ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

トラクター、まさかのトラブル!

2019-05-20 11:36:49 | 農業

 代掻き、あと一枚、まっ、朝飯前にちゃちゃっとやっちまおうぜ。昨日のうちに水が溜らなかったからなぁ、こりゃ誤算だったわ。起きだしてさっそくトラクター始動。途中まで移動して思い出した。そうだ、昨日ロータリーが変な音出してたな。目いっぱい持ち上げるとタイヤにこすれるし。そうかそうか、ロータリーを持ち上げる三点リンクのうちのトップリンクってやつのジョイントが緩んで伸び切っちまってるんだ。危ねえ、危ねえ、田んぼの中で外れたりした大ごとだぞ。どれ、ここらでいっちょ締めておくか。

 トラクターを道端に留め、工具箱からスパナを取り出し、連結のジョイント部分を回す。あっ、いけねぇ!反対に回しちまったぜ!がくっと尻もちつくロータリー。ああ、もうなんて馬鹿なんだよ、反対に回してどうする!もう、お笑い草だな。

 しかし、弱ったぜ。外れたトップリンクの接合部分をつながにゃならんが、そっくり返っちまってて、距離大きくなって届かない。持ち上げるなんてできっこないしなぁ。仕方ない、こんな道路っぱたでロータリーのつけ直しなんてみっともないが、下部のリンク2点も外して、一からやり直しだ。家まで50メートル駆け戻り、ハンマーを持って取って返した。だが、待てよ、ロータリー両横の支持車輪を下ろして着地させないと、再度の接合が難しくなるな。指示車輪下ろしてか。うーん、下部リンク外れねえぞ。登校の小学生の不審そうな目に晒されながら、ハンマーでかんがんぶっ叩き、やっと外れた。みっともねぇ。

 片側2輪、左右で4輪に均等に乗る見込みが大違い、後方の車輪を地面につけてさらに仰向けにそっくり返りやがった。なんとか後ろから押して4輪に乗せる、なんてそんな重さじゃない!と、すれば、ロープでロータリー上部を引っ張ってやっこらさと前に倒す。よしっ、ロープが必要だ。再度自宅との往復。

 これは良いアイディアだし、きっと、前に傾き起き上がるに違いない。ロープでトラクターとロータリー上部を結び付け、トラクター前進。だめだ。ロータリー前傾することなく、そのままの尻もち態勢でずるずるついて来る。と、なると、トラクターでロータリーの後ろに回って押してやるか。でも、同じことだろうな、きっとずるずる動くだけだ。残る方法は、ユンボなんかの重機しかないんじゃねえか、この重さを前に押し倒すには。と、なると畜産農家のSさんだろうが、今頃、朝の搾乳中だろうしなぁ。機械屋を呼ぶったって、これ機械のトラブルじゃないから来てもらっても解決にならんだろう。うーん、どうしよう??

 そうだ、Nさんがいる。機械扱いの得意な彼なら、なんかいい知恵貸してくれるかもしれない。さっそく、家に飛んで帰り電話した。事情を説明、ったって、言葉で伝わるような状況じゃない。まず、行ってみる、って悪いなぁ、ご飯時だろ、申しわけない。

 駆けつけてくれた彼も、上手い考えは浮かぶはずもなし、二人であれこれやってみるが、ロータリーは頑として尻もち姿勢を続けるばかり。こりゃ横の支持車輪に乗せるのを諦めて、上に撥ね上げ、地面にべた置きするしかないってことに意見は一致。一人が満身の力で持ち上げ、一人が支持車輪を上向きに戻す。ふぅ、まったく、余計な知恵働かせたお陰で無駄骨折りしちまったぜ。

 ヤンキー座りみたにべたっと腰落としたロータリー、この状態だとリンクの接合は難しいのだが、さすが、機械通のNさんのこと、ロータリーの位置を微妙に変えたりしながら、巧みにはめ込んでくれた。が、ここからが最後の難関!トップリンクは相変わらず届かない。ここは、長年この機械と付き合ってきたこっちの経験が生きた。下部リンクだけ結合させたまま、トラクターを微妙に前進、後退を繰り返しているうちにロータリーの機嫌が直ってごろりと前に倒れてくれた。よしっ、これで結合できる。外れたジョイントをしっかりと締め直す。適当なところでいいよ、まず作業と言ったら、Nさんに怒られた。きっちり締めておかないとまた、外れる。そう、その通り。

 重機が必要か、なんて大ごとまで思い至ったが、二人してああだこうだと知恵と力を出し合って危機的局面を打開できた。なるほどなぁ、三人寄らずとも、二人でも知恵は沸いて来るってことなんだな。助かった。すぐに駆け付けてくれる仲間がいるってこと、大切でありがたいことだよな。

 

 

 

 

 

 

 

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