スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

朝日オープン&第四部定義一・二

2007-04-05 22:18:05 | 将棋
 朝日オープン五番勝負第一局
 振駒で先手になったのは羽生善治選手権者。羽生選手権者は以前から振駒に強いといわれていますが,この朝日オープンでの振駒ではこれで10局連続で先手を得たそうです。
 戦型は相矢倉▲3七銀△6四角でした。今日は僕が見たのは2時すぎだったと思うのですが,そのときは47手目の▲3七桂の局面でした。一般に相矢倉というのは24手で組み合い,40手ほどまで進むと微差ではあっても優劣がついているといわれています。この将棋の場合,すでに戦いになっているのはもちろん,先手の43手目の▲5四歩は新手ということですので,やはり差はついているのだろうと思うのですが,僕にはどちらがよいか分かりませんでした。
 結果から類推すると,この将棋は挑戦者の阿久津主税五段が,後手での矢倉ながらわりと積極的に攻勢に出たのですが,しっかりと受け止められてしまい,68手目に△3五歩と手を戻した局面から先手が本格的に反撃し,そのまま押し切ったという内容なのではないかと思います。したがってその68手目の局面ではすでに先手が有利だったのでしょう。羽生選手権者から見ると快勝といえる一局だったのではないかと思います。
 さすがの貫禄を見せた羽生選手権者の先勝。第二局は19日に指されます。

 明日は川崎記念2日目優秀のダイヤモンドレース。山崎-有坂の北日本,五十嵐-渡辺の南関東,小嶋-山口-笠松の中部が並ぶのは確実と思いますが,残る神山と前田が組んで4分戦にするのか別れて3分戦になるのか分からないので予想は割愛します。

 善悪と法あるいは道徳との関係をどのように前提しなければならないかが分かりましたので,いよいよスピノザの哲学,すなわち『エチカ』においては善悪というのがどのように考えられているのかをみることにします。
 善bonumについては第四部定義一。
 「善とは,それが我々に有益であることを我々が確知するもの,と解する」。
 続いて悪malumについては第四部定義二。
 「これに反して,悪とは,我々がある善を所有するのに妨げとなることを我々が確知するもの,と解する」。
 これらふたつの定義のうちで,僕がまず注意しなければならないと思うのは,これは「我々」ということばが用いられているので,あたかも一般的なことがいわれているように思えるのですが,スピノザの特殊性と一般性に関する考え方からみても,この「我々」というのは具体的な一人ひとりの人間と理解されなければならないのではないかということです。となると,ある人にとって有益であるもの,あるいはある人がそれが自分にとって有益であると確知するものが,それ以外の人にとっても有益であるか,あるいはそれ以外の人もそれを自分自身について有益であると確知するかどうかは,少なくともこれだけでは分かりません。したがって,これらの善悪の定義だけで,善悪の概念が一般的である,あるいは何を善悪というかは普遍的に万人に共通であるということにはならないということになると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする