エイモス・チュツオーラ著 土屋哲訳「やし酒飲み」読了
アフリカ文学です。姉が貸してくれたんですが、著者はアフリカのナイジェリア出身とのこと。とにかく、アフリカ人の作家の小説は、初体験でした。
一読、目まいがしましたね。いろんな意味ですごい本です。冒頭を引用します。
<わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。当時は、タカラ貝だけが貨幣として通用していたので、どんなものでも安く手に入り、おまけに父は町一番の大金持ちでした。>
小学生のとき、文章を書くとき、「です・ます」体と「だ・である」体とがあって、必ずどちらかに統一して書くのが基本中の基本であると教わったんですが、それを平気で無視したこの文章に、まずがつんとやられました。それにしても英語の原文を訳者の土屋氏は、こんな風に訳したという、そのチャレンジ精神に脱帽します。
内容はというと、裕福な家に生まれ育った主人公が、自分のお抱えのヤシ酒造りの名人が亡くなってしまい、その男を捜しに「死者の町」へ旅する道中の奇想天外なお話であります。
読んでて、これって町田康の「宿屋めぐり」じゃんと思いましたね。発表はこの「やし酒飲み」の方がずっと早いので、町田康は、この小説にインスパイアされて「宿屋めぐり」を書いたのでは、と推察されます。
まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、この小説では、さっきの文体もそうなんですが、死者と生者、動物と人間、夜と昼、そういった相対するものが、なんかもう混沌として、一種のカオスになってしまっているんですね。めまいがする所以であります。
こんな小説もあるんですね。すごい体験をしました。いや、おもしろかったです。
アフリカ文学です。姉が貸してくれたんですが、著者はアフリカのナイジェリア出身とのこと。とにかく、アフリカ人の作家の小説は、初体験でした。
一読、目まいがしましたね。いろんな意味ですごい本です。冒頭を引用します。
<わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。当時は、タカラ貝だけが貨幣として通用していたので、どんなものでも安く手に入り、おまけに父は町一番の大金持ちでした。>
小学生のとき、文章を書くとき、「です・ます」体と「だ・である」体とがあって、必ずどちらかに統一して書くのが基本中の基本であると教わったんですが、それを平気で無視したこの文章に、まずがつんとやられました。それにしても英語の原文を訳者の土屋氏は、こんな風に訳したという、そのチャレンジ精神に脱帽します。
内容はというと、裕福な家に生まれ育った主人公が、自分のお抱えのヤシ酒造りの名人が亡くなってしまい、その男を捜しに「死者の町」へ旅する道中の奇想天外なお話であります。
読んでて、これって町田康の「宿屋めぐり」じゃんと思いましたね。発表はこの「やし酒飲み」の方がずっと早いので、町田康は、この小説にインスパイアされて「宿屋めぐり」を書いたのでは、と推察されます。
まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、この小説では、さっきの文体もそうなんですが、死者と生者、動物と人間、夜と昼、そういった相対するものが、なんかもう混沌として、一種のカオスになってしまっているんですね。めまいがする所以であります。
こんな小説もあるんですね。すごい体験をしました。いや、おもしろかったです。
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