スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サンケイスポーツ盃優駿スプリント&ゲーデルの不完全性定理

2019-06-26 19:22:17 | 地方競馬
 昨晩の第9回優駿スプリント
 好発はマルパソでしたがすぐに控えました。内からアジュディカグラ,ヴァルラーム,トーセンボルガ,レベルフォーの4頭が並んで出る形。2列目にポッドギル,ロイヤルビクトリー,ケンガイア,ナガタブラックの4頭。3列目はスマートドレイクとホールドユアハンドで4列目にフォルベルスとマルパソ。以下はマルヨキング,カンゲキ,ニーマルティアラが単独で続き,離れた最後尾にグローリアスライフ。前半の600mは34秒4の超ハイペース。
 前の4頭から抜け出したのはトーセンボルガで2番手にはレベルフォー。3コーナーではこの後ろに3馬身くらいの差がつき外からナガタブラックが捲ってきました。直線に入るとレベルフォーは一杯。懸命に逃げ粘るトーセンボルガに残り150mあたりでナガタブラックが追いつき,あとは離していって快勝。大外から差し込んできたロイヤルビクトリーが1馬身4分の3差で2着。逃げ粘ったトーセンボルガが4分の3馬身差で3着。
 優勝したナガタブラックは南関東重賞初挑戦での優勝。これまでの戦績は900mで6戦5勝,1200mは3戦2勝,1500mと1600mでそれぞれ1戦ずつして着外と,典型的なスプリンター。前々走の900m戦は初の古馬相手のレースで5着。前走の1200m戦で古馬相手に勝っていました。この時期に古馬相手のB2クラスで勝ち負けする馬は,3歳戦では高く評価しなければならないのですが,前走は勝ちタイムが遅かった上,1200m戦での唯一の2着のときに負けた相手が出走していましたので,半信半疑の部分もありました。見た目通りの快勝で,時計も1秒つめてきましたから,現状の能力では抜けていたようです。この後,習志野きらっとスプリントに出走しても,能力的には通用しそうですが,この馬は発馬に難を抱えていますので,そのあたりは課題となってくるでしょう。父はクロフネ。祖母のふたつ上の半兄に,2001年に関屋記念,2002年に関屋記念と毎日王冠,2003年にアメリカジョッキークラブカップを勝ったマグナーテン
 騎乗した川崎の伊藤裕人騎手はデビューから10年2ヶ月で南関東重賞初勝利。管理している川崎の岩本洋調教師は南関東重賞6勝目。優駿スプリントは初勝利。

 それでは再びカヴァイエスJean Cavaillèsに関連した探求へ戻ります。
                                        
 カヴァイエスの思想について説明したときにいったように,カヴァイエスが独自の数理哲学を構築したのには,スピノザには思い至る由もなかった理由がありました。これについて鼎談の中で発言しているのは近藤和敬です。近藤には『構造と生成Ⅰ カヴァイエス研究』という著作があり,鼎談を行っている3人の中では,最もカヴァイエスの数理哲学に詳しい人物であると思われます。
 近藤によれば,カヴァイエスが数理哲学を構築するにあたって重要なポイントとなったことがふたつあり,そのうちのひとつとしてゲーデルの不完全性定理の証明があったそうです。これは1930年に証明されたものですから,スピノザが知ることがなかったものです。よってそれがカヴァイエスにとって重要なポイントとなるということをスピノザが知ることは不可能でした。
 ゲーデルの不完全性定理について詳しく探求するとなればよほどの時間をかけなければなりません。ここではそのような時間的余裕はありませんから,関連するポイントだけを説明しておきます。
 この定理が証明しているのは,どのような公理系であったとしても,その公理系が正しいということ,いい換えれば真verumであるということについてはその公理系の内部で証明することはできないというものです。気を付けてほしいのは,内部だけでは証明することができないというだけであり,一般に証明することが不可能であるということではありません。ただし,ある公理系が真であることを証明するために別の公理系を用いるとすれば,その公理系もまたその内部ではその正しさを証明することができません。よってこの循環は無限に続くことになります。ですから不完全性定理がもっていた実質的な意味は,公理系が真であるということを公理系によっては証明することができないということだったと僕は考えます。
 次にこの定理は仮説ではなく定理であって,きちんと証明されています。ですから公理系が公理系によっては真であることを証明できないというのは一般的な真理veritasなのであり,すべての公理系に妥当すると考えなければなりません。
コメント
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