トシの読書日記

読書備忘録

ディストピアの果てに

2019-03-12 16:59:43 | た行の作家



多和田葉子「献灯使」読了


本書は平成29年に講談社文庫より発刊されたものです。今、「震災文学」なるジャンルがあるそうで、本書はその金字塔とも言われている小説なんだそうです。


震災文学なんぞというくくりで本作品を語ってほしくないという思いはありますが、しかし、内容としては自分は今一つでしたねぇ。


近未来の日本、東京に住む無名という小学生(?)の男の子とその曾祖父の話なんですが、その時代の背景とか人々の暮らしぶりの説明が延々と続き、また、駄洒落のような、地口といったかな?まぁそんなような言葉遊びのようなのがいくつも出てきたりと、これ、多和田葉子が書くべき小説なのか?といった思いを抱きながら読んでいったんですが、最後までその思いを拭い去ることができませんでした。


この「献灯使」の次に掲載されている「韋駄天どこまでも」、この方がよっぽど面白かったですね。しかしこの作品も前半は漢字の語呂合わせなんかが頻出しており。そこにはちょっと辟易しましたが。


まぁ全体にちょっと残念でしたね。かなり期待して読んだんですがね





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