漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

漂着文庫コレクション/ 6. ドグラ・マグラ

2008年11月26日 | 漂着文庫コレクション

 引越し作業が大詰めを迎えているが、仕事から帰ってから作業なので、思うように進まない。だが、もう明後日には引越しとなる。慌しい。
 慌しいが、通勤時間を使って読書をしている。何を読んでいるかというと、夢野久作の「ドグラ・マグラ」。二十年ぶりくらいの再読である。なんでこのタイミングで、こんなややこしい本を読んでいるのかとも思うが、つい手に取ってしまったのだ。まあ、呼ばれていたんだろう。
 まだ読み終わっていないのだが、やはりこの本は空前絶後で、再読だというのに新鮮さを失わない。空恐ろしいほどの情熱が凝縮されている。愛書家の必読書として認定すべきだ。メタフィクションの完成形の一つがここにある。
 それはそうと、以前この作品が映画化されたとき、主要登場人物の一人である正木教授を桂枝雀が怪演していて、印象的だったのを思い出した。映画の出来は、わかりやすくはなっていたものの、もともと映像化できるような話でもないから、まずまずだったけれども。