される。前に『君に夢中』のMVを指してヒカルの男性的ともいえる側の表情も捉えられている旨の話をしたかと思うが、今後更に表現の幅が広がっていく事が見込まれる。

例えば男性では、古くは美輪明宏の両性具有的自己演出や、最近では(若い人たちにとってはベテラン歌手だろうが)氷川きよしが華やかな路線にモデルチェンジするなど、日本であっても歌手の人が性別を超越した表現に踏み込む例がそれなりにあった。

ところが女性ではなかなかそういう文化がメジャーまで浮上してこない。極論すれば宝塚の男役以外に市民権を得ている活動はなく、せいぜい「男勝り」くらいに形容されて済まされてきた。

今後ヒカルがここにある壁をぶち抜いたり乗り越えたりひらりとすり抜けたりそもそもなかったことにしたり、そういう流れも作られるのではないかなぁと。例えばミュージック・ビデオで男装したりといった事がすぐに思い浮かぶが、そういうのも含めて、もっと活動と表現の幅が広がっていく可能性もある。

男装自体は既に『FINAL DISTANCE』のPVで見せていて大好評だったが、今や『ヒカルパイセン』なのだから、それこそ女性陣から黄色い歓声が上がるような仕上がりもありえる…ってこういう形容自体が古びるかもしれないが、今までの感覚からいえばそういうことだ。

と想像を膨らませると、もしかしたら『BADモード』って『Buddyモード』ともかけているのかも、なんて思えてきたりもして。buddyといえばブラザーに近い意味で、「おい、兄弟!」みたいなノリで使うんだけど、単に男という意味にもとれる。いや、ヒカルが「男性性=BADモード」という直接的な対応を想定してるということもありえるが…それは過激過ぎるか。ついつい“Bad”の単語に目が行きがちになるが、さまざまな「モード」が沢山あって、そのうちのひとつが『BADモード』に過ぎない、という世界観もあるな。そんな中でフェミニンなGoodモードとバディなBadモードがあって…などと妄想が膨らむ。

いずれにせよ、今まで「女性らしくないから」として却下されてきたMVの演出や、もしかしたら歌詞の面にまで、この『she/they』は影響を及ぼしていくかもしれないって話だ。もっとも、今までの歌詞だって性別転換はお手の物で、『One Lasy Kiss』がゲンドウ視点で『君に夢中』が加瀬さん視点で書かれている、という歌詞の最終解釈もどちらも結局男性としての歌詞になってる訳だから、何かドラスティックか変化があって我々が戸惑う、ということには、ならないだろうね。代名詞がなんであっても、ヒカルはヒカルのままですよ。

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