無意識日記
宇多田光 word:i_
 



配信ライブが全世界ではなく特定の国々だけに限定されているのは気になる所。根拠の無い推測になるが、単純に、宇多田ヒカルがCDアルバムをリリースする/することが出来る国限定ってことなんでないかなぁと。配信はあってもフィジカルは出さない国結構ありそうだもんね。

今のヒカルのワールドワイド契約がどんなものかを推測・把握するのは難しい。そもそもヒカルは元々東芝EMIと契約して日本でメジャーデビューし、それとは別にワールドワイドではユニバーサルと契約して世界デビュー、しかし後にユニバーサルと険悪になってグローバルなEMI MUSICとワールドワイドディールを結び直す。これで落ち着いたかと思ったらなんとそのEMIがユニバーサルに吸収合併されちゃって、あれこれ古巣に戻るっていうの一体何なの?って思ってるうちに今のエピックソニーにチームごと移籍することとなった。なんなんだこの数奇な過程は?

もしかしたら、今のヒカルの契約って本人達も把握し切れてないのでは? それぞれの活動の原盤権や出版権はどうなってる? 各時期、各名義ごとに整理は出来ているのだろうか? ヒカルでなくても事務所の人が把握してるのかな。U3MUSICの法務の人って誰なんだろうか。加瀬さんか?加瀬さんなのか!!??(笑) でも彼みたいな人が居てくれてたらヒカルも武器持ったストーカーに襲われなくて済むんだろうなぁ…(それは確かウタユナの頃の話ですが最愛の方はこのあと注目の第9話の放送です)。

………話が逸れた。いつものことだけど。こほん。

今回多数のプラットフォームでライブ配信をしているのは、限定された国々の中でも出来るだけ多くの人々に届くようにという配慮だろう。CDアルバム+映像円盤発売と連動させる企画なだけに有料配信にするのは致し方ない。寧ろみせない事で円盤への需要を煽るまであるもんね。

ただ、それでもやっぱり今日本以外の国で円盤を売ろうとするのは無謀であるとも思われるので、他の意図もある気がするのです。というのは、世界情勢が不安定な以上今後も数年単位でヒカルがワールドツアーに出掛けられない状況が続きそう。そうなった時に今度こそ本当のライブ・コンサートを各国で有料配信する為のリハーサルを、今回の企画は兼ねているのではないだろうか? 今回やってみてうまくいきそうなサービスを選ぶことが出来るかもしれない。収録ライブの配信なら何かトラブルがあってもリカバリーは可能だが、生配信を有料でとなるといきなり難易度が上がる。ぶっつけ本番になってしまうよりは、ということで今回の企画となった可能性もある訳だ。

それはこの日本でも同様かもしれない。将来ワールドツアーになった時、配信ライブに頼りたいのは今度は我々の方になるのだから。今のうちにチケットの購入とか視聴デバイスとの相性とかコメント機能との付き合い方とか、色々慣れておくのがいいだろう。いや勿論、この企画は「暫くコンサートツアーはありませんよ」というメッセージでもある筈なので焦る事では全くないとは思うが、こういう機会ってのは今後そうそうないだろうから上手く活用しておきたい。

しかし、配信ライブとニューアルバムのリリースが同じ日って凄いよねぇ改めて。どっちを先に聴くべきか迷う所でございます。新曲を生演奏形態で初体験するのも乙だもんね…っ! 来週はそこらへんについても考えてみますかねぇ。

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今回の配信ライブ『LSAS2022』は配信期間が短いのが特徴だ。

2022年1月19日19時から
2022年1月23日22時まで

という、実質4日間しかアーカイブ期間がとられていない。普段のオンラインライブが大抵1週間アーカイブなのに慣れている身としてこれは面食らった。

技術的な面や契約的な面もあるのだろう。多種多様なプラットフォームを使い多国籍で配信する場合の調整の難しさは想像に難くない。なんとか整理できるのが4日間というリミットだったのかもしれない。

それでもこれは、戦略の一環なのだと解釈している。そもそも配信ライブと聴いて思い浮かべた「普段のコンサートの体裁」ではない、「発売になったばかりの最新作の楽曲を演奏するスタジオライブ」というところがね。

1月19日から4日間しか配信されないとなると、恐らくアーカイブ難民が大量に出るだろう。そして、例えばテレビでコンサートの話題が出る場合、明日明後日どこそこで誰それがコンサートをするという予定の情報より、昨日一昨日どこそこで誰それがコンサートをしましたという過去の報告の話題の方がずっと取り上げられる訳だから、それで知ってからアクセスするとなるとね。テレビとしても放送できる映像素材があるにいかというのは随分に大きいので、どうしても1月20以降に取り上げる事になる。

そして、恐らくだがチケットを予め買って望む割合よりそのニュースを聴いて関心を持つ層の方がずっと多い。しかし、実質3日間でアーカイブにアクセスできるかというとかなり無理。

そうなった時に4週間後にその配信ライブを収録したDVD/Blurayが発売されるとなったら一気に関心が集まる。今回、今までの、宇多田ヒカルの代名詞になりつつあった(?)『通常盤1形態仕様』を捨ててまで初回限定盤を制作したのは、CDのリリースの本命がその映像商品だからだ。

だったら最初っからライブDVD/Blurayとして販売すればいいんじゃ?と思いそうだが、観客の居ないスタジオでの演奏を収録したDVDを単体で買いたいと思ってくれる人は随分と少なくなるだろう。最新作のCDとリミックスCD、更に話題になった配信ライブとそのメイキングという合わせ技によって、「円盤買おうかどうしようかな?」と迷っている層を揺り動かす事が出来る。そう考えたのではないか。

そもそも、配信より先にCDをリリースしても、ストリーミングの習慣が確立してる人はわざわざフィジカルを買わない。いや勿論買う人は居るには居るのだろうがここ数年『Face My Fears』や『One Last Kiss』のフィジカルをリリースしたことでそこらへんの購買行動データはかなり分析されている筈だ。だったら、まずはアルバムの配信で大きく数字を叩き出して各メディアにとりあげてもらい、更にそこに配信スタジオライブの映像も加わって、そこからCD購入層にアピールするのが吉だという結論になったのではないだろうかなと。


今回のプロモーションはかなりのギャンブルだ。CDアルバムという形態が今後どう存続するか、どう変化していくかを占う試金石になる。毎回言っているけれど、アルバムという形態は別に永遠不変なものでも何でもない。日本市場史上最高の売上記録を持つ宇多田ヒカルであっても、いや、だからこそ、今後も試行錯誤が続いていくのではないだろうか。

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