小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

サントリー美術館「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」展、見てきました〜渋い、しぶい、シブイとしか言いようのない展覧会でした!

2024-02-05 10:36:17 | Weblog

昨日は雨上がりの曇天の中、「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」展を見てきました。
いや〜、渋いだろうなとは予想していましたが、思った以上に渋い、しぶい、シブイ展覧会でした。
とにかく書状が多い!
しかも、その書状が織田有楽斎本人のものはもちろん信長、秀吉、家康といった戦国三傑、福島正則、細川忠興、金地院崇伝など、錚々たる人々のものだったりするので驚きです。
とはいえ、その書状が磯田道史先生のように読めるわけでなし。
丁寧に書状の内容などが添えて書かれているので、 読んでみると、日常のご挨拶やお礼だったりと、意外に他愛ないものですが、細かい気持ちのやりとりが伝わってきて、歴史上の人々が身近に感じられます。
それにしても茶道とは何と不可思議なもの。
実態があるようで、なく、実態がないようで、ある。
実際に私は茶道の経験がないので、良いもわるいもわからないのですが、茶道具などにふれるたびにそう思う瞬間があります。
今回の展覧会でも有楽斎の孫にあたる織田三五郎が、千両もの大金を借りるにあたって、茶入れの壺を担保にする書状があるのですが…現在でいえば1億円にもあたる大金が、この茶入に…などと、一瞬思った次第です。
アートを生業にする者が、こんなことを言うのも何ですが、人によっては茶杓などは「こんなん、でっかい耳かきやで」と言いそう(なぜか下手な関西弁)。
茶道具は単独の美術品としての価値だけでなく、そこに関わった人々や、その場の雰囲気を包括した総合芸術か?
いやいや、茶道をアートの面だけでとらえるのは、絵描きの我田引水かもしれません。
なにせ芸術をたしなむ場ばかりではなく、政治の場としての場所でもあったわけですから、アートの面ばかりで「茶」をとらえるのは違うのかもしれません。
今回の「織田有楽斎」展は、登場人物たちから見て、まさにそれを示したものと言えるでしょう。
万人向きではありませんが、歴史と芸術の両方に興味ある方は必見です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デパ地下の「恵方巻き」売り... | トップ | 「DICカラーガイド」の部屋を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事