さて今日はなんといってもLeminoフェニックスバトルです。
亀海喜寛解説とのこと。楽しみですね。
明日、こちらの興行で解説担当いたします!レミノの #亀海解説 をお見逃しなく!#Lemino #LeminoBoxing #PhoenixBattle #フェニックスバトル #PXB#ボクシング解説 #ボクシング解説者 https://t.co/Cm3ANnlqQc
— 亀海 喜寛-"Corazón De Acero"Yoshihiro Kamegai (@TeikenKamegai) February 21, 2024
ですが、それより先に土曜日の試合も簡単に触れとかないと、ということで、昨日の続きです。
中谷潤人はバンタム級転向、即WBC王座挑戦となりました。
相手はアレハンドロ・サンティアゴ。戴冠試合がノニト・ドネア戦で、WOWOWで生中継があり、しげしげとその闘いぶりを見たばかりです。
小柄ながらタフで、連打が淀みなく出て、スピードもあり、ドネア戦はクリアな勝利と言って良いものでした。
ただ、見た限りではドネアの不調(衰えかどうかは置くとして)も感じましたし、そのドネアに左フックを好打されてもいる。
余裕のある勝利ではなく、スーパーなチャンピオンかというと、現時点では違う、とも見えました。
もちろん、ドネア相手に楽に勝った選手など誰も居ませんから、それをマイナスに見ることはないですが、タイプ的にも中谷にとって、相性が良い部類かと思います。
それこそジャブで探っておいて、来たらアッパーでお迎え、というパターンが目に浮かぶところ。
また、ドネア戦を見る限り、小柄なメキシカンだが、奇異なほどボディブローが少ない。珍しいなあ、と思いながら見ていました。
もっとも、長身サウスポーの中谷とやれば、全然違ってくる可能性は大いにあるでしょうが...。
基本的に中谷が有利と見ますが、サンディアゴが伊達にドネアに勝ち、WBCチャンピオンになったわけではない、その所以が見られるようであれば、中谷にとって苦戦、激戦という展開もあり得ます。
しかし考えたらフライ、スーパーフライと来てバンタム級、三階級目の挑戦でありながら、普通に有利の予想が出るのを見てもわかるように、中谷潤人への評価は高まる一方です。
普通なら苦戦の末、それでも戴冠すれば殊勲の星、拍手喝采、万歳三唱となるところ。
それが中谷に関しては、それ以上の期待がすでにかけられて「しまって」います。
それは「ネクストモンスター」というキャッチフレーズに象徴されるとおり、井上尚弥の後続と目されているから、なのでしょう。
確かに、過去の試合でほとんど、粗らしい粗を見せておらず、先のアルジ・コルテス戦での被弾も、減量苦故の防御動作漏れ落ち、と見るべきでしょう。
今回、バンタム級でコンディションに余裕が生まれれば、あのような「ついうっかり」は、おそらく無いと思います。
ただし、中谷とて完全無欠のマシーンではありません。防御のセンスに関して言えば、世界レベルでは天才的とまでは言えないように思います。
それを自らの体格、長身とリーチをしっかり生かして補い、その上で、それに頼り切らない防御を構成しようとしている。
この部分では、中谷は天才ではなくて秀才の道を極めたボクサーと言えるでしょう。
そして、アレハンドロ・サンティアゴの手数とスピード、体力、衰えることなく闘い抜く闘志、モラルの高さが、中谷を脅かすことは、改めて、充分ありそうに思えます。
しかし、そうなったとて、最終的には中谷が勝っているだろう、とも思うわけ、ですが。
ただ、それだけでは満足してもらえないというか、転級初戦でいきなりバンタム級王座に挑むという試合でありながら、ある程度まで鮮やかな印象を残さないと、不足を言われてしまう、苦戦と言われてしまうのが、今の中谷潤人の立ち位置です。
中谷潤人は、その辺りを見ると、井上尚弥と同じ土俵に、すでにして立っているのかもしれません。
その現実の前に、中谷潤人がどう対峙し、どのような「回答」を出すのか。今回の試合は、そういう目線で見られる試合です。
辛い話だと思いますが、それを何ごともなく乗り越え、最高の答えを出すのが、スーパーチャンプの仕事であり、宿命でもあるのでしょう。
そう、井上尚弥のように。
私としては、日本のボクサーがそういう次元に到達したことを喜ぶ反面、「世界バンタム級王座」「世界三階級制覇」が、ファイティング原田以降、日本ボクシング界にとって高嶺の花であり、未踏の偉業だった頃が、何か懐かしくも思います。
例えば六車卓也が、日本人二人目の世界バンタム級王者になった時の喜びは、本当に大きなものでした。
今、あれと同じものを見て、同じように感激するかというと、良くも悪くも...まあ、何も改めて言うたり書いたりすることではない、ですかね。
田中恒成はクリスチャン・バカセグアという選手と、4冠制覇を懸けて闘います。
中谷返上の王座獲得を目指すわけですが、正直、相手のこともよくわかりませんし、評判も芳しいものではありません。
しかし、再起後も石田匠や橋詰将義、南アのランカーなど、いい加減な相手は一人も居ない再起路線の延長線上と見れば、WBO上位ランカー対決として、見どころのある試合だと思います。
そして何より、中部地域の枠から、また飛び出しての闘い、しかもAmazonPrime配信の興行で、その才能を改めて見せることは、彼の未来を切り拓くにあたり、大事なことだと思います。
その今後についてどういうものになるかは、まだ不明ですが、Amazonのプレビュー番組を見ると、やはり井岡一翔への雪辱について語っていますね。
私は、あんな何かと疑わしい相手に敗れたことを、いまだにまともな話として語り、雪辱を目指すコメントをせねばならないことには、他人事ながら気の毒に...というか、腹が立って仕方がないですが。
それに、そもそも受けてもくれないでしょうし。
それはともかく、田中恒成には、王者不活発のモデルケースみたいな115ポンド級のみならず、フライ級から上げてくるであろう強豪たちとの闘いを目指し、そのための舞台として、引き続きAmazonPrime興行に出続けてほしいものです。
それが田中恒成の今後として、相応しい道行きであろうと。
とかいって、土曜日に勝てなかったら大変ですが。予想は有利、楽勝では、なんて声もありますが、相手がよくわからんので、何ともです。
まして、過去試合の映像でどう見えたとて、何しろタイトルマッチの大舞台、数割増しで頑張るとか、そもそも実はえらく強かったとか、あり得ないことでもないでしょうしね。
そこはしっかり引き締めて、田中恒成の現状ベストと言える試合を見せてほしい、と思います。