IBFバンタム級王者のエマヌエル・ロドリゲス引退表明。
井上尚弥戦での敗北と前後して、対戦相手の体重超過だの、試合キャンセルだの、負傷ドローや僅差の惜敗だのと、数々の不運、不遇を乗り越えての世界王座復帰を果たしたばかりですから、ご多分に漏れず驚きました。
こちらは三浦勝夫氏の記事ですが、マネージャーやトレーナーも寝耳に水、という状態だそうです。
先のメルビン・ロペス戦での待遇なども極めて悪かったようで、それに心底から失望して見切りを付けた、と素直に取ればそうなりますが、マネジメント体制を一新したい、という思惑もあってのことか、と思ったりもしますね。
何しろ、この報に接した大多数が、そんな想像を巡らせていることでしょう。
しかし、ルイス・ネリーの体重超過と、それを金銭で補填しての試合挙行という提案を蹴った一件などからして、ボクシング界の非常識にノーを突きつけた人物の決断でもある。
そう考えると、本当にこのまま引退するのでは、という気がしないでもないですね。
再起を視野に入れての一時引退にしては、年齢も31歳で、余裕のある時期ではありませんし。
それこそ来日して、西田凌佑と闘えば、前戦よりはるかに良い条件で闘えるはずですから。
いずれにせよ残念です。
井上尚弥戦以降、より慎重になって、勝ち味が遅くなった感はあるものの、まだまだ総合的に見て、その実力はバンタム級世界最高レベルにありました。
来日して、井上尚弥以外の日本人ボクサーと闘ったら、どんな試合が見られるのか、楽しみでした。
こういう良い選手が、王座を手にしていながら、望みを失ってグローブを壁に吊すのだとしたら、ボクシング界全体にとっても損失であり、色々と省みないといけない話だ、と思いますね。
ということで西田凌佑のIBF挑戦は、空位の王座決定戦ということになります。
IBFランキングは1位西田、2位空席、3位レイマート・ガバリョ、4位栗原慶太、5位石田匠、6位堤聖也と、日本人が上位に多い状況ですが、普通ならガマリョが相手になるはずです。
栗原は先の敗戦で後退、石田、堤は年内に試合予定がありますし。
まさかフロイラン・サルダールをピックアップして、空位決定戦をまとめにかかる、ということは...と書きかけて、何か、ありそうな気がしてきましたが...。
この辺は、とりあえずガマリョ次第、という感じなのでしょうか。
いずれにせよ、西田にとっては、IBF王座獲得の可能性が高まった、と言えるでしょうね。