ニコ動で拾ったアンドラーシュ・シフの「イタリア協奏曲」が、あまりに素晴らしいのでポチリ。勢いでゴールドベルク変奏曲も購入したのですが、これがまた大当たり。
ゴールドベルク変奏曲といえば、グレン・グールド1986年録音のものが定番で、当時センセーショナルだったこの演奏が、今では長くスタンダードになっていました。
グールドの呪縛からなかなか逃れられないと言われた続けたものの、実際は園田高弘の繰り返し全曲演奏など、けっこうユニークな盤はありました。
ただ、グールドの演奏を凌駕するまでのものは、なかなか・・・。
映画「羊たちの沈黙」に使われていたのは、グールドそっくりだけど違う人の演奏らしいし、なかなかあの呪縛からは解放されてなかったのですが、このシフの演奏はすごい!
バッハでこれほど艶やかな音色は、ほとんど聴いたことがないのですが、それが鼻につかない(わたしは)。
艶やかな音色といえば、アシュケナージの演奏を思い出しますが、あの人はバッハをあまり弾きません。コンサート前に腕ならしに平均律を弾いていた、儲けものは聴きましたけど、あの艶やかな音色がバッハに合わないんだそうです。
吉田秀和先生の表現を借りると「レンブラントの造型にルノアールの色彩が加わったような音色」。
うーん。わかったような、よくわからないような。
でも、この表現はシフのゴールドベルクに合うかもしれません。
彼もグールドの演奏は意識してるようですが、どのバリエーションもまるで真逆のテンポで演奏していて、まるで違う曲を聴いてるよう。
これから平均律が届きます。平均律といえばリヒテルと思ってましたが、あまりに内向きすぎて、滅多に聴きません。
あの華麗な音色の平均律も楽しみです。
シフのバッハを聴きながら制作ちう♪