さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

弟さん試練の一戦/生中継で見たかった/乱戦/ディナミタ死す/確かな話が何もない

2015-06-28 05:00:16 | 話題あれこれ



井上拓真、公開練習。7月6日、OPBF決定戦に向けてのもの。

実はこの試合、こっそりホールにお邪魔します。
井上拓真は、お兄さんがあんなだから目立たない、というのと、今まで大興行の前座にしか出てないので
もうひとつ馴染みが薄いという面があるんですが、キャリア4戦の選手としては、相当強い部類です。
普通に将来が楽しみな存在です。

ですが、それだけで平日弾丸観戦ツアーを強行するわけではありません。
いっちゃなんですが近年のOPBFスーパーフライ級王座の変遷を辿ると、見ちゃおれん、という感じです。
まさに日本人王者が世界ランクをほどほどに上げるための道具扱い。
返上と空位決定戦が繰り返され、日本上位同士のカードはほぼ皆無(赤穂vs戸部くらい)。
で、たまに強いフィリピン人が王座に就くと、誰も挑戦しない。これぞOPBF!という流れです。

その流れの上に、井上拓真も乗っかるのか、と思ったんですが、相手の名前を見て刮目しました。
マーク・アンソニー・ヘラルド。大阪で向井寛史を倒した試合映像を見る限り、かなりの強敵です。
前も少し書きましたが、いったん好機を掴むと、相手のガードを動かすための捨てパンチを打っておいて、
その後に空いたところをしっかり狙って、という繰り返しを、冷静に、的確にやれる選手です。
いわば「人を倒し慣れている」選手である、とでも言いましょうか。

もちろん、距離を取られて強打を封じられれば、詰めの鋭さも発揮は出来ないわけですが、
果たしてこの相手に、僅か5戦目の井上拓真が、思い通りの展開をフルラウンド維持出来るかどうか。
この試合は彼にとり、非常に厳しい試練の一戦となるかもしれない、と見ます。
そして、この試合を見事乗り切れば、大きな飛躍の一戦となることもまた、確かに思えます。

これは見る価値あり、な一戦と思い、会場に足を運びます。
この夏は他にもあれこれ「これは見とかな」な試合が散見されますが、その最初はこの試合で決まり、ということで(^^)


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内藤律樹vs荒川仁人、遅ればせながら映像を見ました。

荒川仁人のような選手が、下の階級から上がって来た若い選手に敗れるというのは、日本のこの辺のクラスも
昔と比べるとずいぶんレベルが上がったんだなぁ、という、嬉しい実感を持てた試合でした。

エストラーダ、フィゲロア、リナレス、そしてライバル加藤に敗れ、ここのところ負けが続いてはいる荒川ですが、
これら世界クラスや日本上位相手に、変な試合はひとつもなく、どれも堂々たる内容ばかり。
強敵相手に打たれる頻度が高くなり、効率の良い「回り」の展開が作れない試合で、強打を持たない弱みに苦しんではいますが、
世界のトップとはいかずとも、それに次ぐクラスにいることは間違いない選手です。

しかし内藤律樹は、その荒川相手に持ち味の巧さのみならず、その先にある明確な勝利を目指して、
力強さも見せつけようという風に見えました。
それが荒川の粘りを引き出すことに繋がったのかもしれませんが、それさえも織り込んだ上で...というような。

双方、最後まで全力を出し切った、期待通りの好ファイトだったと思います。
これ、CSフジの生中継で見たかったですね。あの番組終了は、返す返すも残念です。
セミも凄い試合だった(ハイライトのみ放送されてました)ようですし、何とか番組復活してくれないですかね。


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東洋のフライ級頂上決戦、という感じのカードかとみていたんですが、何だか乱戦模様だったそうで。

地元だったら何でもアリ、みたいな感じが出たんでしょうかね。
巧い選手ではありますが、手放しで評価は出来ない選手だ、と思ってましたが、
強敵相手に闘い続けるものの、肝心の試合が無茶苦茶、というのでは、どうにもいただけませんね。


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ファン・ホセ・エストラーダが非業の死を遂げたとのこと。

この人、六車卓也戦の展望記事なんか読むと、一流とは言えない、攻略も充分可能、みたいな書き方だったんですが、
実際に試合が始まったら、えらく見栄えの良い上下の打ち分けで、序盤、六車を寄せ付けませんでした。
専門誌の展望記事なんて、真に受ける方が阿呆やと言われればそれまでですが、うわーこれはかなわん、と。
そこへ来て、4回には右を被せられてあの六車が簡単にダウン。一方的な展開に愕然となった記憶があります。

だから中盤以降、打たれ続けながらもボディへの好打を重ね、エストラーダを再三怯ませた六車の奮闘は、
これまた、信じがたいものに映りました。残念ながら完全に捉えて打ち込めていたわけではなく、
エストラーダが足を使い、クリンチをし、と巧みに凌いだあとの11回、また右を食って六車ダウン。
ダメージと疲れでさすがに限界を超えていた六車、立ったが再開後すぐにタオルが入りました。

技術的に優れた試合とは言えなかったですが、見る者の心を震わせる、極限の「闘い」でした。
六車卓也のラストファイトに相応しい一戦として、今も鮮烈な記憶が残っています。


六車卓也「さん」は、時折関西の試合会場で姿をお見かけします。
あの壮絶な闘いぶりからは信じられないような「険」の無さで、人当たりの良さそうな雰囲気の紳士です。

その彼を破った男は、まあいかにもありがちな、というと悪いですが、転落への道を辿っていたようです。
なんだか複雑な気持ちですが、凄い試合を見せてくれた、かつての戦士の冥福を祈りたいと思います。


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空港でマスコミの取材に応じたそうです。

WBA第二王者との再戦決定。しかし日時と場所は未定。
一流のトレーナー就任。しかし誰かは不明。

これで取材に応じる、ったって、取材する側も困りませんかね。
それとも、亀田の取材っていつもこんなもんや、というプロの割り切りで対処されているんでしょうか。


なんか、久々にちょっとだけ面白かったので、オチに使わせていただきました。
これからも、たまに笑わせてくれたら、取り上げてみたいと思っております。
影ながら応援はしませんが、健闘を祈る次第であります、ハイ。



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6 コメント

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Unknown (KK)
2015-06-28 10:52:33
はじめまして。六車戦を鮮明に記憶している者としては先日のエストラーダ死去の報道は本当に残念に思いました。さうぽんさんの仰るとうり戦前の専門誌の予想とは裏腹に開始早々から切れ味十分なパンチをビシビシ連発して六車を圧倒した姿を思い出します。
逆に六車選手、このエストラーダ戦も持ち前のタフネス・スタミナを十分に発揮し一時はあわやというとこまで追い込みましたよね。朴戦・バスケス戦・このエストラーダ戦、すべて勝てませんでしたがどの試合も全力を出し切り、見せ場を作る本当のプロの姿を見せてくれた個人的にはもっと評価されるべき選手だと思います。
エストラーダ戦が88年・・・時が経つのは早いもんです。長々と感傷に浸ってすいませんでした。
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Unknown (R35ファン)
2015-06-28 21:10:53
たくま君の相手は二年前に大阪で生観戦しました。名城さんの相手も鈴木哲也さんのも世界ランカーでしたが正直このフィリピンの方は格が違いました。スピード、キレ、威圧感、向井さん大丈夫かと思ったらあっさりやられました。よくこの相手を選んだものです。安い決定戦ではないので是非中継見たいです。これこそCSフジ、いや地上波でも良いですが。その見たかった荒川さんとの試合、内藤君も立派に過程踏んでますね。技術とスピードは世界でも恥ずかしくないと思いますが力強さや一つ倒せる武器が欲しいかなと。

アムナは実力ありますがあの締め技投げ技でのごまかしは見苦しいですよね。タイ以外でやればこれまでの三人のフィリピン人の誰かに間違いなく倒されていたでしょうに。その中の一人、フエンテスにしても1ヶ月での調整でしたし。そのフエンテスをボコボコにしたロマゴンは次はビロリアですからこのアムナや井岡とは格が違いますね。

あの三兄弟は結局ボクシングで銭取れる力がないからこうやって常にアドバルーン打ち上げ続けないと駄目なんでしょうね。その努力(あがきぶり)だけは誉めま…せん(笑)。マクドネルにしても本当にイギリス内でハスキンスより序列上なんでしょうか。この二人の戦いをメイの前座する噂には驚きです。ただこの再戦を前座にしたらさすがのメイのワクワクのない試合でもかなり楽しめるから、だったりして。

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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2015-06-29 06:59:52
>KKさん

あの試合は、見た者誰にとっても忘れがたい一戦だったと思いますね。これぞ六車卓也というか。あの試合の動画を、以前Youtubeにアップしたことがありましたが、海外から「メキシコと日本、永遠のライバル同士の偉大な試合だ」というようなコメントが来て、驚くやら嬉しいやらでした。残念ながらしばらくしたらチェックが入って消されてしまいましたが。時がどれだけ流れても、ああいう選手、ああいう試合の記憶は鮮明なままですね。

>R35ファンさん

向井寛史の相手選びは過剰なほど厳しいですね。今度の大森戦も同じくですが、健闘を祈る気持ちです。
大橋会長はお兄さんのみならず、弟さんの実力にも相当自身を持っているんでしょうね。そうでないとこの相手、選べないでしょう。ヘラルドの動画は探してもネット上には見当たらず、直近のマックジョー・アローヨ戦の映像も見られませんが、強豪相手に判定まで闘った事実だけでも、やはり手強そうと思いますね。
アムナットはなんか相当無茶苦茶をやったそうですね。カシメロと闘ったのは良いとしても、内容がそんなでは...。ロマゴンは次、ビロリアなんですか?アメリカのTV向けカードがこれから続きそうですね。
今回の空港での取材対応なんか、かまってほしくて必死やね、みたいな感じで微笑ましかったですけどね(笑)
ボクシングは試合数の少ない競技なので、報じられる頻度が低いから、こういう内実が薄い話題でも記事になることがありはしますが、それにしたってねぇ、という。
今度の再戦については、味の薄いスイカを食う前に舐める塩、ということですね。なるほど、納得です(笑)


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お久しぶりです (よっぴー)
2015-07-01 14:10:19
さうぽんさん、こんにちは、以前井上尚弥選手のライトフライ級タイトルマッチで投稿したものです。
手の怪我の完治情報は何かありますか?
色々ネット検索していると、拓真が今回勝てば年末、拓真のタイトルマッチと尚弥の試合をやりそうな雰囲気があります。どうなのでしょうか?
自分は北海道から試合観戦のため、そう簡単には行けないので、対ロマゴンに絞ってお金ためてますが、ロマゴン戦が来年以降になるのが確実なので、年末、尚弥がやるなら観戦したいと思ってます。
さうぽんさんの予想教えて下さい。すいません。いつも
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2015-07-01 21:26:28
>よっぴーさん

どうもお久しぶりです。井上尚弥の拳の状態については、公にはまったく報じられていませんね。それこそ、どこが悪いのか、折れているのか否か、手術の有無は?実際、何も情報が無いので(噂レベルではちょこちょこ聞きますが、不確かなので)何も言いようがなく、想像するしかありません。
再起戦については、試合契約の締結、正式発表から試合までの期間が二~三ヶ月、と考えれば、一番早くても9月以降となりますが、おそらく年末までは無いのでは、というのが、噂話を勘案した私の想像です。年末の大きなイベントで、暫定王者との一戦をやるか、或いは再起戦なので一度、下位から選ぶか。
でもこれも、今となっては最も良い部類の想像なのかもしれません。悪い想像をすれば、さらに先に伸びて、最悪、タイトル返上ないしは事実上の返上「休養」王者扱いとなる可能性も排除出来ませんね。そんなことになってもらいたくないんですが...。
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ありがとうございます。 (よっぴー)
2015-07-02 09:16:51
さうぽんさん、ありがとうございます。
拓真の試合の評価楽しみにしてますね。
北海道はテレビ放送もないんですよー。残念。
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