トシの読書日記

読書備忘録

終わりであると同時に始まりでもある物語

2010-11-30 16:50:46 | や行の作家
吉田篤弘「百鼠」読了



これも姉が「結構面白いよ」と貸してくれた本です。この作家は「クラフト・エヴィング商會」という名義で夫婦(?)で活動している人で、本の装丁に定評のある人だということは知っていたんですが、なんとなく「あざとい」イメージがあって、あまり好きになれなかったんですね。


で、読んでみたんですが、やっぱり自分にはその先入観があるので、今ひとつ楽しめませんでした。なかなか面白い小説だとは思うんですがねぇ。ちょっと村上春樹テイストもあったりして。


三つの短編が収められているんですが、「三つの序奏――あとがきにかえて」と題した、いわゆるあとがき、これがやっぱり「あざとい」感じで、いやだなぁ。こういうの。こういう小説を書いた経緯が書かれているんですが、そんなことどうでもいいって感じです。


この作家に何の予備知識もなく読めたならよかったのにと、そういう意味では残念でした。

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