スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典さきたま杯&思い込み

2023-05-31 19:08:39 | 地方競馬
 第27回さきたま杯
 前にいこうとしたのは3頭。枠なりにギシギシの逃げとなり,2番手にスマイルウィで3番手にバスラットレオン。イグナイターとコンシリエーレがその後ろを併走。2馬身差でテイエムサウスダンとエアアルマス。3馬身差でビヨンドボーダーズとアポロビビ。シャマルは大きく離され,レースに参加することができないまま競走中止。最初の600mは35秒2のハイペース。
 3コーナーを回るとスマイルウィが外からギシギシの前に出てギシギシは後退。スマイルウィの外からバスラットレオンが追い,内を回ったイグナイターの3頭がほかの馬たちとの差を広げました。直線はイグナイターがスマイルウィとバスラットレオンの間に進路を取り,粘り込みを図るスマイルウィを差し切って優勝。スマイルウィがクビ差で2着。伸びを欠いたバスラットレオンは1馬身半差で3着。
 優勝した兵庫のイグナイターは1月に遠征した高知の黒潮スプリンターズカップを勝って以来の勝利。重賞は昨年のかきつばた記念以来となる3勝目。ここは実績で上位のシャマルとJRAで3連勝でオープンを勝ったコンシリエーレの争いとみられました。シャマルは何らかのアクシデントがあって競走を中止。コンシリエーレは結果的に1400mのレースに対応できず,共倒れに。イグナイターは重賞2勝馬で,このレベルのレースではほとんど崩れずに走っていましたから,その2頭が共倒れなら優勝しておかしくありません。やや人気がなさ過ぎたような気がします。父はエスポワールシチー。4代母がファーザの祖母にあたる同一牝系。Igniterは点火装置。
 騎乗した大井の笹川翼騎手は一昨年のクイーン賞以来の重賞2勝目。管理している兵庫の新子雅司調教師は昨年のかきつばた記念以来の重賞6勝目。さきたま杯は初勝利。

 たとえ過剰であったとしても,子どもを愛することは合倫理的で,子どもを過剰に躾けることは合倫理的であるどころか非倫理的であるといわなければなりません。その差異は明確にしておかなければなりません。しかし,それが理性的であると思い込んでいるという思惟作用だけに着目した場合には,どちらの場合も同様であり得るのです。ですから僕は,そのように思い込んでいる親が,過剰に愛している状態から過剰に躾ける状態に移行したとしても,それほど驚きを感じることはありません。自身が理性的であると思い込んでいる人間は,そのことによって合倫理的にもなるし非倫理的にもなり得るからです。
                                        
 こうした思い込みというのは,この特定の事象の場合にのみ生じるというわけではありません。一般的に,ある受動感情が別の受動感情を抑制したり除去したりすることが起きる場合には,その人間はそれが自身の理性ratioによって生じると思い込んでしまうことがあるのです。そしてそれはおそらく,僕たちがそう思っているよりずっと多く生じていると考えておくのがよいと僕は思います。なぜなら,このことは『はじめてのスピノザ』でいわれている,オペレーションシステムの相違に由来しているといえるからです。スピノザのオペレーションシステムは,僕たちがあまり意識せずに使用しているオペレーションシステムとは異なります。ですからたとえ自分自身のこと,あるいは自分の精神mensのうちに生じる思惟作用のことであっても,僕たちはスピノザのオペレーションシステムに従って考えることを,得意としているわけではないのです。
 スピノザの哲学では,理性が直接的に感情affectusを統御することは不可能であるとされています。そしてそれが可能であるとされているのが,僕たちが使用しているデカルトRené Descartesのオペレーションシステムです。だから第四部定理七は,デカルトのオペレーションシステムに対するアンチテーゼのひとつであるといえます。あるいは感情だけでなく観念ideaについていえば,第四部定理一もデカルトに対するアンチテーゼであるといえるでしょう。これは理性そのものが虚偽falsitasを抑制したり除去したりすることはないといっているからです。
コメント (1)
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