小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

「ジーニアス・ピカソ」のアントニオ・バンデラスが凄い!

2018-07-30 10:48:23 | Weblog

昨日は暑さの中、家内と上野アメ横周辺で買い物です。

初めて上野アメ横食材センター(写真は地下)という、どこの国にいるのかわからないディープな場所に行きました。

いや〜、さすがにここで生鮮品を買う勇気はないな〜。ということで、ここに入っている野澤屋というスパイス店で、もろもろの香辛料を購入です。

家内はスポーツウエアを購入、多慶屋(たけや)で食材を購入し、帰宅して夜に放送されるアントニオ・バンデラスが何と、あのピカソを演じるという「ジーニアス・ピカソ」第一回の放送にそなえました。

アントニオ・バンデラスといえば、「暗殺者」や「デスペラート」で知られる、スペイン出身の典型的ラテン男。濃厚なセクシー派男優(今どき、言いませんが)として知られたハリウッドスターです。

▼いくらピカソが同じスペイン出身とはいえ、どーなんだろうと思いますが、いや、役者とは大したものです。

本編を見れば、余計にそうなのですが、どう見てもピカソにしか見えません。
なんでもバンデラスはピカソと同じアンダルシアのマラガ出身で、この地元が生んだ天才にひとかたならぬシンパシーを抱いているとか。

ハリウッドで世界的になる前、バンデラスはスペインではもっと普通の男性の役をやっていたようで、アメリカに行くと、みんなステレオタイプにその国を見せる役になってしまうようですね。

なんでも、こちらは「ジーニアス・シリーズ」と言って、ナショナル・ジオグラフィックが世界の天才をドラマにして取り上げるシリーズの第二回目で、第一回はアインシュタインだそうです。
シーズン1のアインシュタインより、日本ではシーズン2のピカソが先に放映されるようですね。

ドラマ第一回は幼少時代から青年時代のピカソと、あの大作ゲルニカに取り組む56歳のピカソが交錯する形式です。
最初のシーンは、生まれたばかりの赤ん坊ピカソが、まったく動かずにいるので死産と思いきや、葉巻の煙でゴホゴホして大声で泣くところからはじまります。

ご存知ない方のために申し上げておくと、ピカソは幼少の頃からあまりにデッサン力がありすぎて、子供らしい絵を描いたことがありません。
ピカソのあの不思議に破壊された画面は、そんなピカソがようやく子供の絵に到達したと本人も言っているのですね。

第一回のドラマでは、そんなピカソが描いたリアルな時代の絵と、あのキュビズムの到達点と言われた「ゲルニカ」に取り組みピカソの姿が交錯するのです。

ゲルニカはスペイン北部にあったゲルニカ村が、ナチスの空爆で無差別な殺戮に遭ったことをテーマに描いたピカソの代表作ですね。

テーマの高邁さに比べ、ゲルニカを前にしたピカソが奥さんと愛人とケンカをさせる史実も盛り込まれる点も面白いところ。

「怖い絵」の中野京子先生も、「ピカソは結婚しては愛人を作り、誰ひとり幸せにしなかった」と言っているほど女性に奔放だったそうですから、その点アントニオ・バンデラスの映画のキャラクターにも重なるところでしょう。

画家を主人公にしたドラマというのは、どういうわけかつまらないものが多いのですが、この「ジーニアス・ピカソ」はその中では面白いと思います。

とにかく、バンデラスの化け方が半端なく、それを見るだけでも価値があると思います。全10回あるそうですが、今後の展開が楽しみです。

ナショジオが見られる方は、ぜひ一度ご覧くださいませ。

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