谷口ジロー「描くよろこび」読了
本書は平成30年に平凡社より発刊されたものです。
言わずと知れた「孤独のグルメ」の原作の漫画を描いた作家です。何年も前に「犬を飼う」という作品を読んで、市井の人々の何でもない日常に妙に感動してしまった記憶があったんですが、本書はその谷口ジローの生涯の仕事と、それにかかわった人達の追悼文で構成されたものです。そう、谷口ジローは約2年前に69才という、あまりにも早い生を閉じたのでした。
やっぱりこの人の絵はいいですねぇ。「孤独のグルメ」の主人公、井之頭五郎が物を食べるとき、その口に入れる瞬間の目がすごい。ちょっと他の漫画家にはあれは描けないと思います。ちょっと変な表現ですが、目が泳いでるんですね。それが何とも言えない味を醸し出している。これが計算なのかそうでないのか、知る由もありませんが。
本当に惜しい人を亡くしました。もう一度家にある彼の作品を読み返してみたいと思います。確か、「散歩もの」と「犬を飼う」があったはず。
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