ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

コンクール

2017年04月15日 01時55分01秒 | ちょっと休憩
私の記憶では1980年に行われた「フランスワイン&スピリッツ ソムリエ最高技術賞コンクール」が最初。

上述のコンクールはソペクサ=フランス食品振興会=フランスの政府公認機関の主催で基本的には2年に1度の開催で計10回続きます。

その後、様々なコンクールが現れては消えていきます。
イタリア、カリフォルニア、ドイツ、ポートワイン、スペインなどの各国、各地域のコンクール、そして若手対象のコンクールなどもありましたが、長く続くものはありませんでした。

その歴史の中でエポックメイキングな出来事の一つが現ソムリエ協会会長の田崎さんの優勝です。

1983年、25歳でした。
(ちなみにその時の準優勝が我らが先輩岡昌治さん29歳です。まだ〇〇があった・・・・時)

計10回の内、20代での優勝はその後に第一人者となる石田さんが26歳、そして梶川さんという料理人出身者が28歳、

それ以外は30代です。

田崎さんはそれで出場権を得たパリでの世界大会「ソペクサソムリエグランプリ」で日本人として初の準優勝をします。


で、その後、長い時間を経て国際ソムリエ協会主催のコンクールに日本も参加するようになり、代表として参加し優勝。

95年のことです。


ソムリエ協会主催の全日本最優秀ソムリエコンクールは96年の初回から「約3年おき」に開催されます。

第一回の優勝者は同年に開催のソペクサのコンクールで優勝した石田さん。勿論26歳です。

第2回も彼です。


その後は30代後半から40代の優勝が続きますが、森さんというルーキーが現れたのが第5回。
30歳でしたでしょうか?



さて私もコンクールに挑戦していた時期がありましたが、33歳で出場した92年のカリフォルニアのコンクールでは「年寄り」に分類されていました。

その後、98年の全日本では39歳。

やはり最年長です。

つまり、2000年以前のコンクールは若手のチャレンジの場、だったのですね。


ところが・・・・
その後、40歳以上の挑戦者が多くなっていて、私からすると「元気やなあ・・・」「老眼は大丈夫か?」と尊敬するとともに心配したものです。


なにしろコンクールは体力が必要ですし、直前は寝る時間も削られます。

だって普段の仕事もあるのですから、勉強はそれ以外の時間にするしかないのです。

私なんぞは39歳での挑戦が終わってすぐに「もうやめた」とコンクールから足を洗います。
だって、しんどいんですもん(笑)


しかし間違いなく、それによりブラッシュアップされたと思います。


今回優勝したのは京都の若手、岩田さん27歳。

久しぶりの20代。

英語の堪能な現代に相応しいソムリエ。

入賞者の多くも20代後半から30代前半です。

新しい、と言うよりは私には「復古な再スタート」感が漂います。

どうぞ若手の方は、先輩を押しのけて舞台に立って欲しいものです。


ただし、忘れてはいけないのは主戦場はレストランなりバーなりの自分の職場です。

お客様に満足頂くためのブラッシュアップ。



今は、その全日本と若手対象のスカラシップ、イタリアワインのJETカップ、ポルトガルワインの4つがあります。

どうぞ参加資格がある方は挑んでみてください。

若いうちにチャレンジすることが記憶を確かなものにするものと思います。


           樋口誠