土曜日府立地下のメイン、日本スーパーバンタム級タイトルマッチは、戴冠戦と初防衛を東京で闘った下町俊貴が、1位のデカナルド闘凜生を5回TKOで下し、二度目の防衛となりました。
両者共、立ち上がりから好調そう。動きに切れがある。初回は互いに探り合いか。右ジャブのぶん、やや下町?
2回、デカナルドは振りの小さい右ショート。大振りにならず、最短距離のパンチを狙う。下町左のガードが良い。
デカナルド、仕掛けて左フック、良いところに届いたかと見えたが、下町すぐワンツーストレートを決める。互いに好打。
3回、デカナルド、左リードジャブ。ワンツーは下町、距離で外す。下町のボディ攻撃、遠目から。
デカナルド、外してから入ってショートで連打。しかし下町、距離が詰まってもガードが良い。
4回、下町ワンツー、左ボディアッパー。少し効いたか。デカナルド懸命に返す。連打は4発、5発と続く。
普通の相手なら効果的なコンビだが、下町ガードが締まっている。下町また遠目から左ボディアッパー。同じパンチを上にも。
デカナルド、力感はあるが大振りはない、良い攻め口を見せている。
しかし下町、ガード堅く、ボディブローで食い止め、右ジャブで遠ざける、という流れを譲らない。
中盤以降、回を重ねる毎にデカナルドは苦しくなっていきそう...と思っていた5回、一気に決着しました。
サウスポーの前に出た右脇腹、レバーを打ちに来たデカナルドに、下町、インサイドから小太刀のような右アッパー。
レバー狙いの相手に、前の手で打てる対抗策、というパンチだが、見事に決まってデカナルド、ダウン。
立ったがダメージ残るデカナルドに下町追撃。畳みかけつつ、よく見てもいて、反撃を外して右フック、こめかみに。二度目のダウン。
なおも立ったデカナルドに、左ボディ、右フック、左ストレート。反撃の左右を振りながら前に崩れるデカナルドを、レフェリーが救って、TKOとなりました。
下町俊貴の、心技体の充実をほぼ全て見られた、という試合内容でした。
日本チャンピオンとして、誰の目にも納得感のある巧さ、強さを見せた、と言って良いでしょう。
ボクサーというもの、前の手で打つパンチで相手を倒すというのは、ひとつの理想ではありましょう。
それを長身、しかもサウスポーがやれることの強みというのが、存分に見られた試合でもありました。
下町俊貴、新人王決勝戦でも前の手の威力を見せて勝ち、見事ノーマークからMVPに駆け上がった痛快がありましたが、さらに着実に強くなり、日本タイトルのレベルでも、その強みにますます磨きをかけています。
ただ、このクラスの世界というと、あのお方ですから、なかなか言えないところではあります。
とはいえ、あのお方の今後も考えれば、しばし先に、その次を伺う、ということは充分出来るでしょう。
それも踏まえてのフェニックスバトル出場だったのか、と考えれば、グリーンツダジム本石会長の舵取りは、極めて適切なものだと、傍目には見えますね。
あとは、その時までのキャリア構築です。国内にはWBAランクに入っている村田昴や、大橋ジムの強打、OPBF王者中嶋一輝がいます。
リングサイドには当然、大橋会長がいましたが、下町の闘いぶりをどう見たものか。中嶋で勝てると見たか否か...誰か、突っ込んで訊きに行ってくれませんか(笑)。
中嶋は奈良出身ですんで、大阪で興行してもお客さん来ると思いますし、また府立でやってもらってもいいかもですね。と、勝手なことを言う(笑)。
まあ、真面目な話、下町のライバルと言えば石井渡士也ですね。
前回の試合は、互いにある程度まで相手を攻略し、攻略された末に「お互い様」という感じのドローでしたが、やっぱり決着戦を見たいです。
そりゃ、あの9回は下町のTKOだろう、と言いたい気持ちもありますが、まあ、試合として凄く良かったんで、そこは抑えまして...(笑)。
グリーンツダは選手を型にはめない、個性を伸ばすタイプのジムなのでしょうかね。下町のフォームはトレーナーによっては修正しそうですが、不思議と身体のバランス取れてますよね。それが独特の味になっていて、見ていて非常に楽しく、また見たくなります。ただ世界レベルとなると、やはり所々危なっかしく見え、隙は結構ありますね。
今後ですが、大橋会長は中嶋にチャンスを与えてはいてもプロテクトしている感じはないので、ここはある? Lemino としても好カードは欲しいですし。ドヘニーとの統一戦やその後のラミドなどもありますかね。ちょっと怖いですが、見てみたいです。石井との再戦はどうなのでしょうね。スコア上はドローですが、石井にとってベストを出した上で届かなかった、という試合なので。ある意味決着はついているのかなぁと。
ツダの会長が話してるのを初めて見ましたが、何とも純粋そうな方ですね。この会長のもとで、ジムから世界王者が出ることを願います。
デカナルドくん、解説お二人が言っていた通りサウスポー相手も苦にしない良い戦いぶり。右がまっすぐ、スピード感あり伸びる。良いできでした。
ただこの日のサウスポーはそれでも勝てない強さだったという事。長身でワンツーは伸びるし、ボディも普通出ないところから出てくる。そして懐入られて嫌な顔しない。ガード固いと、相手が嫌な条件揃い踏みでしたね。
さらに、舞い上がってミスる性格でもない。
今回はさらにあの右アッパー。石井くんに実際KO勝ちの契機となった返しの右フックも上手いですが、またすごい武器を見せましたね。詰めも見事。
ただこれだけ素晴らしい試合したなら少しくらいはデカい事言っても良いのに試合後はいきなりベルト修理出してとか…笑わせてくれましたね。
小國さんにかつて言っていた、強く見えないけど強い。
彼もそうでした。
デカナルドは堅実なファイターですね。仰る通り、もっとラフに詰めてくるくらいの方が、下町からすると嫌だったかもですが、自分の型を崩して出ても、得るものと失うものがあり、デカナルドはあの闘い方を採ったのでしょう。
下町は相手を見て余裕を持てるので、判断が早く適切ですね。上のレベルでもあの感じで行けるなら凄いですが、そこはまだ見えていない部分かもしれません。グリーンツダの指導体制は、会長自身が元々ボクシング畑の人ではないぶん、柔軟に人材の登用が出来ているのかもしれませんね。
下町の今後がLemino路線なら、仰るような顔ぶれの誰かと闘うことになるのでしょうかね。中嶋に関してはある意味窮地にあるので、もう保護してどうという段階ではないでしょうね。だから下町と組む、となるかどうか、ですが...。
石井戦は個人的に好きな試合でしたが、石井側の受け止め方は重いものかもしれません。
>R45ファンさん
大阪の興行でもLeminoがやってくれる、U-NEXTにおける真正ジム興行と同じ形で、関西のボクサーにしたら嬉しいことですね。今回の府立は、久々にというか、関西リングが盛況だった時代の雰囲気が戻ってきた感じがしました。
デカナルドは自分の型で、やれることはしっかりやっていた印象です。しかし結果は厳しかったですね。
長身のサウスポーが前の手、右のパンチに威力を秘め、狙いも鋭いとなれば、相手からしてこれほど嫌なことはないでしょうね。相手のボディ攻撃と同時に、インサイドから打てるんですからなおさらです。詰めの正確さにも驚きました。この辺は試合ごとに伸びていますね。
インタビューは、声が出るようになったなあと(笑)何を言っているのかが、ちゃんとわかりましたからね。強く見えないというのはなかなかきつい(笑)。まあ見えませんが...(笑)。