さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

普通にやればこんな感じ、ということで 10.7大田区アンダー雑感

2023-10-10 00:01:47 | 関東ボクシング




土曜日、大田区の試合、その他の試合感想も、簡単に。



と、感想と言ってもなあ、と困るのが、メインというか、一番最後の試合。
亀田和毅、南アフリカのレラト・ドラミニにスプリットで敗れたわけですが...昭和から続くボクシング界の言い回しでいけば「どっちも負け」な試合でした。


亀田はハンドスピードは目を引くが、打ち込み体勢を取らない。取れない、という方が正しいか。
亀田の速いジャブ、コンビネーションは4発も8発も続くが、全部相手のガードの上、という場面再々。
きつめのマスボクシングかいな、という感じ。

対するドラミニは、その速さ優先のフォームを取る亀田に、スピードで負けていない。
その上で、亀田と比べるとまだ、バランス的にはしっかり打てている。速いだけの亀田よりも、コンビネーションのヒットに見るべきものがあり。
中盤までは、クリアにリードしていると見ました。

終盤、亀田のボディ攻撃でドラミちゃん...じゃなくてドラミニが倒れたが、足が滑っていただけで、スリップ。
判定は前半からのリードのぶん、ドラミニが支持された、という感じでした。


大まかに言えば、普通に採点し、普通に(スリップの)裁定したら、こんな感じかなあ、という。
これまでだったら、採点も有利だっただろうし、スリップも大喜びでダウン裁定だったことでしょう。
過去、この兄弟がどれだけ異様な「舞台設定」で闘ってきたか、というのが改めて思い出される、そんな試合でした。

ついでにいうと、エキサイトマッチでお馴染み高柳さんと、内山高志、谷口将隆といった実況解説陣が、普通にドラミニ優勢か、という印象をそのまま口にしていたことも「これまで」とは違いましたね。


若干不思議なのは、わざわざメインに持ってきた試合で、何でまた、こんなに公平というか普通の基準で物事が運ばれたのだろう、ということです。
私は判定が出る前、TVの前で鼻ホジホジしながら「どうせ」亀田の勝ち「になる」やろう、と思ってたんで、ちょっと驚きました。

今後については、今回の負けはトレーナーのせいにして、あの輩親父が自分で全部見る、みたいな話で再起するんだろうと思うところですが、なんか、そういう従来の話とは違う何かが、裏にありそうな気もしてきましたね。



しかし、元々「勝負出来ない」選手だと思ってはいましたが、改めて新鮮な驚きがあったというか...本当に駄目になってましたね。
考えたら歳も32、身体付きの見映えは良くても、中身はきつくもなってきているんでしょうし。
レイ・バルガス戦のときはまだ、序盤は右ロング振ったり、外されるようになったらアタマ持っていったり(すべて承知のバルガスにしっかり、両手でアタマを「キャッチ」されてましたけど)するくらいの元気はあったんですが、それもなし。

まあ、色々限界があるのは仕方ないです。ただ、さんざん井上尚弥の名前を出しておいて、コレ?とは、誰もが思ったことでしょう。
普通なら、この状況でこの相手にこの内容で負けたとなれば、潔く商売変えでしょうが...どうなりますかね。続けたところで、どうにもならんと思うだけ、ですが。




アンダーカードは、良くも悪くも見どころありというか、引っかかりのある試合が続きました。
第一試合が元WBO王者ウィルフレッド・メンデスと、アルアル・アンダレスのミニマム級ランカー戦。
メンデス先攻、アンダレスが反撃かという4回途中、バッティングで負傷ドローでしたが、内容は見応え充分。最後まで見たかった試合。


二試合目から四試合めまでは、スーパーフライ級のルーキーがそれぞれ、格上に挑むという試合が続く。
デビュー2戦目、RK蒲田ジムの野上翔は、元ムエタイ王者というアナンタチャイ・ドゥウォンヤイを2回、右フック合わせで倒し、ワンサイドに打ち込んで、4回終了TKO勝ち。
アナンタチャイも劣勢の中、よく抵抗していましたが、ただ、ちょっと体格に差があったかなと。

タイのムエタイ王者の中には、重いクラスだと、ムエタイでは鬼のように強いのに、国際式ではどんな条件でも気にせず?スパッと割り切ってコロコロ倒れる「稼げたらええねん」という人も、過去にはいましたが...軽いクラスのムエタイ王者にしては、不利なマッチメイクを受けたものだ、という印象でした。


続いてKWORLD3ジムの政所椋が登場、こちらは3戦目。
日本ランカー吉田京太郎にクリーンヒットを取られ、終盤、強引な巻き返しに出たが及ばず...と見えたが、判定は逆。
こういう勝ち星は「ためにならん」としか。もちろん本人が一番よくわかっているだろう、と思いますが。






こちらもKWORLD3ジムの花田颯、デビュー2戦目。相手はWBA13位のレネ・ビビアーノ。
足が全然動かない代わりに、締めた構えと軸の決まったフォームで良いパンチを打つビビアーノに、花田果敢に打ちかかる。
勢いと馬力は目を引くが、さすがに通じない。ビビアーノ、3回に右カウンターでダウンを奪う。
ダメージ深い花田、それでもボディ攻撃で反撃するが、4回、ビビアーノが身体を回したフルショットの右を狙い打ち、またも花田ダウン。

立ち上がってなおも反撃した花田の、心身のタフネスに感服はするが、4回で棄権すべき試合でした。
デビュー2戦目の選手が二度倒れ、ダメージ甚大だというのに、さらにそこから4ラウンズ闘わせるなど、非常識の一語です。
結局8回途中でストップ。花田は健闘しましたが、見るのが辛い試合でした。今後が心配です。






世界戦の間に挟まった試合、但馬ミツロがウィリアムス・オカンドーという選手を初回TKO。
KOシーン、というか、最後の場面はダウン後の加撃にあたらないのだろうか、と思いましたが、スローリプレイを一切流さないABEMAさんの対応に、かつてのG+と相通じる、忖度中継の確固たる姿勢を垣間見たような気がしました。
しかしこれでは、重岡兄弟の試合を立て続けにやるのは準備が大変だから、時間を空けるために、という意味でセットされた試合順の意味は、ほぼありませんでしたね。








さて、この日の会場の様子ですが、観戦していた友人によると、政所椋の応援と思われるグループは、彼の試合が終わると、ごそっといなくなってしまったそうです。
で、周辺の重岡兄弟応援団も、前座の内から、メインは見ずに帰る相談をしていて、これまたその通りに帰ってしまったそうで。
というか、当のその友人も、同じ行動を取ったわけ、ですが...。

元々客入りが悪かった会場が、メインの頃にはガラガラで、TVで見ていても、ホントに人が居ない様子が目に入ってきました。
それでも巧いこと、人がいるとこしか映さないように努めてはいたようですが、限界あり。半分どころか...下手すると3割かそこら?と見える映像もありましたね。






要するに「彼」の試合は、ネットで無料中継を眺める程度なら見るが、暇割いて身銭切って見るものではない、という認識で、世間の声は一致しているのでありましょう。
お客様はご存じです、の世界ですね。
ABEMAの同接は多いのかもですが、そこにすがって生きていくにも限界がありましょう。

もっとも友人曰く「最後にしてくれたおかげで、見ずに帰るという選択肢が得られた。これはプロモーター亀田の誠意として受け止めましょう」という、好意的解釈もあったりするのですが...。



※写真提供は引き続き「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。
メインの写真はありませんが(笑)いつもありがとうございます。


コメント (3)
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