スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京シンデレラマイル&身体とその部分

2013-01-02 18:37:05 | 地方競馬
 冬の関東平野ということを考えれば珍しいくらいの激しい雨の中でのレースとなった12月30日の第6回シンデレラマイル
 逃げ馬ではありませんがスプリント戦を主戦場としていたミヤサンキューティがスピードの違いで先頭へ。これを外からエンジェルツイートが追い掛けていき,1コーナー過ぎに前に出ての逃げ。脚を使ったので少し後ろを離していくことになりました。無理に下げなかったミヤサンキューティが2番手で3番手にサクラサクラサクラ。ライトレジーナ,センゲンコスモ,モエレエターナルと続いてハルサンサン。マニエリスムは出負けした影響で後方から。前半の800mは48秒9でかなりのハイペースですが,これは飛ばした馬のラップです。
 エンジェルツイートも力はありますから直線入口までは頑張りましたが,ミヤサンキューティに並び掛けられて後退。そのままミヤサンキューティが抜け出し,サクラサクラサクラも追っていきましたが,直線の半ばからは差を詰められず,1馬身半差でミヤサンキューティが優勝。サクラサクラサクラが2着。1馬身4分の3差の3着は外を追い込んだ2頭の激しい競り合いになり,後方からの競馬を余儀なくされたマニエリスムがハルサンサンをハナ差だけ差しました。
 優勝したミヤサンキューティは一昨年6月の優駿スプリント以来の南関東重賞2勝目。ここは5カ月の休み明けの上,これまでの7勝すべてが1200mということで,伏兵的存在。スピードが生きるような状況になったことはプラスに作用したでしょうが,この距離で結果を出したのは大きな収穫といえるでしょう。父はクロフネ,ナイトライトシャダイプリマの分枝で母の従弟に2007年の平安ステークス,東海ステークス,エルムステークス,2008年の名古屋大賞典ブリーダーズゴールドカップを勝ったメイショウトウコン
 デビュー以来,一貫して手綱を取り続けている大井の真島大輔騎手は11月のローレル賞以来の南関東重賞制覇。管理している大井の鈴木啓之調教師と揃って東京シンデレラマイル初勝利。

 このことを考える上で最も基本的な要素になるのは,第二部定義七です。まずこのことから,複数の個物によって組織されるひとつの個物があるということになります。また,人間の身体というのはいうまでもなく物体です。つまり第二部定義一により,神の延長の属性の個物です。したがって第二部定義七でいわれていることが,人間の身体にも当てはまるということが分かります。
 スピノザが『エチカ』の中で人間の身体について多くを言及しているのは第二部自然学です。よってここからはその部分を参照していきます。まず,岩波文庫版117ページの冒頭にある第二部自然学②要請一により,人間の身体が,多くの物体によって組織されているひとつの物体であるということが確認されます。
 実際には人間の身体はとても多くの個物によって組織されています。しかしここでは分かりやすく,ただふたつ,AとBによって組織されていると仮定してみます。このとき,Aの中で何事かが生じたとしましょう。仮定によればAは人間の身体を組織している一部分であるということになっています。よって普通に考えれば,Aの中で何事かが生じるということは,その人間の身体の中で何事かが生じているということになります。これは,全体を構成しているある部分の中で何事かが起こるならば,それはその全体の中で何事かが起こっているという意味であるといっていることですから,きわめて当然であるといえるでしょう。
                         
 ところが,『堕天使の倫理』における佐藤拓司の主張によれば,『エチカ』における身体の考え方からすると,このことは必ずしも正しいとはいえないということになるのです。つまり,ある人間の身体を構成している一部分であるAの中に何事かが生じたとしても,全体としての身体の中には何事も生じていないと理解することが可能であるということなのです。
 正直にいってこれは僕には思いもつかなかったような考え方でした。しかし,いわれてみればなるほど佐藤がいっているように考えることが可能であるように思えてきたのです。そしてそうであるならば,第二部定理一二の現状の課題はかなりの程度まで和らぐことになるでしょう。
コメント
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