菜の花座の新年会だった。で、その様子を伝える前に、余談から入る。うん、いかにも僕らしい。
昨年末の打ち合わせでは、厳冬期でもあるし、早い時間から軽くお茶会程度で、って話しから始まった。でも、飲みたい人だっているでしょ、じゃ、飲む人食べるだけの人別会費で、ってことに決まって、いざ当日、飲まないのは数人だけ、大多数は豪儀にグラスを呷っていた。中には今日飲むために、米沢まで2時間も歩いて下準備?して臨んだって強者もいて、いやいや、シニアも女性も元気元気。
僕はその少数の飲まない派だ。どうして飲まないの?って聞かれて、うっ、正直に答えるか、てい良く理由をでっち上げるか、ちらと迷ったが、考えるのも面倒だったので、本当のところ、代行代がもったいないから!って答えた。もう、ここまで来ると見栄も外聞もないね。貧乏は貧乏だ。飲み会費を払った上に自宅までの代行5000円を支払うなんて余裕はまったくない。
なんで送ってもらうだけで、5000円なんだ!5000円あったら練習用ランニングシューズが買える、マラソン大会に1回出られる、日々欠かさないウィスキーなら4L以上、小説の古本なら20冊だ。そう、こんなつましい暮らしをしている人間が代行に大金!を注ぎ込むなんて、あり得ない!
てのが一番の理由だが、なんか大勢でわいわい飲んでしゃべるってのが苦手ってこともある。酒は本など読みながら一人でちびりちびりと、これがいい。勢いで飲み過ぎるってこともないし、口が滑るって失敗もない。以前は、飲み会の翌日といえば、あんなこと言わなきゃよかったとどつぼに落ち込むのがほぼ慣例だった。ただ、みなが気持ちよく飲んで騒いでるその横で、じっと聞き役に回るてのも、楽なような苦痛なような、できれば、隅でじっと聞いていたいのだが、座長という立場上、中心に座らざるを得ず、そうなると、話題は自然と、僕を境にして左右に分かれて盛り上がることになる。
さて、3時間近い宴会もようやくはねて、帰りしな、飲み残しの一升瓶の処置が問題になった。以前の公演でいただいたものだし、まだ1/3くらいは入っている。さて、だれが持って帰るか?で、みなの合議一決、僕に押しつけることになった。おいおいおい!いらないよ、日本酒なんて、拒否したかったが、以前に吟醸酒をまるまる一本もらって帰った前科もあって、口には出せない。「ペットボトルの安ウィスキー飲んでる人なんだから、遠慮せず持っていきなよ」って若いやつの言うことは遠慮もたしなみのへったくれもない。
ううっ、そ、そ、そりゃその通り、普段飲むのはペットボトルのトリス、た、た、たしかに飲めればいい、安ければなおいいって酒飲み人生なんだが、アルコールならなんだっていいってわけじゃない。日本酒は、どうも、なんてぐじぐし考えているうちに、ほとんどの人間が2次会に出発、仕方ねぇなぁ、貰ってってやるか、と持ち帰った。はるか以前の公演の祝い酒、2年前の松竹梅、いっくら安酒飲みの僕でも、これはちょっとなぁ!まっ、ちょうど料理酒がなくなったことでもあるし、調理の際に使わせてもらうことにしよう。
それにしても、ブログってヤツは、筒抜けなんだよ、つましく世知辛い暮らしのあれやこれや、まっ、当人が書いてるわけだから、知られてて当然なんだけど、困ったようなありがたいような、できれば、もう少し高級品いや、中級品でいいから、押しつけてもらえると、ありがたい!なんて、言える身分じゃなかったんだっけ。