無意識日記
宇多田光 word:i_
 



どうにも、毎月ギリギリまで熊淡の納品を引っ張っているように思えてならない。怠けて後回しにして…というのでは当然無くて、やり始めたらあれやこれやと凝りだしてしまって時間が足りなくなるパターンだろう。あれだ、イクラの粒を一粒ずつ描き込んでしまう性格。生来の凝り性なんだな。全く困ったもんである。ってノートの落書きに「これが本当の千手観音だ」とか言って実際に1000本手を書いてみた奴に言われたくないですね。すいません。

今回が「英国特集」であるとしたら、嬉しくはあるがやや拍子抜けである。というのも、今のところ(まだ4回だが)、特集のテーマの取り方は、結果的にであるとはいえ、様々なジャンルの音楽を横断した選曲を可能にするものであった。本来ならバラバラな曲同士をひとつの番組で違和感なく聴かせる―それが醍醐味のひとつであった筈だ。

それが、英国特集と銘打ったら、どうしたって偏った印象を残す事になってしまうだろう。一口に英国らしさと言っても様々で、それこそ英国にはあらゆるジャンルの音楽が在るのだからそういった幅広さの許で選曲すればバラエティー豊かでバランスの取れた一時間になるんじゃない?と言われそうだが、それをやってしまうと特集のテーマがただのプロフィール欄の記載でしかなくなってしまう。この人たちはイギリス出身、ではかけましょうだと意味がない。高度になってしまうが、出来るだけ大きく違いのある音楽同士を集めて、それを一時間かけて聴いた時に、「全部全然違う作風だったけど、こうやってまとめて聴くとそこはかとなしに"英国っぽさ"が漂ってこない?」とリスナーに問い掛けられて初めて意味がある。履歴書の記入ではなく、実際の音楽によって特集のテーマが表現されていて欲しい。五月蝿い注文になってしまうが、どうしてもそこらへん高望みしてしまう。凝り性だと知っていると特に。

ただ、Hikaruがずっと英国に居を構えているというのなら、その"空気"をそのまま運んできてくれるだけで意味がある。同じアーティストでも、観る土地が違えば印象も変わる。Hikaruが英国で観たP.J. ハーヴェイは、日本で観る場合や米国で観る場合とは一味違う筈である。だから…そうだな、「英国でLIVEを観た事のあるアーティスト特集」なんかを組んでくれたら、それは面白いかも。いつかやってはくれませんかね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




前回妄想を捗らせ過ぎたのだがまだまだ余韻を引き摺っている。アドバイザーとしての役割もそうだが、やはり全作品を所持していたというのは萌える。うむ、こういう時にもしっくり来るな。萌えるぜ。

この、お互いがお互いのファン、という状態は、このBlogでも多分殆ど妄想してこなかったんじゃないか。母として、とか歌手の先輩として、とか、宇多田ヒカルは歌手藤圭子のいちファンだったとか、そういうのは鱈腹食べてきたけれども。

よく、友達同士みたいな母娘関係、って表現は見掛けるけれども、この2人の関係性は全くそこに留まらない。上下関係ありぃの、対等関係ありぃの、憧憬と尊敬と羨望が混ざり合いぃの、時には讃えられ時には罵られ、相手を護ろうとしたり護られようとしたり。千変万化という言葉がまさに相応しい。

なるほど、これほどまでに豊かな、極端なまでに多彩な「2人の関係性」を持つ2人の関係があったのであれば、ヒカルの歌詞に親子をモチーフにしたと思しきテーマが増える事にも合点がいく。もっと言えば、母の事を歌っても、リスナーからすればそれは恋人との関係に聞こえたり、親友とのエピソードにみえたり、いや時には男目線からの話にすらなっていたのかもしれない。「母を護る」という決意は、ジェンダー論は別として俗に言う所の「男らしい」色合いの濃いものだったし。

一方でヒカルは、ずっとこどもだったし、今でもその時代ありきである事は、同じく照實さんが披露してくれたカタカナに苦労するエピソードから伺い知る事が出来る。彼からのツイートは宝の山か。彼自身の話よりも食い付きがよくてすいません。

ヒカルの小さい頃の様子は、チョコレートの話(「食べていい?」)をはじめとしてもうこちらを萌え殺すつもりとしか思えないド直球の萌エピソードが満載で、幼女好きには堪らない…って書くと犯罪臭が出るから御法度なんだったな、こども好きの溜飲を下げまくっているんだけど、圭子さんもそういう目線で幼き日の光を眺めていたかと思うとこれがまた微笑ましい。しかし、ヒカルは恐らくこの「2人」の複雑怪奇豊穣至極な関係性をかなりきちんと消化して来れたのだと思うけれど、圭子さんはどこまで受容出来ていたのかと考えると、少々不安になる。そこには、母親としての感情という、本来光の方にはないファクターが存在していた筈で、ならば光は、成長するにつけそのファクターを自らの中に自前で、意図的に"生成"させていくプロセスが必要だったのではないかと考えるのだが……そうだな、そろそろ歌の話を致しましょうか。次回更新までに曲を決めなくっちゃだわ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )