ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

一人暮らし、漬け物事情

2016-02-12 08:48:38 | 暮らし

 まさかこんなに漬け物にはまるとは思ってもみなかった。ほんと、最近のことだ、食卓にいつも漬け物のある暮らし。年取って味覚が変わった?それもある。発酵食品をとるよう心がけてる?それもある。暇ができた?それもある。以前は好きな方じゃなかった。テーブルに並んていても、手が伸びるのはお付き合い程度、そのまま知らんぷり、なんて失礼なこともちょくちょくあった。

 手作りが基本の我が家だから、添加物どっぱりの漬け物を買ってくるなんてことは、論外も論外!となれば自家製でとなるわけだけど、神さんの作る漬け物はどうも、美味くない。たまに作って出されても、なんか漬け物の本性をはき違えているような、漬け物に失礼なような、漬け物もどきでしかない。当然こちらは手を出さない。と、ああ、嫌いなのね、作るのばからしい、止めた、とくる。こんな行き違いが何度か有って、我が家から自家製漬け物は追放されてしまった。で、退職、金無し暇有り食い意地有り、の身分となって、ほんじゃまぁ、僕が作るわ、となって現在の漬け物どっぷり暮らしになった。

 この厳冬、食卓に上がる漬け物は、白菜キムチに赤蕪漬け。夏を制した糠漬けは、今はオフシーズン、冷蔵庫の中で高貴な糠味噌菌を絶やさぬよう、鋭気を養いつつ眠っている。もちろんほったらかしになどできない。低温環境にあっても、悪玉酪酸菌は折りあらばと手ぐすね引いているから、毎日攪拌の手入れは怠れない。大根やキャベツなど漬け込んでも美味しいのだが、今や、時の勢いは完全にキムチにあるので、無謀な戦いは手控えている。

 そう、キムチなのだ!12月半ばに1回目を漬け込んでから、ここまで、他の漬け物に付け入る隙を与えていない、ダントツの覇者だ。毎日食べる。毎食食べる。そんなに食べて、塩分過剰とか大丈夫なのか?心配だから、漬け込む塩は極力減らしている。下漬けの時、材料に対して5%のみ、本漬けの際は、付け汁にはいっさい加えず、下漬けの塩分もしっかり絞り落として漬け込む。だから、多分、出来上がったキムチそのものは、塩分濃度1~2%の低塩分になっているはずだ。なのに、過発酵にならない!キムチ偉大なり!それにしても、唐辛子の刺激成分もあることだし、大量摂取は好ましくない。なので、白菜一株を、四つに割り、さらにそれを3等分して、1回分を少量になるよう工夫している。ぺらっぺらの一握り。

 ともかく、朝キムチ、昼キムチ、夜キムチ、キムチとの濃密な付き合いを繰り広げているお陰で、割りを食っているのが赤蕪漬けだ。当初の恥じらい深いピンク色から、熟女の真っ赤に変色しても、あの歯ごたえと味わいは変わらない。だから、今度、今度付き合ってあげるからね、と漬け物瓶を見るたびに慰めの一言をかけているが、キムチの濃厚な魅力についつい引きずられ、今では、じっとお呼びのかかるりを待つのみの寂しく切ない暮らしに耐えている。

 さて、そんな我が愛を一身にうけるキムチだから、1月末には2回目のつけ込みも決行した。前回、たまたま試したあっさり和風味がとても良かったので、今回もアミの塩辛とか煮干しとか一切使わず、鰹出汁ベースで、仕上げはゆずをすり下ろし、うーん、今回もいける。しかも何故か、この配合、酸っぱくなるのが遅い。この調子なら2月いっぱい、楽しみを与えてくれそうだ。

 一人暮らしの食卓、いつだって漬け物あるから、一汁一菜一漬け物で事足りる。それにしても、まめになったもんだよなぁ、漬け物に関しては!

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