さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

続行自体に疑問あり、7回のラッシュで明暗 出田裕一、負傷判定で防衛

2024-02-14 05:59:06 | 関東ボクシング


昨日はFODプレミアムのダイヤモンドグローブ興行を見ておりました。
メインはちょっと問題あり、とも言える試合でした。簡単に感想。


日本スーパーウェルター級タイトルマッチ、出田裕一vs小林柾貴は、内容的にはある程度予想どおり。
出田はスピードは感じないが執拗に出る。
小林は右アッパーの好打を決めるが、出田を一打で仕留めるに至らず、反撃を受け、押されて揉み合いで疲労し、という流れ。

どの試合でもある程度は目に付くが、今回は出田のバッティングがいつも以上に頻発。
レフェリーも早々から注意していたが収まらず、小林の右目が腫れ上がっていく。
この辺、普段からこういう場合に厳しい裁定をしていない、日本ボクシング界のスタンダードが災いして、なかなか歯止めがかけられない。
これだけ目に見えて頭から行って、注意しても改まらなければ減点すればいいものを、と思うが、そうならない。

一進一退だが小林リードだろう、と思った5回終了の途中採点は3対2で割れて、小林リード。
しかし実際、あってないような僅差でしかない。これを聞いた出田は6回、打って出る。
そして7回開始前にドクターチェック小林の負傷について、バッティングによる、とアナウンス。
小林の右目は塞がっているように画面では見えたが、続行。

ということはまだ、少しはやれる余地があるのか、と思ったら、ほとんど見えていないようで、出田が小林を簡単に押し込んで、ロープ際で連打、というかラッシュ。
その後、ドクターチェックが入り、レフェリーが続行不可能と判断、ということで打ち切られ、負傷判定は2-1で出田。
結果的に、何故続行したのかわからない7回のポイント獲得が、出田を救った格好でした。


※ドクターチェックのタイミングについて、誤記していました。
負傷原因のアナウンスと混同しておりましたので、訂正しました。


出田のバッティングに対し減点がない上、7回続行という判断で、出田にポイント挽回の機会を与えた、とも言える試合運営には、非常に疑問を感じます。
もうちょっと、目の前で起こっていることに対し、公正に厳密に裁定する、という態度でもって、試合を運ぼうという意志を見せてもらいたいです。
本当に、こんなことばかりやっていると、ただでさえ盛況とは言えない日頃の試合の客入りが、ますます寂しいものになっていくことでしょう。

今回も、この内容と展開、そして結果に対して、小林柾貴の応援を通じてボクシングを見た立場の観客が、どのような感想を持つものか。
おそらくこの試合を入口に、またボクシングを見てみよう、とは思わないでしょうね。




セミファイナルの度会美響は、メイウェザースタイルというのか、子供の頃から本腰入れて取り組んでいるというスタイルが、プロのリングでも違和感なく見られるようになってきた、という印象。
相手は比国1位で、リーチもあって長身でしたが、距離を苦にするということもなく、快勝でした。
今回、米国で長期合宿というか、練習してきたらしく、トム・ハウスにも指導を受けたそうですが、そういう練習を重ね、なんなら試合も経験するなど、本場での研鑽を積んでいくなかで、よりブラッシュアップを図れれば、さらに面白い存在になるでしょう。
日本でだけやっていたら、どうしても異端のスタイルだけに、それに反撥を示すことが目的になってしまうかもしれません。
しかし、要は世界を目指す上で強敵に勝つために、どう闘うかという話なんですから、より広い視野をもって、その中でベストなスタイルを完成させればいい、と思います。


コメント (2)
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