浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

うわ、なにこの不思議な感覚!?

2010-07-06 21:34:33 | 日記
前も言ったけど僕は二人妹がいて、上のほうはもう結婚して数年、で、今度下の妹が結婚します。

結婚式は9月でこないだ招待状が来てた。

上は式とか挙げなかったからなんとなく結婚してた感じだったからこういうの初めてなのよね。

兄にも招待状って送られるもんなんだね。うちの父親と向こうの父親連名で僕を招待してるなんて「なんか変なもんだなぁ」と思うけど。

9月かぁまだ先だなぁと思ってたら今日メールが来て「7月7日に入籍してくるんで」だって。

おいおい明日かい。え?前に言った?あーすいませんね、話聞いてなくて。

メールの文末にフルネームで妹の名前が入ってたんだけどふと「ああ、もう今日でこの人僕と違う苗字になるんだな」と思ったらなんつーか言葉にしづらいね。

いや別にさびしいわけでも残念なわけでもないんだけど、僕はずっと5人家族だと思ってたんだけど、考えてみれば戸籍上はすでに結構前から上の妹は僕の家族の戸籍にはおらず、このたびめでたく下の妹もうちの戸籍からは出ることになる(んだよね?民法はよくわかんないんだけど)。

つーことはなに、僕3人家族になるってこと?一人っ子じゃん。

あーなんつーかこんな日が来るなんて思っても見なかったなぁ。

今この曲聴いたら少し泣きそうになるね。

Just the way you are

2010-07-06 00:53:45 | 日記
若さ、ってなんなんですかねー。

そりゃみんな若いほうがいいんだろうけど。

でもね、村上春樹も言ってる。

「僕の自転車には『18 'til I die(死ぬまで18)』と書いてある。もちろんジョークだ。本当に死ぬまで18でいたかったら18で死ぬしかない」

あのね、仕事でもプライベートでもいろんな人に会う。

そりゃもちろん毎日顔合わせている人とかそれこそ大学卒業以来とか。

久々に会って「若返ったね~」って人はあんまりいない。みんなホウレイ線が目立ってきたりまるーくなったりね。

でもそれって「醜くなった」ってことじゃあ必ずしも無いんだよな。

僕が年齢を重ねたからかも知れないけど「ただ単に若い人」って決して「いいなぁ」と思うわけじゃない。

年齢重ねて美しくなってる人っているじゃん。たとえば芸能人なら草刈民代とかさ。ホウレイ線が深かろうが多少しわがあろうがそれはそれで素敵な人っていると思うんだよね。

ある本でね、「ある種の人は生まれたときにすべてのアイテムを持っていて年々それを失っていく。ある種の人は生まれたとき何も持っていないで年々新しいアイテムを手に入れてく」って言葉があったんですよ。

年々素敵になってく人って後者の人なんじゃないかと思う。

アイテムってさ、別にお金とか社会的地位とかそういうもんじゃないんだよね(そういうものももちろん大事なんだけど)。

じゃあなんだ、と言われるとちょっとぱっと出てこないけど。

たぶんね、もちろん日々何かの努力は必要なんだろうけど、「一番大事な部分はそのままで」ってことだと思うんだよね。

ほら、ビリー・ジョエルも歌ってるじゃない、「Just the way you are(ただ君のままで)」って。

(訳すの面倒なので訳詩付ビデオを)

年々変わってく人ももちろんいいんだけど、年々その人らしくなってく人ってもっと素敵だと思う。

うーん、もっとひねった話しようと思ったけど今日はかなり真っ当な話になっちゃったね。

おうさまがいないのでへいたいさんはおじいさんにまけましたとさ

2010-07-03 18:59:41 | スポーツ
しつこく見てますワールドカップ。やっぱりベスト8くらいになると見応えがあるねぇ。

ブラジル対オランダなんてこりゃもうすごかったですよ。

仕事の都合で大阪から帰ってくる日だったのでキックオフには間に合わず。家に帰ったらもう後半30分くらいでブラジルが1点先制してた。

見ながら思ったのは「ブラジルまとまってるなぁ」ということ。ブラジルの良さと言えば自由に想像力溢れるプレー、それは反面チームとしてはバラバラになりかねないけど今回のチームはひとつの「チーム」になってる気がした。

1点目のロビーニョのゴールなんか正にその象徴で空いたスペースに走り込むロビーニョもパス出すフェリペメロもまったく同じことを考えていたからの得点。さすがドゥンガ監督、と思ったね。規律あるチームを作ってる。

一方のオランダ。「なにやってんの?」って感じだった。ロビーニョの得点は明らかにDFの連携ミス。なにせ最後ロビーニョを止めに行ったのがFWのロッベンだけなんだもの。「なにこのサッカー?小学生?」って感じですよ。

言うなれば統率された鉄仮面の騎士団に戦う老剣士。前半終了時点ですでに剣は折れ楯も鎧もずたぼろ。

でもここで勝負が決まらないところがすごい。

後半始まってすぐブラジルのオウンゴール。ここから空気がおかしくなかった。

本来であれば言わばこんなゴールはちょっと足を滑らせただけ、何も気にすることはないはず。でもここからブラジルの空気が変わってしまった。

ブラジルチームのまとまりは一気になくなってしまった。みんながみんなただ不安そうな顔をしているだけ。

僕はもし、ドゥンガがピッチにいればなぁ、と思った。

ここで必要なのは技術でも得点でもない。ただ「シンプルな目標」。

「気にするな、1点取ろう」でもいいし「守って延長で勝負だ」でもいい、とにかく誰かがシンプルな目標を大声で叫ぶべきだった。

ドゥンガはそういう選手だった。常に誰よりも大声で味方を叱咤激励していた。

選手時代のドゥンガ。ほんとこの人怒鳴ってた記憶しかないなぁ。

でも残念ながら彼が監督になってそんな選手をピッチ上に置けなかった。それまで一つの生き物のようにまとまっていたチームがたった一つの「声」を出せないことでこんなにバラバラになるなんて。

気持ちのバラバラは苛立ちとなってプレーに表れイエローカードとなって舞う。

これだってドゥンガがピッチに居れば一人一人をぶん殴ってでも(もちろんそんなことする人じゃないけど、してもおかしくないような気がする)「てめーらなにやってんだ!落ち着け、ぼけ!」と落ち着かせただろう。でも残念ながらドゥンガはピッチではなく監督としてベンチにいる。

一方、既に攻め手を失ったかに思えたオランダ、ただの老人ではなく正にハーミット(隠者)だった。何も武器を持っていないように見せてもちろん胸元に毒薬を隠し持っていた。

そして正に毒薬、と言えるオランダのコーナーキックで逆転。

ブラジルの最後の頼みの綱は10番カカしかいない。でも残念ながら彼は王様ではなく、心優しく献身的な騎士だった。決して傍若無人な王様にはなれなかった。

これもサッカー。

わがままな王様を排除し献身的な騎士だけで戦おうとした監督ドゥンガ、結果、残念ながら王様がいないがために負けてしまった。

カカ悔しかろうなぁ。。

一つの救いは4年後のワールドカップはカカの母国ブラジルで開催、ということ。次のワールドカップの頃にはカカは32歳。それまでに王様になれているか、それとも単なる兵士でいるのか。

僕、カカ好きなんです。絶対自分に娘がいて嫁にやるならこんな人ですよ。

泣いてるカカに言ってあげたいね。

「あんちゃんそない泣かんでもええがな、4年間日本でやるのはどや?鹿島はあんちゃんのオジキ(ジーコ)もカシラ(レオナルド)もいたんやでぇ。どや鹿島にこんか?」

(ちなみにカカは子供の頃、親善試合で日本に来ててその時、MVPでもらった賞金5,000円を「初めてのギャラ」としていまだに大事に持ってるらしい。ね~いい子なのよ~)

何もない、でも愛してる

2010-07-01 21:50:23 | 音楽
カラオケってそういや行かなくなったなぁー。昔、なにかっちゃあ飲んだ後に「じゃあカラオケで」って感じで行ってたけどね。

最近は年に2、3回行くか行かないかですわ。

そうなると行ったときに歌う曲が無くて困る。

「あれ?昔って何歌ってたかなぁ」ってのもあるし「ああ、こないだカラオケで歌いたいなぁと思ってた歌なんだっけな…」と思うこともある。

まぁ年齢を重ねたんでそういうの覚えてらんないんですわ。

ちなみに年取って物を忘れるようになる、ってのは僕は決して恥ずかしいことだと思ってない、むしろ誇らしいことだと思ってます。

脳生理学的に言うとそれって正確には「忘れてる」んじゃなくて「検索に時間がかかってる」ってことなんだって。

小さい頃ってそもそも記憶が少ないから取り出そうと思ったらすぐ取り出せる、でも年齢を重ねるたびに記憶の量が増えるんで取り出すのに時間がかかる、と。つまり「検索」に時間がかかってるわけですね。つーことは物忘れするようになる、ってことは記憶が多い、ってことでむしろ「いよっ!物知り!」って言ってもいいことなんだよね。

問題なのは忘れないようにする努力を怠ること。仕事なんかでメモ取ってなくて忘れた人なんていたら(それが部下だったり後輩だったりしたら)めっちゃ怒るけどね。「なんでメモとんねーのよ!」って。

村上春樹の『ハナレイ・ベイ』(名作です)って短編でもすぐ物を忘れる登場人物が頻繁にメモを取りながら言ってた。

「忘れっぽいってことは問題じゃないんです。忘れることが問題なんです。」

なんで僕もiPod聞きながら「あ、これいつかカラオケで歌いたいなぁ」って曲はたまにメモってる。で、カラオケ行くときなんてたいてい手帳なんて持ってかないんだけど(ひどいね、我ながら)

どんなのがあるかというと、翼の折れたエンジェル、時の面影(鴉)、I'm a man(KUWATA BAND)、Only you(yellowcard)、Downtown train(Tom waits)とかですかね。

ちなみに「30代40代の男性とカラオケに行ったらMy Revolution歌う女性は絶対モテる!」と僕は思ってるんだけどどうすか?

まぁとにかくカラオケで歌いたいと思ってる歌の中でも「ああ、こんどちゃんと歌ってみたいなぁ」と強く思ってるのが「襟裳岬」。岡本いさみ作詞、吉田拓郎作曲、森進一歌の名曲です。

この曲、ちゃんと聴いたのはネット上で見つけた桑田佳祐のカバーVer.なんだけどyoutubeには無かったので吉田拓郎バージョンを。



うーん、これもいいけど桑田ヴァージョンはもっといいのよ、こんど聞かせるわ、つーか俺が真似して歌って聞かせる。

この曲って僕の考える「北海道」を存分に表現している曲のひとつなんです。

---
北の町では
悲しみを暖炉で
燃やし始めてるらしい

訳のわからないことで
悩んでいるうちに
老いぼれてしまうから

黙り通した
年月を拾い集めて
暖めあおう

襟裳の春は 何もない春です

君は2杯目だよね
コーヒーカップに
角砂糖ひとつだったね

捨ててきてしまった
わずらわしさだけを
くるくるかき回して
通り過ぎた夏のにおい
思い出してなつかしいね

襟裳の春は 何もない春です

日々の暮らしは嫌でもやって来るけど
静かに笑ってしまおう
いじけることだけが
生きることだと
飼いならしすぎたので
身構えながら話すなんて
ああ、臆病なんだよね

襟裳の春は 何もない春です
寒い友達が訪ねてきたよ
遠慮はいらないから
暖まって行きなよ
---
ああ、いい歌詞だぁ、、、泣けてくるよ。

まずね、北海道の春、雪解けの時期ってほんとに「悲しみを暖炉で燃やしてる」って感じなんだよね。

冬の間は大変だった、雪も降った、生きていくのもしんどかった、でも雪解けとともに確実に春に来てる、だから悲しみは忘れていこうよ、みたいな。北海道の人って辛くてもしんどくてもただ「静かに笑ってる」って感じがする。

そして「遠慮はいらないから 暖まって行きなよ」、ああ、18で札幌に出てどれほどこんな言葉をかけてもらってありがたかったことか。

北海道って本州から渡ってきた人が多いから外部から来た人間(たとえば僕とかね)に非常に優しい気がするんだよね。もちろん程度の差はあるけどそれでも大部分の人が「いいよいいよ、混じってけばいいしょ」って気質を持ってる気がする。だから遠慮を知らない(すいませんね)僕なんかはお言葉に甘えてご実家で飯を食わせてもらった上に泊まってっちゃったりするわけだけど。

そして最後に、「襟裳の春は 何もない春です」って控えめさがいいじゃないですか。

北海道の人って結構「北海道なんて何もないっしょ」って言ったりする。

本州から来た人に取ってみれば「何を言ってるんですか!食い物も景色もすばらしいものがたっぷりあるじゃないですか!」って思うんだけど。

でも「何も無い」と言いつつその言葉の裏には「でも北海道愛してるけどね」って気持ちがあるような気がする。「何も無い でも愛してる」って気持ちを持ち続けていられるのってすばらしいと思うんだよね。ああ、この人たちは僕が何にも無くても変わらず僕と付き合ってくれそうだなぁ、って思ったりする。

そういう意味で僕はこの歌好きっすねー。

残念ながら襟裳岬には行ったこと無いんだけどね。襟裳岬にドライブに行こうと思ったら羊が丘通で終わっちゃったし。