さて、木曜日と土曜日に、要注目の大イベントが相次ぐファイトウィークがやってきました。
以前だったら、大まじめに三泊四日の旅程で、どちらも上京して観戦したる~、と息巻いていたところですが(笑)、今は家に居ながらにしてライブ配信で全カード見られるという、有り難い時代になりました。
まあ、いつまでも家でゴロゴロしながら見る、というばかりではいかんので、そのうち頑張ろうと思ってはいるのですが...。
そんなことで木曜日のLeminoフェニックスバトルですが、メインカードは井上浩樹vs永田大士の再戦。
コロナ渦のさなかに行われた一戦目は、井上浩樹初黒星、そして一時引退の引き金となりました。
勝者たる永田には失礼ながら、井上浩樹の素質を惜しむ気持ちで、ひたすら残念に思うばかりでした。
しかし嬉しいことに井上は復帰しました。そしてWBOアジア王座奪取、それも中央アジアゾーンの選手を激戦の末に下してのもの。
その上で、かつて無念の黒星を喫した相手に雪辱を果たせば、その評価はますます高まりましょう。
永田はウェルター級での無冠戦でちょっと苦しみましたが、やはりベストは140ポンドかと思いますし、こちらも返り討ちにして、海外試合への飛躍を目指す。意気込みは充分でしょうね。
予想としては井上の雪辱なるのでは、と思っています。
スピードとテクニック、一瞬の切れ味をもって...というのもそうですが、現状、コンディションも良さそうな井上が、溌剌としたファイトを見せてくれるだろう、という期待をします。
しかし、試合としてはメイン以上に要注目と思っているのが、阿部麗也が世界挑戦に進んだフェザー級において、次の「日本代表」を決める一戦、といえる松本圭佑、前田稔輝戦ですね。
OPBF王者の堤駿斗が王座を返上し、いわば独自路線ってんですか、国内ライバルとの直接対決をしない方向に進み、WBOアジア王者藤田健児も、肩書きはともかく、闘いぶりに説得力が足りない。
そんな現状で、佐川遼を下した松本と、阿部に善戦した前田の一戦は、同級の日本一を決めるに相応しいカードだとみています。
ただ、予想となると、松本のコンディションにかなり左右されそうです。
デビュー戦から見ていますが、その時点で、あの体格ならライト級に上げるべき、と言う人もいたくらいで、果たしてフェザー級でいつまでやれるものなのか。
減量の影響もあってか、佐川戦、オイコラ戦ともに、中盤以降、若干精度が落ち、ペース配分に留意しないとフルラウンド闘えない、という印象がありました。
まあ、その程度に留まるならまだしも、それ以上の何かが試合中に見えるようだと...前田稔輝の切れ味鋭い強打を前に、苦戦は免れない、と見ます。
前田も、挑戦者決定戦が相手の都合で流れてしまい、強敵を下して意気上がる、という流れではなくなってしまったのが残念でしたが、一度敗れた日本タイトルマッチで、相手がスター候補の松本となれば、相手にとって不足はないでしょう。
長身で、攻防ともに多彩な松本を相手に、一瞬たりとも気を抜けない闘いですが、阿部麗也戦の試練を経て、さらに成長した姿を見せてくれると期待します。
予想は難しいですが、目を離せない緊迫の攻防となりましょう。
松本がパワーと正確さを発揮する序盤のうちに先制して倒してしまうか、そのリードを元手に闘えれば松本。
しかし、その攻防を凌いで、阿部戦でも顎の骨折がありながら、フルラウンド渡り合った前田が、地力を出せれば、前田。
はてさて、と逃げたいところですが、応援の心情も込めて前田、としておきます。
中嶋一輝と中川麦茶は、強打の中島、技巧の中川と、カラーがはっきりしている組み合わせです。
どちらが勝つか、となると、中島かなあ、とぼんやり思いますが、どちらになっても不思議はない、でしょうか。
さらに、アンダーに出るデーブ・アポリナリオも。ユーリ阿久井政悟のWBA王座を狙うアポリナリオ、どのくらい成長しているか否か、というところが気にかかりますね。
何しろ楽しみなカードが盛り沢山に並びます。
土曜日のAmazonPrime配信、トリプル世界戦と比べても、ボクシングファンにとっての楽しみ度合いは、けっして劣るものではないカードばかりですね。