漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

工作船展示館

2005年12月22日 | 三浦半島・湘南逍遥

 12月23日から過去へ向かっての更新です。

 みなとみらいから赤レンガへ向かう途中で、僕はよく海を見ながら御昼を食べる。
 お決まりのコースの一つだ。
 途中にあるビブレの一階で何かを買う。ビブレでのお勧めは、入り口近くにあるベーカリーの、角切りベーコンの入った丸いパン。運良く焼きたてだと、特に美味しい。ビールにも、とても合う。
 それから、海の方へ向かう。こちらへは、人もそれほどやってこない。だから貴重な場所で、ゆったりとした気分になる。食事をして、ビールを飲みながら、しばらくは海を見ている。目の前に広がっているのは、どこまでも自然の海岸線の見えない風景。右手にはベイブリッジが見えている。だが、神戸のメリケンパークからの風景をちょっと思い出すせいか、不思議に落ち着いた気分になってくる。
 それから、レンガ館の方へ向かって歩く。途中に、巡視船や、今日などは日本丸なども停泊していたが、そういう場所がある。船が好きな僕は、暫く船を見ている。海上保安庁の敷地である。横浜のデートスポットとして屈指の、赤レンガ倉庫に隣接している。

 ところで、ここには「工作船展示館」というものがある。
 平成13年の12月22日、ちょうど4年ほど前に起きた北朝鮮の工作船の事件で、自爆した船が引き上げられ、展示されている。
  かつて、船の科学館で展示されていたものが、こちらに移され、保管されているようだ。入場は無料なので、気軽に入ることが出来るが、かなり生々しい。実物を目にすると、ちょっと圧倒されるのではないかと思う。この船に乗っていた乗組員は、全て死んでいる。引き上げられた遺留品なども展示されているが、武器などに混じって、金日成のバッジなども展示されている。これを見て、どういう感想を持ったのか、僕にはちょっと上手く表現できない。

釈迦堂切り通し

2005年11月14日 | 三浦半島・湘南逍遥
 
 昨日は、ブログ「三浦半島デジカメ便り」のshuさんと、釈迦堂切り通しへ行ってきました(いや、連れまわしたというべきでしょうか?)。shuさん、ありがとう。お疲れさまでした。
 釈迦堂切り通しは、なかなか分かりにくいところにあって、いつものように迷いながら、なんとか辿り付くことが出来ました。実物を目にすると、なかなかの迫力です。

真鶴の廃墟

2005年09月25日 | 三浦半島・湘南逍遥

 写真は、9月17日に真鶴に行った時、歩いていた途中で見つけた、焼けた廃墟。
 実はその三週間前に来た時は、ここの廃墟はまだ焼けてませんでした。存在感のある廃墟だったので、憶えていたのです。
 誰かが火を点けたのでしょうか?
 それとも、侵入していた人間の、煙草の不始末?
 廃墟は、これがあるから怖いですね。

東京物語

2005年09月24日 | 三浦半島・湘南逍遥
 昨日、小津安二郎監督の「東京物語」を見た。
 名作の誉れ高い映画だが、見るのは初めてだった。実は、小津作品自体、見るのは初めてだった。
 日本映画を見る習慣が、長い間なかった。そのせいで、随分見ていない邦画がある。黒澤作品も、一作も見ていない。だが、ここ数年で面白い邦画が随分と増え、日本の映画を見る機会が多くなったから、昔の映画で名作と言われているものくらい見ておこうと思ったのだ。それに、小津作品を見ようと思った理由はもう一つあって、日経に乗っていた誰かのエッセイで、小津監督が映画のシナリオを書くときは、茅ヶ崎あたりの旅館に缶詰になっていたということを読んだからだ。湘南が好きな監督の名画なら、間違いないだろうと思った。
 実際に見ると、想像していたよりもずっと良い映画だった。全く古臭い感じがしない。特にストーリーに起伏があるわけでもないのに、淡々と、ずっと飽きずに見続けられる。なるほど、名監督と呼ばれるだけはあるなぁと、当然のような感想を持った。

ホワイトバランス

2005年09月18日 | 三浦半島・湘南逍遥
 今日は、黒崎の鼻へ。
 最近は、ここへ来るたびに、何かの撮影をしているところに出くわす。
 映画だかドラマだかの撮影、写真集だかプロモーション映像だかの撮影、等々。
 昨日も、何かの撮影をしていた。
 沢山のスタッフがいたから、商品として売り出されるものだろうが、モデルはどう見ても小学生の女の子。水着で色々なポーズを取っている。
 こういうのは、誰が見るんだろう。

 ちなみに写真は、三戸海岸に沿った道。
 この前、ラジオで「ホワイトバランスを調節すると、映画、例えば北野ブルーのような、雰囲気の映像が撮れる」というようなことを言っているのを耳にして、それはビデオの話だったのだけれど、当然カメラでも同じだろうと、一枚試しに近くの白い壁からホワイトバランスを採って、撮影してみた。確かにちょっとそんな雰囲気。リサイズ以外、加工していません。でも、こういうのなら、後から加工してもいいのかもしれない。

真鶴再訪

2005年09月17日 | 三浦半島・湘南逍遥

 真鶴を再訪した。
 電車で行くにはやたらと遠いのだが、懲りずに。
 やはり、あの海の中の豊かな様子が、目に浮かんで仕方なかったからだ。

 かつては、スキューバをやっていたのだが、結構お金もかかるし、手間も掛かるというので、だんだんとやらなくなった。かわりに、といってはなんだけれど、スキンダイビングが楽しくなった。気軽に、どこででもできるのがいい。それで、近場の海に出かける癖が出来たのだ。

 真鶴は、伊豆に勝るとまではさすがに言えないまでも、相当楽しめる場所だ。ソフトコーラルは結構あるし、三浦半島のような海藻の海ではないから、色々と観察もしやすい。海の深さもあるので、スキンダイビングの練習場としても使われているようだ。透明度がよいので、なるほど、うってつけだろう。

 はじめの写真は、三ツ石から真鶴半島をみたところ。この森が、「魚つき保安林」と呼ばれる原生林だ。なんでも、この森が豊かな海を育てているという。ただし、その因果関係はよくわかっていないらしい。
 次の写真が、ひっそりとした、隠れ家のような小さな浜から撮った写真。
 真鶴の海岸の特徴は、ともかくゴロタの浜であるということ。番場浦の海岸は、特に、そのゴロタの石が丸いので驚く。殆どが、ピンポン玉のような球体なのだ。これは、なかなか珍しいのではないか。
 それに、全体に漂着物が多いということ。写真の浜は、特に多い。とても小さな浜なのに、流木がこれだけ流れ着くというのは、潮の流れのせいだろう。一部ではビーチコーミングのメッカとしても捉えられているというが、それもわかる気がする。
 こうしたことを、もう少し調べてみても面白そうだ。

ツィゴイネルワイゼン

2005年09月06日 | 三浦半島・湘南逍遥
 アメリカで「カトリーヌ」の猛威が吹き荒れ、大変だと思っていたら、強烈な勢力を持つ台風14号が日本に上陸した。被害は絶大のようだ。
  
 今日は仕事が休みだったのだが、そんなわけで特に出かけることもなく、DVDを見ていた。タイトルは、鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」。いうまでもなく、内田百の「サラサーテの盤」をはじめとした小品を着想とした、伝説のカルト映画である。
 実は、初めて見た。これまで、鈴木清順監督の映画は、なんとなく「情念と耽美の世界にどっぷりだろうな」と思っていたので、避けていたのである。いろんな人から勧められたことがあるが、面倒くさがって、見なかった。
 今回見ようと思ったのは、この映画の中で、先日行きそびれた鎌倉の「釈迦堂切り通し」が、たびたび出てくるということを知ったからである。行きそびれた悔しさから、見たというわけだ。
 映画のストーリーは、つまるところ、なんとでも解釈できるというタイプの作品だが、そうした映画の中ではかなり良く出来ていて、最後まで飽きずに見ることが出来た(こうした作品は、最後まで飽きずに見ることができるかどうかが、作品の価値を決めると思う)。十代の頃に見ていたら、結構衝撃を受けたかもしれない。現実と幻想の境界が不安定な、内田百の作品世界を、よくここまで映像化できたなと思う。見終わった後でも、一体どこからどこまでが現実なのか、しばらく考えてしまった。最後だけが彼岸なのか、途中のトンネルの中のシーンからか、それともそもそも、ドグラ・マグラ的に、冒頭で溺死した女の股から蟹が出てきたシーン以降のすべて彼岸だったのか、などと。ロケ地は湘南・三浦が主で、冒頭では剱埼の灯台らしきものも見えたし、そういった意味でも、なかなか面白い映画だった。

北条高時切腹やぐら

2005年09月05日 | 三浦半島・湘南逍遥

 日曜日、鎌倉幕府最後の執権、北条高時が最後を迎えたという場所に行った。
 本当は、釈迦堂切り通しに行くつもりだったのだが、妻がちょっと寄ってみたいというので、僕も興味があったし、そのついでに寄ったのだ。
 途中、滑川を通りかかったとき、橋の上からビーチサンダルを落とした幼稚園くらいの子のために、わざわざ下の川まで降りて、スニーカーのまま川に入ってサンダルを取ってきてあげていた男の子を見た。写真が、そのときの様子。
 こういう情景は、見ていて、どこか懐かしいような、とてもいい気分になる。

 さて、その切腹やぐらだが、まさにどんずまりの、陰気な場所だった。史実では、ここで高時をはじめとして、約800人が自害したという。暗愚な執権として名高い北条高時だが、やはり哀れだ。鎌倉幕府は、この場所でその歴史に幕を閉じたのだ。
 さて、その切腹やぐらの裏手は祇園山のハイキングコースとなっている。よく知らないまま、何気なく歩き始めたのだが、これが結構大変なコースだった。尾根を延々と歩くだけで、特に歩くのに苦労するコースというわけではないのだが、延々と長いのには参った。僕は、すぐに向こうへ出られると思っていたのだ。おかげで、目的としていた釈迦堂切り通しからはどんどんと離れ、結局時間切れで行けずじまいになってしまった。
 その後は、鎌倉から離れて江ノ島方面へ。台風の近づく、サーフィン日よりの海。海にはサーファーが多い。僕も、しばし高波と戯れた。こうした海も、怖いのだが、やはり美しい。

真鶴半島 2

2005年08月29日 | 三浦半島・湘南逍遥
 
真鶴の地質は、海底が隆起して出来た三浦半島の地層とは違って、火山の噴火による溶岩が主であるようだ。三ツ石付近の、特に相模湾方面を見ると、特にそれがよくわかる。ごつごつとした溶岩質の岩盤が、海に吸い込まれてゆく様は、ダイナミックだ。写真を撮るセンスがないので、適当に撮影した中から一枚載せてみたが、なんとなくでもわかるだろうか。多分、この辺りでダイビングをしたら、海底でもっと面白い地形が見れるだろうと思う。
 相模湾を挟んで、片方は深い深海から隆起して出来たもので、片方は箱根火山の噴火によって流れ出た溶岩が海へ向かって出来たものというのは、戦国時代の三浦氏と北条氏を思い起こさせる部分があったりして、面白い気がする。そういえば、多分日本史で最も有能な政治家の一人であっただろう源頼朝は、真鶴にもゆかりがあった。考えていると、湘南・三浦は、興味がつきない。ちなみに、相模湾は小さな湾であるが、一番深いところでは1000メートル以上になる。
 ところで、三ツ石付近の海底には、どう考えてもどこかから崩れて沈んだとしか思えない大きな岩がごろごろしているのだが、これは第二次大戦中、この岩を爆撃訓練に使っていたらしいということと、何か関係があるのだろうか?

真鶴半島

2005年08月28日 | 三浦半島・湘南逍遥

 真鶴半島へ行って来た。
 相模湾を抱く西の腕なので、以前から気になっていたのだが、行くのは初めてだった。
 真鶴駅から、延々と4㎞歩いて、真鶴岬の先端へ。途中、「魚つき保安林」という原生林の中を歩くコースがあるものの、道中は大半が車道の脇を歩くだけで、退屈。
 半島の先端、三ツ石は、さすがにちょっといい眺めだったが、辺りは人が多く、しかもゴロタの海岸。癒される場所といった雰囲気ではなかった。番場浦海岸も同様。
 ただ、水の中に入ると、印象は一転。「しばらくゆくと突然深くなる」どころか、はじめから岬の周りはいきなり深いのだが、魚影が本当に濃い。種類も多い。三浦半島では、どこでもこんなに魚影が濃い場所はなかったから、嬉しくなって、随分長くスキンダイビングを楽しんだ。この深さも、潜りがいがあって、楽しい。
 というわけで、陸上はあまりよい印象はなかったけれど、水中はかなり好印象でした。