無意識日記
宇多田光 word:i_
 



UtaDAの曲でもココ迄出典が明快な歌詞は珍しい。Ravenだけでも十分なのに(ソレだけ知名度の高い詩なのだ)、EdgarAllanPoeにLenoreでは逃れようがない。JapaneseGirlのUS進出という色を強く出したEasyBreezyと比較すると英語圏のアーティストでもあるのですよという宣言にきこえる。EBとK.Duskでは、然し、まるで曲調が異なる癖に両者共結局は相手を"家"(house/home)に呼ぶ呼ばないの話なのだから面白い。MicrophoneとPhoneNumberの対比や、片や触られ方/片や電話相手というRememberの使い方(最後はMyName,私の名前だ)等、何処迄企んだのか光に訊いてみたいわ。

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Nevermoreとは"もうこれ以上何もない"という意味で、前半で何度も絶望を与える事で後半に繰り返し登場する『(ComeBack/PlayIt)Again』と呟く事の悲劇性を高めている。Japaneasyと歌うEasyBreezyの軽やかな自己批評性とは対極に位置する凄絶な情念の描写であり、ポーの世界との親和性は見事の一言。[o:/ou]の音をNeverMORE,Calling,Homeと前半で畳み掛けているのも恐らく日本語同様英語でも悲嘆や落胆をこの母音で表す事が出来るからなのだろう、想いの丈が祈りを通り越し恨みすら宿る呪いの域に迄達していて、コレもポーの世界観とよく符合している。

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