小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

Art of oil painting(油彩の技法)

2009-11-19 08:28:26 | Weblog
写真は私が使っているパレットです。
使わなくなった白い小皿を2枚、パレットにしています。
おもに片方は暖色用、もう片方は寒色用に使っています。
10数年ぶりに油彩(正しくは混合技法)を再開させたため、
即席のパレットですが、これがなかなか使い勝手がよい。

綱島にいる時分は大理石を平らにした、
それこそ見かけの立派なパレットを使っていました。
でもそれは重くて動かせず、どうにも使い勝手が良くないので、
一時は紙パレットを使ってました。
(紙パレットは使い捨てですが、水を汚さないので意外とエコな商品です)。

それが10数年ほど前からは、油を使って描くのを止めて
アクリルの下地をベースに、膠を使った日本画の技法で描くようになりました。
つまり水性絵具オンリーで描いていたわけです。

今回の個展では、欲しい色がどうしても水性絵具だけでは表現できなかったため、
混合技法を採用することにしました。
混合技法とは油絵とテンペラを併用した技法ですね。
テンペラとは卵をベースにマヨネーズ状のメジュウム(媒体)を作り、
それを粉末状の顔料と混ぜて描く、中世ヨーロッパにはじまった技法です。

卵は全卵、卵黄、卵白テンペラなど、さまざまなパーツが使われますが、
卵黄を用いるのが一般的です(私も卵黄派)。
それに亜麻仁油、松やに樹脂、小麦粉、膠など、さまざまなマテリアルを練り込み、
エマルジョンと呼ばれるマヨネーズ状の媒体を作る。
そうすると何ができるのかというと、水と油を混ぜて使うことができるのです。

テンペラは油彩の光沢ある肌合いと違い、しっとりとした色合いが魅力です。
どんな色合いなのかは、ぜひ会場でごらんください。
ギャラリートークでは油彩の簡単な技法についてもお話する予定です。
コメント (2)
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