無意識日記
宇多田光 word:i_
 



放射能より風評被害の方が甚大になりつつある状況だが、こういう場合は情報を如何に迅速に正確に、そして信頼してもらえるような体裁で提供できるかが大切だ。データを示すだけでなくそれがどういう意味を持つのかのストーリーまで用意しておかなければならない。ストーリーのどこかに穴があれば、開示できる情報は全部伝えているにも拘わらず疑心暗鬼が広がり陰謀論が罷り通る。人に対する信頼とは受け手の文脈の中に抵抗なく入る事を以て得られるものなのだ。

光の場合普段そんなに私生活を審らかにする方ではないので情報のない期間はファンの間で様々な憶測が飛び交うものだが、それが信頼の失墜に繋がらないのは、端的に云ってしまうと曲がいいから、しっかり仕事をしているからである。その信用という名のブランドと普段の誠実で(方向音痴な)言動の延長線上に憶測や妄想が広がる為、たとえ必要な情報が欠けていてもファンの方が好意的な方に補完してくれる。つまり、確固としたストーリーは情報の充足を上回る重要度を持つ訳だ。

過去に一度、恐らくその誠意から光が思い切った情報開示に踏み切った例がある。結婚報告だ。あれは家庭を築くというよりは、交際を公的に宣言することで(本人も云っていたけど)堂々と振る舞えるようになる事を目的としていた。お陰で二人でどこに出掛けようがメディアは好意的に取り上げてくれるようになった。見事な方法論だと思ったものだ。

然し、ストーリーの中に他者を入れる事で逆に不信感を抱き始めた向きもあった様だ。端的にいえばキリヤンキニイラネ、という事なのだが情報は透明になったのに彼が持ち込んできたストーリーに対する拒否反応は表立ってはいなかったものの離婚に至る迄燻り続け、光のストーリーに何ともいえない陰を解釈させる様になった。

結婚を(いや交際を、かな)境にメッセの回数も減り始めていた。正確にいえば、療養やら他社との仕事やらがネックになっていただけで直接には関係ないのだが結果的にそう見える流れになっていた。

だからといってコアなファンの信頼が揺るいでしまう事があんまりなかったのはひとえに光の人間性の賜物だったのだが、何故かそこから徐々に結婚生活が壊れていく。見てたわけじゃないけど。


…こっから先は面倒臭くなりそうなので相変わらず踏み込みませんw

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