漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

「BERLIN」 Lou Reed

2005年10月05日 | 青を摘む
 どうしょうもなく疲れた時、それも体の疲れ以上に神経が疲れた時、聴きたくなる音楽がある。床にべったりと倒れこんで、もう動きたくないなあと思うような疲れ。落ち込んでいるとか、そういうのじゃなくて、ただ体が泥のように感じる、そういう疲れの時。気持ちを、持ってゆく行き場がない。
 そういう時、聴くアルバムがルー・リードの「ベルリン」。十代の時、初めて聴いた時はのけぞった。それほど暗いアルバムだが、じっと聴いていると、だんだんと疲れが癒されるから不思議だ。
 そう、レコードで言えばA面の最後の曲「OH JIM」あたりから、次第にリラックスしてくる。そしてB面。「THE KIDS」の中に挿入されている子供の泣き声で、不思議なカタストロフがやってくる。親を呼ぶ声。ギターのストローク。気が付くと、そろそろ起き上がろうかという気分になる。
 始終聞きたいアルバムではないが、大切な一枚。