草津温泉から一週間経ちました。
草津温泉は山の中なのですが、新潟が近いために意外に刺身がうまいと聞きました。実際に頂いてみると、なるほど流通の良い昨今。東京で食す刺身となんら遜色ありません。
でもやっぱり奥山に入れ分けた地では、魚よりも米や豆、野菜に肉などが嬉しいですね。味を言葉にすると言うのは、なかなか難しいことなのですが、泊まった一井旅館で驚いたのが、昭和のなつかしいお味でした。
▲こちら、見た目は普通の旅館の食事ですが、鶏肉のソースが何か懐かしい味。
そうだ、子どもの時に食べた洋食の味です!
食べ物というのは、文字通り食べるとなくなってしまう一過性のものなので、そのお皿がどんな料理であったかは、本当の意味で言うと記憶でしか残りません。
マクドナルドやケンタッキーフライドチキンが日本に上陸したのは、私が小学生から中学生くらいの時で、その前後では食生活が劇的に変わりました。
そう、ここ一井旅館の味は、私がケンタッキー前に食べていたお味だったのです。
試しに仲居さんに「板長はおいくつくらいの方ですか」と聞いたところ、「50代の方です」とのお答えが!
ビンゴ!
先付けに出てきた創作料理も美味しかったけど、個人的な好みでいうと、やっぱり昭和洋食の味かな〜。
赤坂田町通りにはマルーモという創業40年と言うイタリアンの老舗があるのですが、実はその前にサンワと言う洋食の店がありました(そんなこと言っても、誰も知らない話ですが(笑)。
そこのデミグラスソースやホワイトソース(今はベシャメルソースって言うよね)の味が、草津温泉で味わえるとは!
古代ローマの美食は、今のイタリアのようにトマトは使われておらず(南米から伝わったのが17世紀の大航海時代)、リンゴとハチミツをベースにした酸味と甘みの料理だったそうです。本国イタリアでは古代ローマのお味は失われたものの、遠くドイツや北欧に、その酸味と甘味が残されたなんて聞きます。まあ、もちろんそれを証明することはできませんが。
以前、鎌倉で食べた洋食にそんななつかしさを覚えたことがありますが、いや〜、昭和は遠くになりにけり。
草津温泉、また行きたいなあ♪