ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

アタック・ショック No.5

2005-05-19 23:25:40 | Weblog
今日は久しぶりに“ショック”に遭遇したので、これを先に話そう。
 39度の高熱と下痢の若い方。まあ、感冒(ウィルス)性腸炎か細菌性腸炎かというところでしょう。
 やや、症状が強いので検査結果が出るまで、先に点滴をして、脱水傾向を補ってもらいながら、待ってもらうこととしたのです。
 ここで、きつい症状から見込みで細菌性を疑い、点滴の水に抗生剤を入れたのです(後から入れるより早くしてあげようと考えたのです)。
 看護師に頼んで次の方を診ていると、看護師さんが来て言うのです。
「先生、血圧が下がって、酸素濃度が低いです」と。私は若い方なので、測定間違いかなとも思い、酸素吸入を指示し、診察しながら考えていたのですが、『やはり、診に行くべき』と判断し、中断してその方の所へ行きました。
 確かに、血圧は低く(90位)酸素濃度も低い(指先で酸素飽和度をみると70~80)。若い方では“そんなバカな”と言う低い数字です。
 急いで聴診器を借りて呼吸音を聞くと、あえぐような息の音。
 『ヤバイ!』と寒気を感じそうでした。
 ショック状態、一歩手前です。
 研修医なら“先生を呼んでください”と言うでしょうが、私が先生なので対処せねばなりません。
 どうするかって、状況改善です。まず、点滴を何も入ってない水の様なものに変えて、酸素投与・ステロイド・気管支拡張剤を指示し、意識を確認。
 呼ぶと答えるのですが、生気が足りません。酸素濃度を上げて、血圧を確認して状況改善を待つのです。
 もし、呼吸状態がもっと悪化したら気管内挿管・人工呼吸+昇圧剤使用です。
 観察しながら、経過を見直すと点滴の抗生剤位しか思い当たりません。きっと、これによるショック(薬剤性)の可能性が大です。
 この薬は、ずっと以前から使用前の皮内テストも不要と言われていたくらいのもので、過敏症なんて最低ランクの発症率のはずだったのです。でも、これしか考えられません。その方に使った薬は点滴の水の他は、これだけだったのです。
 時々観察しながら、診療もし、ようやく生気が蘇り安堵しました。
 でも、これで午前中はどっと疲れました。

 アタックNo.1 。富士見高校バレー部に自信を付けさせるために、チームの監督は練習試合で相手の実業団チームにわざと負けることを頼んでいたのです。
 何も知らずに勝ったらうれしいだろうけど、実力以上の出来に有頂天で、おごりが出るかもしれない危ない賭だ。そう、わざとなんて、やっぱり両方共に面白くないよ。試合は実力でやれ。
 楽天100敗一直線は、みていてちょっと辛いけどね。

※ 今日の抗生剤によるショックは、私の“想定外”でした。
普通の外来中(気持ちに準備がない時)にショック患者発生はちょっと焦りそうになった。
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