スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

TOKYO MX賞フジノウェーブ記念&育むべき感情

2018-03-07 19:10:20 | 地方競馬
 第9回フジノウェーブ記念。ケイアイレオーネは右後ろ脚の球節を捻挫したため出走取消となって15頭。
 オメガヴェンデッタ,リッカルド,ゴーディーの3頭が後続を引き連れる形に。その後ろにラッキープリンス,サクラレグナム,キャンドルグラスの3頭。3列目にキャプテンキングとサブノジュニア。4列目がミヤジマッキー,キタサンミカヅキ,サトノタイガーの3頭でここまでは集団。離れた位置をソッサスブレイが追走し後方3番手にコンドルダンス。最後尾にシャドウパーティーとバルダッサーレが並ぶという隊列。最初の600mは36秒1のミドルペース。
 3コーナーを回ってオメガヴェンデッタとリッカルドが併走。2馬身くらい開いて内からサクラレグナム,外をゴーディーとサブノジュニアが追う形に。直線に入るとリッカルドが楽な手応えで先頭に立つとそのまま抜け出して7馬身差をつける圧勝。逃げたオメガヴェンデッタがよく粘って2着。大外から差してきたキタサンミカヅキは最後は一杯になってしまい1馬身半差の3着まで。
 優勝したリッカルドは報知グランプリカップからの連勝で南関東重賞2勝目。前走の圧勝ぶりから南関東重賞では能力上位ということが歴然としていたものの,ここは距離が短縮して斤量も3キロ増の59キロと,力を出し切れない要素もありました。しかし,ペースがさほど速くならなかったこともあったでしょうが楽々と2番手を確保し,その時点で勝負ありという形に。2戦続けて大きく差をつけての楽勝なので,重賞で通用する力があるとみてよさそうに思います。父はフサイチリシャール。4代母がアリアーン。母の7つ上の半兄が1999年に東京大賞典を勝ったワールドクリークで3つ下の半弟が2010年2011年のNARグランプリのダートグレード競走特別賞馬のスマートファルコン。Riccardoはイタリア語の男性名。
 騎乗した大井の矢野貴之騎手は報知グランプリカップ以来の南関東重賞12勝目。フジノウェーブ記念は初勝利。管理している船橋の佐藤裕太調教師は南関東重賞3勝目。フジノウェーブ記念は初勝利。

 第三部定理三九の仕方で生じる欲望cupiditasが,第四部定理四五の仕方で生じる善bonumあるいは悪malumについての十全な認識cognitioを凌駕してしまう場合があるということを示しているのが第四部定理一五です。ただし,こういう場合があるということを知っておくことはそれ自体で有益であると僕は考えます。というのも,単に他人に対する憎しみodiumは善ではあり得ないということを十全に認識しておくだけでも,他人に対する憎しみを抑制するには有効ですが,それでも他人に対する憎しみが,善ではあり得ないことをなさないようにする欲望を凌駕してしまう場合があるということ,他面からいえば他者への憎しみが善ではあり得ないということを知っている人でも,他者を憎むことによってその人に害悪を与えようとする,すなわちその人を悲しませようとする場合があるということを知っているのなら,なおのこと憎しみを抑制するには有効であると僕は考えるからです。
                                
 それでも,他者への憎しみから生じる欲望の方が,善ではあり得ないことをなさないようにする欲望を上回ってしまうということがある以上は,単にそれらのことを知っているというだけでは自由の人homo liberの対処としては十分であるとはいいきれない面があるのも事実でしょう。したがって,他者への憎しみが,十全な認識による善への欲望を凌駕しないようにする手立てを講じるということが求められることになります。
 理性ratioはそれ自体では感情affectusを抑制することはできません。第四部定理一四も第四部定理一五も,そのことを前提としていわれていると解釈できます。では何が感情を抑制することができるのかといえば,それは第四部定理七で示されているように,それと相反しかつそれより強力な感情です。したがって自由の人は,善を希求する欲望,いい換えれば善ではあり得ないことを忌避しまた破壊するような欲望を,何よりも強い感情として育むことが求められているといえるでしょう。もしその感情が最も強力な感情であるなら,他人を憎むことによってその人を悲しませようとする欲望は,容易に抑制されるからです。これは,スピノザが感情の抑制について述べていることの具体的な例であるといえるでしょう。
コメント
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