無意識日記
宇多田光 word:i_
 



うぅむ、聴けば聴くほど夢のような番組だ。Hikaruが楽しそうに自分の好きなものについて話してくれて、ついでに聴いた事のない音楽を知る事もできる。毎月3000円払うからCD化してくれと思ってしまう。うぅむ。

今回第4回は「なんとなくインディーズ特集」である。この"なんとなく"は2つの意味で重要だ。

ひとつは、冒頭でHikaruも言っているように、『今回のエピソードでかけたい曲を作ってたらこれってインディーズの方が多いんじゃないかなとふと気づいて』そのままインディーズ特集を構成してしまった点である。つまり、最初っから「今回はインディーズ特集にしよう」と決めてから選曲するトップダウンではなく、まず選曲してみて見渡してみたらインディーズが多かったから『(だったら、と)インディーズのアーティストだけまとめてみました』というボトムアップな経緯で特集が決まった、という話。より正確にいえば、選曲からボトムアップでテーマを抽出し、そこからトップダウンで選曲を整理しなおした、というストーリーだ。「すっげぇHikaruの性格が出てるなぁ」という感想が沸き起こるが、それは直ちに、こういうプロセスは「いい曲を作れる人」に特有のものなんだろうな、という含意も示唆をする。いや今の場合は「いい番組を作れる人」になるんだけど。

"街"には二種類あって。自然と人が集まってきて賑わって大きくなった街と、誰かが「ここに街を造ろう」と計画をしっかり立てて出来ていった街と。前者は自然な街並みに人の息吹きと猥雑とすらいえる並々ならぬエネルギーが感じられる一方、雑多で、時に行き過ぎると容易に収集がつかなくなり闇の温床にもなりえる。一方、後者は、人の意図が隅々まで行き渡っている為、どこか冷たく人間味がない。不自然で人工的で、エネルギーはギクシャクしている。が、隅々まで光が当たっている為透明性が高く、余所者が入ってきて安心して住めるのはこちらだったりする。一長一短である。

尤も、その一長一短の中にも更に光と陰があり。闇の温床は疲れ果てた人間には時に安らぎとなりえるし、闇の存在を許さない光に満ちた空間はそれもまた人を息苦しくされる。意図と偶発、自然と不自然は背中合わせにくるぐると回転しているのだ。

Hikaruは、どちらの街並みが好きなのだろうか。今回の特集の成り立ちからすれば、どちらに対しても某かの価値を見いだせているようにも思える。自然発生的にテーマを生み出すプロセスと、あるテーマにそって整理整頓するプロセスと。とてもバランスがいい。結局の所このポイントをイデオロギーの対立に発展させず、巧く折衷しながら「いい番組作り」へと昇華させられているところが肝心なのだ。その折衷が「なんとなく」と「特集」の組み合わせなのである。

これが「なんとなく」の、裏側の意味の方だ。普通表と裏なら表を先に書くものだが順序を違えてしまったな。という訳で次回は表の側の、もうひとつの「なんとなく」の意味について。

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いやはや、KUMA POWER HOUR with Utada Hikaru。回を追う毎にパワーアップしているようだ。完全にペースを掴んだ感じだな。

当初は月一という事で間隔が空き過ぎ、どうにもペースが掴めないというか、ノっていけないのではないかという懸念もあったのだが、いざ蓋を開けてみると、こと制作側のHikaruに関していえば全くそんな事はないようだ。5月をお休みしたのが本当に悔やまれる。

やはり、総てを自分1人で取り仕切っている事が大きい。やってきて打ち合わせして喋る、というだけでなくSEからBGMから構成から…となるとやる事が本当に多い。かけている時間がどれぐらいかはわからないが、その八面六ぴぶりを発揮するには、1ヶ月間隔位がちょうどよかったという感じだ。つくづく、5月を以下略。

しかし、リスナーの方はというとやはり月一のペースは難しいようで、聞き逃したという方々がちらほら散見される。ハッシュタグを追っていても、これはこちらのクライアントのAPI制限のせいかもしれないが、やはり人数は減っているように感じる。…いやもしかしたら自分の発言が増えてるせいで相対的に少なく見えてただけかもしれんな(汗)。こればっかりは、よくわからない。

確かに、今回の"インディーズ特集"のような内容は、普段洋楽を聞き慣れている人でないと厳しいかもしれない。唯一の邦楽"大正九年"がかかった時の反応に「日本語だ!」的な反応があんまりなかったのは、エフェクトのせいできこえなかったからか、こっこのように知名度が高くなかったからか…いずれにせよ、そこらへんはもうかなり整ってきてしまってると言っていいかもしれない。この流れで行くと次は邦楽特集かな? しかしそれをやったとして、月一であらためて食いついてくれるかというと微妙だ。うーむ、どうなることやら。


そういった事とは別に、私個人は番組を大変楽しんで聴かせてもらった。次回からはそこらへんの細かい話をしていくとするか。

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